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チハル部隊の日常!

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「よし!帰ろう!」
「千春唐突に言うよねぇ。」
「なんかすんの?」
「いや?別に。」
「んじゃまだ早いし街探索しようよ。」
「オッケー、リリ送ってー。」
「わかりましたわー、あとチョコを作ったら配達してくれますの~、桜の下のフェアリーリングを登録する為に仲間を2人連れて行くわね。」
 宝石を渡した妖精が挨拶をする。

「ルルです!」
「ポポだ!」
 元気よく挨拶する妖精2人。

「それじゃ長老さんよろしくお願いします。」
「お任せくだされ、もっと美味しく作れる様努力いたしますので。」
 そして千春達はフェアリーリングに入り王国に戻った。

------------------

「チハル様が戻られました!」
 千春の影、通称チハル部隊の1人が魔導通信道具で連絡をする。

「そう、今日はもうおとなしく部屋で過ごされるかしら。」
 部隊長はため息を吐きながら呟く。

「サリナ様より連絡!チハル様は今から王都でお買い物だそうです!」
「嘘でしょ!お昼に行ったじゃない!第二班!王都に戻り警備!チハル様を確認次第追跡し警護しなさい!」
 部隊長は王宮に戻っていた第二班に連絡し王都へ走らせる。

「また箒に乗って行くのかしら。」
「多分そうだと思います。」
「はぁ・・・チハル様どんどん機動力高くなっていくわね。」
「モリアン様より伝言!」
「なに?!」
「・・・頑張れ!だそうです。」
「チッ!あの女いつかしばいてやる!」
 部隊長は馬に乗り指示をする。

「第一班は王城で待機!チハル様の部屋を警備!私は王都に向かいます!」
「はっ!」
 そう言うと部隊長は部下を2人連れ王都へ駆けていく。

「第二班から連絡!チハル様を目視で確認、現在貴族エリアの二番地アクセサリー売り場だそうです!」
 部下に報告が入り部隊長はそこに向かう。

「居たわ!」
「ルプ様が目立つので探すのは楽ですね。」
「探すのはね、逆に目立ちすぎるから困るのよ。」
 楽しそうに買い物をする千春達をこっそりと護衛するチハル部隊。

「サフィーナ様がこちらを見たわ、視線の先・・・二班に連絡、髭面茶色のズボン、オレンジジャケットの男を監視、動きがあれば処理しなさい。」
「はい!」
 直ぐに連絡を取る部下。

「店を移動するわね、次は衣服、店内は大丈夫そうね。」
 ほっと一息吐く部隊長。

「あ、もう出てきました。」
「はーやーいー!もうちょっとゆっくり見てくださいよぉチハルさまぁぁ!」
 嘆く部隊長とは裏腹に千春達はあっちこっちへと移動する。

「貴族街を抜けるわね、二班は?」
「先程の男を捕獲し兵士に引き渡してます、スリだそうです。」
「そう、直ぐに合流する様に。」
「はい。」
 貴族街をぬけ市井の市場に突入する千春達、そして前から冒険者が駆け寄ってくる。

「チハル様に冒険者が近寄って来てます!」
「サフィーナ様が大丈夫とサインを出してますね。」
「あれは狼の牙メンバーです、最近凄く稼いでいると評判の冒険者ですよ。」
「確かチハル様がアイテムボックスの魔法を教えたメンバーですよね。」
「えぇ、あの魔法が使えれば冒険者としても、大店に嫁ぐのも成功出来そうな素晴らしい魔法よ。」
「部隊長も使えなかったんですよね。」
「練習したけどダメだったわ。」
「おっぱい小さいのに・・・ボソッ」
「うるさいわね、ちゃんと見張りなさい!」
「小さい声で言ったのにうるさいって・・・ボソッ」
「なに!」
「いえ!」
 見張りを続けていると千春達は二手に分かれる。

「二班!レナ様、ミオ様に4人!残りはチハル様に!」
 直ぐに指示を飛ばす部隊長。

「次は何処に行くのかしら。」
「食材市場みたいですね。」
 千春と頼子は色々な野菜や肉が売られている市場を見て回っている、そして幾つかの野菜や果物を大人買いすると麗奈達と合流し、大広場で休憩する。

