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女子高生は恋バナで盛り上がる!

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「おっはよ、チハル!」
 月曜日、登校中の千春に声を掛けたのは美桜だ。

「おはよー。」
「どうしたん?元気無いじゃん。」
「背中が痛い。」
「あー、日焼けっしょ、昨日ウチもお風呂で叫んだわ。」
 ゲラゲラ笑いながら美桜も言う。

「シャチに乗る時日焼け止め塗らなかったもんねー。」
「そ、完全に忘れてたわ。」
 てくてくと歩きながら話をしていると、頼子も千春に声を掛ける。

「おふぁぁぁよぉぉぉ。」
 大欠伸をしながら挨拶をする頼子。

「眠そうだね。」
「もう、肌が痛くて寝不足だよぉ。」
「あははは!やっぱり?」
「千春とミオも?」
「ちょー痛いよ!」
「ヨリ顔日焼けしたねぇ。」
「千春もじゃん。」
 3人は学校に着くと、美桜が靴箱の前で止まる。

「ヨリ。」
「ん?」
「コレ。」
 美桜は可愛らしい封筒を頼子に見せる。

「なに?果たし状?」
「なーんで果たされないといけないのよ。」
「果たされるってなにさ。」
「なにー?ミオラブレター貰ったの?」
 千春が聞くと、わかんないと答え、その場で封を切る。

「誰から?」
「坂本君だね。」
「果たし状?」
「ラブレターっぽい。」
「マ?」
「うん、昼休み体育館の道具倉庫に来てくれって。」
「ほほぉ?行くの?」
「行かないねぇ。」
 ラブレターの話しをしながら教室に入ると、まだ生徒は少なく、机にうつ伏せる麗奈を見つけた。

「レナおっはよー。」
「おはぁょぉぉぅ。」
「日焼け?」
「うん、皆んなどうなん?」
「私痛くて寝れなかったから寝不足だよ。」
「ヨリナカーマ!」
「あははは!」
「んで、ラブレターがどうしたって?」
「あ、レナ聞こえてた?」
「聞こえたわ、で?なんて?」
「坂本君から、昼休みに道具倉庫に来てってさ。」
「ほー、行くん?」
「行かなーい。」
「ありゃ、坂本オワタ、どんまーい。」
 麗奈は坂本を憐れむが、顔は笑っている。

「なーんでミオなーん?私フリーなのにー。」
「そんなん坂本知らないじゃん。」
「まさか婚約者居るとは思わないよね。」
 話しているうちに他の生徒も登校してくる、仲の良い女生徒が、日焼けした4人に色々聞いてくるが、なんとか誤魔化し昼休みになった。

「千春食堂行こー。」
「ういぉー。」
 頼子に誘われ、千春が席を立つ、そして麗奈と美桜も連れ食堂へ向かうと、渡り廊下から倉庫が見えた。

「ミオー坂本君おるで。」
「ふーん。」
「話しだけ聞いてくれば?」
「えー、めんどくさー。」
「でもまたラブレター来るかもよ?」
「ぅっ・・・それもめんどいな、しゃーない、すぐ終わらせてくるわ。」
 美桜は倉庫に向かい、坂本に声を掛けると見えない所に移動した、そして本当にすぐ戻ってきた。

「早いな!」
「まぁね、坂本が直球で来たから打ち返してきたわ。」
「なんて?」
「付き合ってってさ。」
「お断り?」
「あったりまえじゃん、エーデルさんがいるもーん♪」
 そして4人は食堂に行き、食事を済ませると、教室に戻った。

「それでさー、アイトネ様すっごい食べたらしいよ。」
「電話でも残り30分って言ってたもんね。」
「あそこ確か90分だよね?」
「90分食べ続けたのか、すごいなぁ。」
「今度皆んなで行く?」
「行く!」
「いつ行く?」
「今週末3連休じゃん?木曜の夜とか?」
「えー、夜は米食べたーい。」
「んじゃ金曜の昼こっち戻って食べる?」
「良いね、サフィーちゃん達も呼ぶ?」
「良いかも、ユラも呼ぼうかな。」
「耳大丈夫なん?バレない?」
「あ、それは耳つきフードかぶって貰うから大丈夫。」
 今週末の異世界旅行と、日本に戻ってスイーツバイキングの話をしていると、麗奈が机の引き出しを覗く。

「どうしたん?」
「ん、いや・・・おおう?!」
 麗奈が引き出しから出したのは、どこかで見た覚えのある封筒だ。

「果たし状じゃん。」
「ちゃうわ!ってコレ、アレだよね。」
「もう捨てたけど、多分同じ便箋だねぇ。」
「何枚もってんだよ坂本。」
「坂本じゃないかもよ。」
「えぇ、どう見ても坂本じゃん。」
 麗奈が封を開け中を見る。

「さーかーもーとー!!!」
「なんて?」
「放課後に道具倉庫にってさ。」
「あいつ倉庫好きだな!」
「で、行くの?」
「行くわけないっしょ!ミオに振られたら私かよ!」
「なになにーどうしたーん?」
 教室で騒いでいると、同級生の女子が寄ってくる。

「あーソラ、ちょっとねー。」
「なにそれー、ラブレター?」
「そうなんだけどさー。」
 麗奈は青空(ソラ)に美桜からの経緯を説明する。

「草!」
「なにーどうしたー?ソラ何ゲラってんのさ。」
 青空が大笑いしているとほかの女子も寄ってくる、そして青空が説明する。

「マジか!節操無いな坂本!」
「あいつ良くもなく悪くもなくって感じだけどなぁ。」
「可もなく不可もなくを地で行ってるよね。」
 男子が居ない状況で女子が盛り上がる、そしてクラスの女子全員がこの件を知る事になった。

「で、レナどうするのさ。」
 青空が他の女子と一緒に聞いてくる。

「行かないよ、せめて美桜より先に声かけてくれば行ったかもだけど、まぁ好みでは無い!」
「ホーキンさん居るもんねー。」
「え?レナ彼氏いんの?」
「彼氏ではない!」
「良い雰囲気だったじゃん、もう付き合っちゃえよー。」
 美桜は揶揄い気味に言う。

「ほ~、そういうミオは余裕ですなー、彼氏出来たんだな?」
「まぁねっ!」
「ちょっと詳しく聞こうか!」
 細かい事は前もって設定を作っていた千春達だが、クラスの女子が集まり、皆に根掘り葉掘り聞かれ、昼休みは恋バナで盛り上がった。





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