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異世界カレー作り!④
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「ん?」
宰相がふと目線を漂わせながら匂いを嗅ぐ。
「どうした?」
エイダン国王はそれを見て問いかける。
「いえ、匂いが。」
「匂い?」
エイダンもスンスンと匂いを嗅ぐと微かに香ばしい匂いがする。
「ふむ・・・チハルかの?」
「でしょうねぇ。」
宰相とエイダン国王は目が合うと苦笑いをする。
「昼食が楽しみじゃな。」
「そうですね、とても良い匂いです。」
2人は職務室で昼食を楽しみにしながら仕事を続けた。
------------------
その頃騎士団訓練所では。
「むっ?」
人一倍鼻の効くエーデルが匂いのする方を向く。
「隊長どうされましたか?」
「食堂の方から嗅いだことのない匂いがしてな。」
エーデルはこの匂いの原因が誰なのか、おおよその見当を付けると訓練を続ける。
「ふむ・・・。」
「皆気付いた様ですね。」
「あぁ、腹が減る頃だ、この匂いを嗅げば落ち着きも無くなるだろうな。」
何の匂いかと囁き合う者、チラチラと食堂の方を見る者を見ながらエーデルは苦笑いをしていた。
------------------
「おかあさま、いい匂いがします!」
「ユラは鼻が効くものね、チハルが何か作ってる見たいよ。」
千春の行動はマルグリットには筒抜けで報告が有り知っていた、ユラはいち早く匂いを嗅ぎつけマルグリットに言う。
「昼食にはいただけるのかしら。」
「はい確認した所、料理人総出で作っている様で、昼食には出来上がる様です。」
「ですって、良かったわねユラ。」
「はい!」
満面の笑みでマルグリットに答えるユラ、マルグリットは優しく頭を撫でながら微笑んだ。
------------------
「チハルさん。」
「はーいはいはい!どうしました?ルノアーさん。」
千春はルノアーの所に駆け寄る。
「すまんがもう少しスパイスとやらを調合してくれないか?」
「え?良いですけど、上手く出来るかまだ分かんないですよ?」
「そうなんだが・・・。」
チラリとルノアーは食堂の入り口を見る。
「おぉぅふ。」
巡回の兵士や通りすがりの貴族、そして侍女がこちらを見ている。
「今作っている分じゃ足りないな。」
「マジか。」
ルノアーと千春が話をしているとエイダンの執事とマルグリットの侍女がルノアーに言伝する。
「追加確定だ、国王陛下と王妃殿下の昼食分も確保しないとだ。」
「まーじーかー!ヨリ!ミオ!レナ!手伝って!」
「任せろ!」
「がってんだー!」
「やるかぁ!」
立ち上がる頼子達は腕捲りし笑顔で応援に入る。
「チハルさん、具はミノタウロスで良いのか?」
「んー、どうせならスパイスの配合ちょっと変えてチキンカレーも作るかな、コカトリスある?」
「おう!いっぱいあるぞ。」
ルノアーがそう言うとカレーペーストを使っている料理人以外も手伝いを始め、パンを作るチームはナンの準備を始めた。
「千春お米は?」
「お願いしてるよー、足りない時はパンかナン食べてもらお。」
「オッケー♪」
頼子が米の心配をしていたが、パンは沢山作ってあり、さらにナンも作っている、問題無いと千春は作業を続けた。
------------------
「チハルさん、どうだい?」
ルノアーが鍋を混ぜながら千春に聞いてくる、千春は小皿に取り味見をする。
「うん、いい感じ、ちょっとトロみたんないかなぁ。」
千春は小麦粉を軽く水で溶くと、鍋に投入する。
「これでもう少し煮込んで下さい。」
「了解。」
そして昼食前になり、異世界カレーが出来上がる。
「はい、ミオ味見。」
「お、サンキュー!・・・・・うまぁ!」
「はい!カレー大好きっ子ミオのうまぁ頂きました!出来上がりー!」
「ひゃっほー!!」
「いゃぁ、1から作るとこんなに手間かかるんだね。」
麗奈と頼子は喜びつつもウンウンと頭を振る。
「で、私たち朝もカレーで昼もカレー?」
「え、ここまで作ったら食べるっしょ。」
「ウチは3食カレーでも良いよ。」
「3食カレーはアレだけど私もたべるよ。」
千春の問いかけに頼子達3人はさも当然と笑みを浮かべる。
「さて、チハルさん、この調子だと配膳が間に合いそうに無い、暇そうな侍女達に先に食べさせて手伝わせていいか?」
「良いよーん、サフィー問題無いよね?」
「はい、大丈夫ですよ、今そこに居る侍女達はそのつもりで来てるようですから。」
話しが聞こえたのか、侍女達は笑みを浮かべて頭を縦に振っている。
「よし、昼食の配膳手伝えるヤツは並べ!」
ルノアーが言うと侍女達は一斉に並ぶ、そしてビーフ、もとい、ミノタウロスカレーかコカトリスカレーを選び、ライス、パン、ナンの3種を選ぶと一斉声を上げる。
「頂きます!」
「おいしー!」
「辛い!でも美味しいわ!」
「あー!幸せ!チハル王女殿下ありがとうございます!」
「王宮の侍女でよかったぁ!」
侍女達は満面の笑みでカレーを食べる。
「うん、中々好評だね。」
「見た目で拒否られるとか無いね。」
「あーね、でもビーフシチューも似たようなもんじゃん?」
「そういやそうだ、んじゃ私たちもたべよっか。」
「食べよう!私ナンね!」
「ウチもナン!」
そして千春達は昼食もカレーを食べる、ルーから作った朝のカレーとはまた違う、スパイスから作ったカレーは格別だった。
宰相がふと目線を漂わせながら匂いを嗅ぐ。
「どうした?」
