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お宝探しする!

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「千春ちゃんありがとう。」
「いえいえ、今日もお母様の所ですか?」
「挨拶には行くけど今日は目的があるの、千春ちゃん今何か用事ある?」
「ん?何も無いですよ?」
「ちょっとお手伝いしてもらいたい事があるのよ。」
 ヨリママ智子は宇迦之御魂神に頼まれた事を説明する。

「お母さん、それ、かぐや姫の話しじゃない?」
「うん、多分そう。」
「それじゃ頼んできた別の神様ってかぐや姫?!」
「それは分からないわね。」
 美桜が言うと美咲が答える。

「私は良いけど、ヨリ達は?」
「もち!行くよ!」
「ウチもー、楽しそう!」
「私もやるー。」
「ありがとう、ロイロちゃん、龍の首の玉ってわかるかしら。」
「多分あれの事じゃろ、見当は付くが、あんな物どうするんじゃ。」
 顎に手を当て首を捻るロイロ。

「あんな物?それって何なの?」
「歳を重ねたドラゴンの逆鱗近くにな、偶にじゃが石が溜まるんじゃ。」
「何それ、胆石みたいなの?」
「それはどうか知らんが、まぁチハルが居れば取れるじゃろ。」
「私?」
「うむ、抉り取るからの。」
「えぐりとんの?!私が?」
「チハルは治療だけで良い、取るのは自分でやるじゃろ。」
 嫌な顔をする千春にロイロがフォローする。

「それじゃ、移動はリリに頑張ってもらわないとだね。」
 麗奈が頭に乗ってコロコロしているリリに言う。

「数回移転するだけでしょー?だーいじょうぶよー。」
「あ、麗奈ちゃん、ママ達にも空飛ぶ箒貸してくれない?」
「ん?いいよ、予備作ったし。」
 麗奈は麗子に魔道具を渡す。

「練習してから使ってよー?」
「分かってるわよーありがと♪」
「えーっと、ハース領行って、妖精の村行って、ドラゴンの所ね、ドラゴンの所はリリ行ける?」
「方向はわかるけど、フェアリーリングは無いわ~。」
「それじゃロイロ頼みだね。」
 千春達は出かける準備をしていると、待ったが入る。

「チハルさん!ハルト殿下にお出かけの事言わないと怒られますよ!」
「えー、モリー言ってきて。」
「了解です!私置いてかないでくださいよ!」
「わかってるよぉ、フランちゃんとユラは連れて行けないから、お留守番よろしくね。」
「私はお父様の所へ戻ります、とても楽しかったですわ。」
「またバイキング行こうね。」
「はい!」
「それじゃメグちゃんの所に一度顔出してくるわね、ユラちゃん一緒に、行こうか。」
「は~い!」
 ユラの手を取り、ママさんズは部屋を出る。

「よし、それじゃゴンドラ取りに行こ、メンバーはいつものメンバーとルカだね。」
 ラルカは、うさ耳をピコピコしながら頭を縦に振る、そしてゴンドラを取りに行くとエンハルトが仁王立ちしていた。

「ハルト、やほー。」
「やほーじゃ無いだろ、お前達だけで行くつもりか?」
「うん、ハルトも忙しいでしょ。」
「まぁ暇では無いが、それとこれは別だろ、護衛は連れて行け。」
「いるよ?」
 サフィーナ達を見ながら千春は答える。

「周りから護衛と分かる者を付けるのも大事なんだぞ、サフィーナやサリナがそこらの護衛より強いなんて、襲って来る奴には分からないんだからな。」
「えー、んじゃ誰連れてくの?」
「今エーデルとホーキンを呼んでいる、連れて行け。」
「隊長と副隊長連れて行って大丈夫なの?いつも思うんだけど。」
「問題ない、第二騎士団や他の団も居る、王女に護衛を付けない方が問題有るんだよ。」
「はいはいわかりました、おにー様。」
「そこは旦那様じゃね?」
「それな。」
「夫婦喧嘩じゃん。」
 千春とエンハルトのやり取りを聞いていた頼子達がボソッと呟く。

「・・・あー、まぁそう言う事だ、いいな。」
 エンハルトが言い終えると、エーデルとホーキンがやって来た。

「お待たせしまして、申し訳ありません。」
「・・・。」
「殿下どうされましたか?」
「いや、何でも無い、チハル達を頼むぞ。」
 苦笑いしながらエーデルに言うエンハルト。

「お任せ下さい。」
「了解しました!」
 エーデルとホーキンはエンハルトに答える、そして千春はゴンドラをアイテムボックスに入れると、皆を連れて庭にあるフェアリーリングに行く。

「リリよろしくっ!」
「了解よ!みんな入ってー。」
「はーい、いいよー。」
「そーれ!」
 リリが掛け声と共に魔力を流し、一瞬で海岸が見える風景になる。

「おー、数日ぶり!」
「どこにツバメいんのかな。」
 キョロキョロ見回すが、遠くにカモメのような鳥しか見えない。

「ハース伯爵に聞く?」
 頼子が言うと、千春はロイロに人魚を呼んでもらう、ロイロが口笛の様な鳴き声を鳴らす、すると水面からぴょこぴょこと顔が出てきた。

「お、いたいた、人魚さーん!」
 千春が声を掛けると、数人の人魚が凄い速度で砂浜まで泳いで来た。

「チハル王女様!また泳がれますか?!今日は海中探索しますか?!」
「え?海中探索?なにそれ楽しそう。」
「あの子に乗って海の中を探索できますよ!」
 嬉しそうに人魚達はシャチを指差し千春に言う。

「チハル。」
「あ。」
 サフィーナに声をかけられ、千春は聞く事を思い出す。

「今日は違うの、ツバメがいる所知らない?」
「ツバメ?今は居ませんよ?」
「えー!なんで?!」
「あの鳥は渡り鳥なので、今は涼しい南の方に居るはずです。」
「なぁー!どうしよう。」
 千春が困っているとモリアンが突っ込む。

「鳥は別に居なくて良く無いです?巣に貝殻あるんですよね?」
「あ、そういやそうだ、その鳥の巣って何処にあるかわかるかなぁ?」
「はい、その海岸を右手に沿って行くと崖が有ります、その中腹辺りに巣は沢山ありますよ。」
「ありがと!ヨリ!ミオ!レナ!行こう!」
 4人は箒に跨ると、サフィーナ達も付いてくる。

「エーデルさん、待っててねー。」
「お気をつけ下さい!」
「あーい!」
 地面を蹴り8人で崖を目指して飛ぶ、程なく崖が見えてくる。

「ヨリ、手分けして探そう。」
「子安貝ってどんなんだっけ。」
 頼子がスマホで検索を始める。

「えーっと、あー!これね!」
「あ、よく南国のお土産で貰うやつだ。」
「コレウチにもあるじゃん、アレでよかったんじゃ無い?」
「いや、ツバメのってのが大事なのかもよ?」
 千春達は崖に沿ってゆっくりと飛ぶ、そして巣を見つけるが。

「なーい!」
「こっちもフンしかなーい。」
「無いねえ。」
「えー!巣はいっぱいあんのに!」
 千春達4人と侍女4人は箒に乗り、片っ端から巣を見て回った。






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