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ママさんズとマルグリット着飾る!
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王宮は帝国の件で右往左往している頃、千春は西エリアの孤児院を訪問、元気に走り回る子供達を見ながら休憩していた。
「みんな元気だー。」
「ここの院長さんも良い人だね。」
「教会の人も子供好きみたいで良かったねぇ。」
「チハルが孤児院に出資してるのが分かったわ。」
千春達は子供達を見ながら呟く。
「チハル、お茶が入りましたよ。」
サフィーナはテーブルを出しお茶を淹れると千春達を呼ぶ。
「ありがとうサフィー。」
お礼を言うと、ニッコリ微笑むサフィーナ。
「平和だねぇ。」
「・・・そうだな。」
エンハルトは、今王宮は帝国の事で大変だろうなと想像しながらも、千春に肯定する。
「ママ達何してんだろ。」
麗奈が子供達を見ながらぽつりと言う。
「あー、なんかアイトネの髪の毛ツヤッツヤにしてたよ。」
「それウチのお母さんだわ、ネットで業務用のヘアパックとか買ってたの見たもん。」
「ミオママにやってもらったって言ってたわ、お母様商品開発しそうだなぁ。」
「美容系はお母さん達の知識に敵わないよ、別の所で何かしたいね。」
気付けば千春達は異世界で何が売れるか、作れるかと、商品開発会議をしていた。
「ほら、良くあんじゃん、孤児院の子供達に仕事してもらうとか。」
「あるね、屋台とかで異世界料理とかお菓子売ったりでしょ。」
「お店作るのもアリじゃね?」
「えー、子供達に仕事させんのー?」
頼子達の提案に千春は不満げに返す。
「ハルトさん、こっちの子供達って何歳から働くの?」
「市井の子供なら10歳にもなれば何かしら働く事が多いな、冒険者になる事もある。」
頼子がエンハルトに聞くと、言葉を返す。
「んー、商売は勉強にもなるし良いかもねぇ。」
「千春お店作る?」
「何の?」
「パンとか。」
「パンは出遅れてるよ、もうレシピ出回ってパン屋さんいっぱいあるもん。」
「お菓子は?」
「お菓子はコストがなー、砂糖高いんだよね。」
「甘くないお菓子は?」
「甘くない・・・ポテチか、ポップコーンとか?」
「芋はあるけど爆裂種のとうもろこし探すのが大変そう。」
4人はあーだこーだと話し合う。
「働く必要有るのか?」
「え?手に職持つと良いじゃん。」
エンハルトの問いかけに千春が言う。
「チハルが出資して孤児院を建てたが、国からの補助も出ている、教会からも聖女の孤児院と言う事で援助金が出ている、今は勉強させた方が後々の事を考えるとそっちの方が良いんじゃないか?」
「んー、そうなのかなぁ。」
「今すぐ考える必要も無いだろ、良いネタが思いついたらまた考えれば良いだろ。」
「そだね。」
そして孤児院からすれば聖女様の慰問と言う形でお礼を言われ、千春達は照れながらも子供達に挨拶をし、王宮に戻った。
-------------------
「エンハルト殿下、チハル王女殿下お帰りなさいませ。」
馬車を降りると執事が待ち構えていた。
「何かあったか?」
エンハルトは帝国の事が頭をよぎり、エイダンから呼ばれると思っていた、しかし。
「はい、チハル王女殿下、並びにヨリコ様、ミオ様、レナ様をお連れする様、マルグリット王妃より承っております。」
お辞儀をしながら執事は答える。
「だそうだ、チハル。」
「ふぇ?!何だろ・・・・何かしたかな。」
「しまくりだ、とりあえず行ってくれば良い。」
呆れた様にエンハルトは千春に言うと、千春達は渋々執事について行く。
「チハル、ワシらは部屋におるからな、何かあればすぐに呼べ。」
「ルプも?」
「王妃の所だろ?俺も部屋で待ってるよ。」
そう言ってロイロとルプは部屋に戻る。
「わっちはついてくぞー。」
「僕もー。」
「私も付き合いますわ~♪」
ビェリー、コン、リリは頼子達に抱かれ一緒に王妃の部屋に行く。
「お呼びですかお母様・・・・えぇぇぇ。」
扉が開かれ部屋に入ると、マルグリットとママさんズがドレスアップしていた。
「おかえりなさいチハル。」
「うっわ!お母さん何それ!」
「ママ綺麗!」
「どうしたの?お母さん。」
頼子達は自分の母親がドレスを着ているのを見て声を上げる。
「どう?ヨリちゃん。」
「凄いね、って何で着飾ってるの?」
「今日メグちゃんと夜会に出席する事になったのよ。」
ニコニコしながら智美が答える。
「さぁ!ミオちゃんお風呂に行ってきなさい!」
「え?!なんで?!」
美咲はそう言うと美容院御用達シャンプーセットを渡す。
「しっかり髪の毛ツヤッツヤにして来なさい!」
「え、まさか。」
「あなた達も夜会に出てもらうわよ!」
「えーやだ!」
「え?お母様嘘ですよね?」
「いいえ?貴族令嬢の髪を見ない令嬢や婦人は居ないわ、皆でこの髪を見せれば注目の的よ。」
完全に営業モードのママさんズ、そしてママさんズに加わったマルグリットは千春達を浴室に連れて行く。
「あなた達、チハル達を磨き上げてね。」
「はい!!」
侍女達は満面の笑みで千春たちを磨き上げる、特に髪は美咲に教え込まれたのか、丁寧に、そしてしっかり洗われた、それもそのはず、今回上手くいけば自分達にも配られると、マルグリットから確約されていたのだった。