エイダン国王はそれを見て問いかける。
「いえ、匂いが。」
「匂い?」
エイダンもスンスンと匂いを嗅ぐと微かに香ばしい匂いがする。
「ふむ・・・チハルかの?」
「でしょうねぇ。」
宰相とエイダン国王は目が合うと苦笑いをする。
「昼食が楽しみじゃな。」
「そうですね、とても良い匂いです。」
2人は職務室で昼食を楽しみにしながら仕事を続けた。
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その頃騎士団訓練所では。
「むっ?」
人一倍鼻の効くエーデルが匂いのする方を向く。
「隊長どうされましたか?」
「食堂の方から嗅いだことのない匂いがしてな。」
エーデルはこの匂いの原因が誰なのか、おおよその見当を付けると訓練を続ける。
「ふむ・・・。」
「皆気付いた様ですね。」
「あぁ、腹が減る頃だ、この匂いを嗅げば落ち着きも無くなるだろうな。」
何の匂いかと囁き合う者、チラチラと食堂の方を見る者を見ながらエーデルは苦笑いをしていた。
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「おかあさま、いい匂いがします!」
「ユラは鼻が効くものね、チハルが何か作ってる見たいよ。」
千春の行動はマルグリットには筒抜けで報告が有り知っていた、ユラはいち早く匂いを嗅ぎつけマルグリットに言う。
「昼食にはいただけるのかしら。」
「はい確認した所、料理人総出で作っている様で、昼食には出来上がる様です。」
「ですって、良かったわねユラ。」
「はい!」
満面の笑みでマルグリットに答えるユラ、マルグリットは優しく頭を撫でながら微笑んだ。
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「チハルさん。」
「はーいはいはい!どうしました?ルノアーさん。」
千春はルノアーの所に駆け寄る。
「すまんがもう少しスパイスとやらを調合してくれないか?」
「え?良いですけど、上手く出来るかまだ分かんないですよ?」
「そうなんだが・・・。」
チラリとルノアーは食堂の入り口を見る。
「おぉぅふ。」
巡回の兵士や通りすがりの貴族、そして侍女がこちらを見ている。
「今作っている分じゃ足りないな。」
「マジか。」
ルノアーと千春が話をしているとエイダンの執事とマルグリットの侍女がルノアーに言伝する。
「追加確定だ、国王陛下と王妃殿下の昼食分も確保しないとだ。」
「まーじーかー!ヨリ!ミオ!レナ!手伝って!」
「任せろ!」
「がってんだー!」
「やるかぁ!」
立ち上がる頼子達は腕捲りし笑顔で応援に入る。
「チハルさん、具はミノタウロスで良いのか?」
「んー、どうせならスパイスの配合ちょっと変えてチキンカレーも作るかな、コカトリスある?」
「おう!いっぱいあるぞ。」
ルノアーがそう言うとカレーペーストを使っている料理人以外も手伝いを始め、パンを作るチームはナンの準備を始めた。
「千春お米は?」
「お願いしてるよー、足りない時はパンかナン食べてもらお。」
「オッケー♪」
頼子が米の心配をしていたが、パンは沢山作ってあり、さらにナンも作っている、問題無いと千春は作業を続けた。
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「チハルさん、どうだい?」
ルノアーが鍋を混ぜながら千春に聞いてくる、千春は小皿に取り味見をする。
「うん、いい感じ、ちょっとトロみたんないかなぁ。」
千春は小麦粉を軽く水で溶くと、鍋に投入する。
「これでもう少し煮込んで下さい。」
「了解。」
そして昼食前になり、異世界カレーが出来上がる。
「はい、ミオ味見。」
「お、サンキュー!・・・・・うまぁ!」
「はい!カレー大好きっ子ミオのうまぁ頂きました!出来上がりー!」
「ひゃっほー!!」
「いゃぁ、1から作るとこんなに手間かかるんだね。」
麗奈と頼子は喜びつつもウンウンと頭を振る。
「で、私たち朝もカレーで昼もカレー?」
「え、ここまで作ったら食べるっしょ。」
「ウチは3食カレーでも良いよ。」
「3食カレーはアレだけど私もたべるよ。」
千春の問いかけに頼子達3人はさも当然と笑みを浮かべる。
「さて、チハルさん、この調子だと配膳が間に合いそうに無い、暇そうな侍女達に先に食べさせて手伝わせていいか?」
「良いよーん、サフィー問題無いよね?」
「はい、大丈夫ですよ、今そこに居る侍女達はそのつもりで来てるようですから。」
話しが聞こえたのか、侍女達は笑みを浮かべて頭を縦に振っている。
「よし、昼食の配膳手伝えるヤツは並べ!」
ルノアーが言うと侍女達は一斉に並ぶ、そしてビーフ、もとい、ミノタウロスカレーかコカトリスカレーを選び、ライス、パン、ナンの3種を選ぶと一斉声を上げる。
「頂きます!」
「おいしー!」
「辛い!でも美味しいわ!」
「あー!幸せ!チハル王女殿下ありがとうございます!」
「王宮の侍女でよかったぁ!」
侍女達は満面の笑みでカレーを食べる。
「うん、中々好評だね。」
「見た目で拒否られるとか無いね。」
「あーね、でもビーフシチューも似たようなもんじゃん?」
「そういやそうだ、んじゃ私たちもたべよっか。」
「食べよう!私ナンね!」
「ウチもナン!」
そして千春達は昼食もカレーを食べる、ルーから作った朝のカレーとはまた違う、スパイスから作ったカレーは格別だった。
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