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ドワーフの街!

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『はい、到着。』
「ありがとうアイちゃん。」
『何かあったら連絡してね。』
「えぇ、分かったわ。」
 ニッコリ微笑むと、アイトネの姿が消えた。

「メグ、ココがドワーフの街よね。」
「えぇ、あそこに見えるのが入り口よ。」
 見える距離に大きな扉があり、商人らしき馬車や冒険者が並んで見える。

「それじゃ並びましょ。」
 マルグリットが先頭を歩き入り口に向かう。

「メグちゃんその格好は魔導士?」
「そう、冒険者時代の服よ。」
「本当に冒険者だったのねぇ、ドレス姿のメグさんしか見た事ないから新鮮だわぁ。」
 麗子はマルグリットをマジマジと見ながら言う、そして入り口の列に並び、マルグリット達の順番が来る。

「冒険者か、身分証を。」
「はい、これで宜しくて?」
 マルグリットは冒険者証を見せる。

「失礼しました、此方へどうぞ。」
 門番は大きな門ではなく、警備が達扉へ案内する、そして扉を通り、部屋へ案内される。

「少々お待ちください。」
 案内した門番が部屋から出ると、直ぐに兵士が入って来た。

「ようこそガーラムの街へ、ガーラム戦士団のガリウスと申します、今日はお忍びで御座いますか?ジブラロール王国、マルグリット王妃殿下。」
「えぇ、お買い物に来たのよ。」
「王と会われるのですか?」
「その予定は無いわ、だから報告も必要有りませんわよ?」
「いえ、そう言う訳にも行きませんので。」
「分かってるわ、冗談よ、でも街で買い物が終われば直ぐに出るのは本当よ。」
 ガリウスに飄々と答えるマルグリット。

「暫くすれば日も落ちます、お泊まりにならないのですか?」
 まだ夕刻とは言えない時間だが、街を歩いていれば日も落ちる時間だ、ガリウスはマルグリットへ問いかける。

「そうねぇ、トモミどうします?」
「帰りも気にしなくて良いし、あそこは明日の朝向かいましょうか。」
「そうよねー、街も見てみたいし。」
 マルグリットが聞くと、智美と麗子が答える。

「宜しければ王城の方で準備させて頂きますが。」
「面倒を掛けるつもりは無かったのだけど、そうも行かない様ね、それじゃぁお願いしますわ。」
「有難う御座います、それでは準備しておく様伝えておきます、街の用事が終われば付き添いの護衛にお声掛け下さります様。」
「護衛は要らない・・・って言う訳にもいかないわね、分かりましたわ。」
 マルグリットはそう言うと、先を立つ。

「では此方へ。」
「行きましょ、トモミ、ミサキ、レイコ。」
 案内された扉を抜けると、旅人や冒険者が通る大通りに出た。

「さてと、それじゃぁ鍛冶屋に行きましょう。」
「メグちゃん、ココって王国なの?」
「そうよ、ドワーフの独立国家とジブラロールは仲が良いわよ。」
「独立国家と?」
 智美と美咲が言うと、クスクスと笑うマルグリット。

「王様同士が仲良いのよ、エイダンとドワーフ王のゲルダムは飲み仲間なのよね。」
「あー、そう言う・・・。」
「冒険者時代2人で何度も飲み潰れて大変だったわ。」
 苦笑いしながらマルグリットは思い出し笑う。

「流石ドワーフの街ねぇ、金物屋が多いわ。」
 周りを見ながら麗子が呟く。

「奥の方に行けば、アクセサリーや細工物もたくさん有るわよ。」
「へぇ、用事終わったら見に行きたいわね。」
 美咲も興味津々に言う、そして大きな店構えの建物に着くと、マルグリットは笑みを浮かべ中に入る。

「らっしゃい、何を買いに・・・・メグじゃねぇか!」
「あら、ザイフォン覚えててくれたのね。」
「忘れるわきゃねぇだろ!ん?エイダンは一緒じゃねーのか?」
「あの人は仕事が有るもの、置いてきたわ。」
「そりゃ残念だ、それで?今日は何の用だい?」
 ザイフォンと呼ばれた男は長く伸びた顎ヒゲを触りながらマルグリットに問いかける。

「オリハルコンか黒魔鉱石で器が欲しいのよ、有るかしら?」
「オリハルコンは流石にねぇなぁ、黒魔なら少しは有るが、値が張るぞ?」
「構わないわ。」
 マルグリットがそう言うと、ザイフォンはマルグリットとどんな器なのか話しを始めた。

「凄いわねこのお店。」
「RPGの世界ね。」
「今やってるMMOの鍛冶屋そのままねぇ。」
 智美達は、魔法のイメージを知りたいと娘達に聞き、勧められたのがMMORPGの世界だった、そして最近は3人で仮想世界での冒険を楽しんでいた。

「トモミ、明日の昼過ぎ位に出来るそうだけど、細かい細工はなくても良いのよね?」
「えぇ、指定は無かったわ、器になっていれば良いと思う。」
「分かった、それじゃ早速取り掛かろう。」
 そう言うとザイフォンは店の奥に行ってしまった。

「値が張るって、いくらしたの?」
「金貨50枚にしてくれたわ。」
「えーっと・・・500万円?!」
「え!そんなにするの?!」
「魔法金属高っかぁ!」
「オリハルコンだとそれの10倍くらいするんじゃ無いかしら?ここに無いなら素材としては無いわね、今あるオリハルコンの武器とかを潰して加工し直さないとダメねぇ。」
「いや、それは最後の手段で置いておきましょ、とりあえその黒魔鉱石持っていくわ。」
 発注も終わり、4人は街に出ると店を見て回る。

「ナイフにフライパン、鍋、色々有るわねぇ。」
「和包丁は流石に無いかー。」
「和包丁って何かしら?」
「片刃のナイフね、料理し易いのよ。」
 智美はマルグリットに教えながら歩く。

「ここから屋台ね、何か食べる?」
 マルグリットは笑みを浮かべ3人に聞く。

「そうね、せっかく来たんだし、何か食べてみましょ。」
「肉が多いわね。」
 麗子は屋台に並ぶ肉串を見ながら言う。

「何の肉かしらね。」
 智美は屋台に行き、肉串を4本買い皆に渡す。

「メグはこう言うの食べれるの?」
「食べるわよ?冒険者時代は自分達で狩って食べてたもの。」
 何の肉か分からないが見た目は牛肉の様な肉串に齧り付く。

「・・・うん、マズい。」
「臭み強いわね、何かしらコレ?」
「どうかな、牛肉では無いのは確かね。」
「こちらの食事なんてこう言う物よ、ジブラロール王国はチハルのレシピが出回って、屋台でも美味しくなったらしいわ。」
「千春ちゃん凄いなぁ。」
「麗奈ちゃんも言ってたわ、千春ちゃんのご飯はめちゃくちゃ美味しいって。」
「美桜も言ってたわ。」
 肉串を持て余しながら歩く4人は、何とか食べ切り街を探索した。






 

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