「みんな元気だー。」
「ここの院長さんも良い人だね。」
「教会の人も子供好きみたいで良かったねぇ。」
「チハルが孤児院に出資してるのが分かったわ。」
千春達は子供達を見ながら呟く。
「チハル、お茶が入りましたよ。」
サフィーナはテーブルを出しお茶を淹れると千春達を呼ぶ。
「ありがとうサフィー。」
お礼を言うと、ニッコリ微笑むサフィーナ。
「平和だねぇ。」
「・・・そうだな。」
エンハルトは、今王宮は帝国の事で大変だろうなと想像しながらも、千春に肯定する。
「ママ達何してんだろ。」
麗奈が子供達を見ながらぽつりと言う。
「あー、なんかアイトネの髪の毛ツヤッツヤにしてたよ。」
「それウチのお母さんだわ、ネットで業務用のヘアパックとか買ってたの見たもん。」
「ミオママにやってもらったって言ってたわ、お母様商品開発しそうだなぁ。」
「美容系はお母さん達の知識に敵わないよ、別の所で何かしたいね。」
気付けば千春達は異世界で何が売れるか、作れるかと、商品開発会議をしていた。
「ほら、良くあんじゃん、孤児院の子供達に仕事してもらうとか。」
「あるね、屋台とかで異世界料理とかお菓子売ったりでしょ。」
「お店作るのもアリじゃね?」
「えー、子供達に仕事させんのー?」
頼子達の提案に千春は不満げに返す。
「ハルトさん、こっちの子供達って何歳から働くの?」
「市井の子供なら10歳にもなれば何かしら働く事が多いな、冒険者になる事もある。」
頼子がエンハルトに聞くと、言葉を返す。
「んー、商売は勉強にもなるし良いかもねぇ。」
「千春お店作る?」
「何の?」
「パンとか。」
「パンは出遅れてるよ、もうレシピ出回ってパン屋さんいっぱいあるもん。」
「お菓子は?」
「お菓子はコストがなー、砂糖高いんだよね。」
「甘くないお菓子は?」
「甘くない・・・ポテチか、ポップコーンとか?」
「芋はあるけど爆裂種のとうもろこし探すのが大変そう。」
4人はあーだこーだと話し合う。
「働く必要有るのか?」
「え?手に職持つと良いじゃん。」
エンハルトの問いかけに千春が言う。
「チハルが出資して孤児院を建てたが、国からの補助も出ている、教会からも聖女の孤児院と言う事で援助金が出ている、今は勉強させた方が後々の事を考えるとそっちの方が良いんじゃないか?」
「んー、そうなのかなぁ。」
「今すぐ考える必要も無いだろ、良いネタが思いついたらまた考えれば良いだろ。」
「そだね。」
そして孤児院からすれば聖女様の慰問と言う形でお礼を言われ、千春達は照れながらも子供達に挨拶をし、王宮に戻った。
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「エンハルト殿下、チハル王女殿下お帰りなさいませ。」
馬車を降りると執事が待ち構えていた。
「何かあったか?」
エンハルトは帝国の事が頭をよぎり、エイダンから呼ばれると思っていた、しかし。
「はい、チハル王女殿下、並びにヨリコ様、ミオ様、レナ様をお連れする様、マルグリット王妃より承っております。」
お辞儀をしながら執事は答える。
「だそうだ、チハル。」
「ふぇ?!何だろ・・・・何かしたかな。」
「しまくりだ、とりあえず行ってくれば良い。」
呆れた様にエンハルトは千春に言うと、千春達は渋々執事について行く。
「チハル、ワシらは部屋におるからな、何かあればすぐに呼べ。」
「ルプも?」
「王妃の所だろ?俺も部屋で待ってるよ。」
そう言ってロイロとルプは部屋に戻る。
「わっちはついてくぞー。」
「僕もー。」
「私も付き合いますわ~♪」
ビェリー、コン、リリは頼子達に抱かれ一緒に王妃の部屋に行く。
「お呼びですかお母様・・・・えぇぇぇ。」
扉が開かれ部屋に入ると、マルグリットとママさんズがドレスアップしていた。
「おかえりなさいチハル。」
「うっわ!お母さん何それ!」
「ママ綺麗!」
「どうしたの?お母さん。」
頼子達は自分の母親がドレスを着ているのを見て声を上げる。
「どう?ヨリちゃん。」
「凄いね、って何で着飾ってるの?」
「今日メグちゃんと夜会に出席する事になったのよ。」
ニコニコしながら智美が答える。
「さぁ!ミオちゃんお風呂に行ってきなさい!」
「え?!なんで?!」
美咲はそう言うと美容院御用達シャンプーセットを渡す。
「しっかり髪の毛ツヤッツヤにして来なさい!」
「え、まさか。」
「あなた達も夜会に出てもらうわよ!」
「えーやだ!」
「え?お母様嘘ですよね?」
「いいえ?貴族令嬢の髪を見ない令嬢や婦人は居ないわ、皆でこの髪を見せれば注目の的よ。」
完全に営業モードのママさんズ、そしてママさんズに加わったマルグリットは千春達を浴室に連れて行く。
「あなた達、チハル達を磨き上げてね。」
「はい!!」
侍女達は満面の笑みで千春たちを磨き上げる、特に髪は美咲に教え込まれたのか、丁寧に、そしてしっかり洗われた、それもそのはず、今回上手くいけば自分達にも配られると、マルグリットから確約されていたのだった。
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