「買い物はもう終わりかしら?」
「その様ですねぇ。」
 そして千春が箒を取り出し、ロイロがドラゴンに変わる。

「サリナ様から通信!王城へ戻るそうです!」
「二班!急いで王城へ!私達も戻るわよ!」
「モリアン様から通信です!」
「なに!!」
「「がんばれー」・・・と。」
「○ろす!あの女!」
「モリアン様は貴族ですよ!?」
「私もよ!男爵家の4女だけどっ!!!」
 そして千春達は箒に跨り颯爽と城に戻って行く。


------------------


「はぁー!楽しかったー!」
 千春は城に戻り応接間のソファーでジュースを飲みながら寛ぐ。

「チハルコレ見て!」
「あー可愛い髪飾り!」
「4つ買ったよーオソロ!」
「これなら学校付けて行っても怒られないよね。」
「でっしょー、シンプルだけど可愛いよねー。」
 美桜が髪飾りを千春と頼子に渡すと2人は束ねた髪に付ける。

「チハル夕食はどうしますか?」
「んー、まだお腹空いてないし適当に作るから大丈夫。」
「わかりました。」
「サフィーとサリナとモリーも一緒で良い?」
「はい、構いませんよ。」
 千春が言うとサフィーナは了解しサリナは見えない所でヨシ!と拳を握り喜び、モリアンはぴょんぴょん飛び跳ね喜ぶ。

「そんじゃちょっと早いけどお風呂しよか。」
「そだねー、やっぱこっち暑いわ、汗かいたもん。」
「サッパリしてからご飯だね。」
「うぃーっす。」
 4人とリリ、侍女3人はお風呂に行き、ロイロ達は応接間で寛ぐ。

「ビェリー、酒は有るか?」
「あったりまえやん!」
 ビェリーは男の子の姿になり影から酒を出す、そしてコンとルプも人型になりテーブルを陣取る。

「護衛の嬢ちゃん。」
 ロイロが部隊長に声をかける。

「はい。」
 気配を消すのをやめロイロの横に立つ。

「今日はお疲れじゃったの。」
「いえ、これが私達の任務ですので。」
「コレはサフィー達に作った分じゃがレナが後で作る様なんでな、お前達に渡しておこう。」
 ロイロは魔石を部隊長に渡す。

「これは?」
「チハル達が使っていた空飛ぶ魔道具じゃ、3セットしか無いが後日全員分作っておくぞ。」
 ロイロがそう言うと部隊長は泣きながらロイロにお礼を言う。

「あ"り"がどゔござい"ま"ずゔ~~~!」
 跪き魔石を受け取る部隊長。

「俺でも千春の行動は予測出来ねぇからなぁ、まぁ夜は俺が引き続き警戒してるからゆっくり休んだら良い。」
「わっちもおるよ!」
「僕もです!」
「儂は寝るとどうしてもなぁ。」
「ロイロはいびきかいて寝てるからな。」
 ルプ達は大笑いしながら話す。

「今日はもう飯食って寝るだけじゃろ、お前達も休んだら良い。」
「いえ!チハル様が就寝されるまでが私達の任務ですので!」
 そしてまた気配を消し護衛に入る部隊長、千春はお風呂から上がるとミノタウロスチーズ丼を作り皆で食べる。

「んじゃ寝るべぇ。」
「うぃー寝るべ寝るべ。」
「チハルどん明日は何するべ?」
「・・・未定!」
「あははは!明日考えるべぇ!」
 そして千春はいつものようにルプのお腹を枕にしベッドに横たわる。

「サフィーお疲れさまー。」
「おやすみなさいませ。」
 サフィーナ、モリアン、サリナは応接間に戻り片付けをする。

「それではお疲れ様でした、モリー気を付けて帰りなさいね。」
「はい!」
 モリアンは扉を開けクルッと反転しサフィーナとサリナに挨拶をする。

「おーつかれさまでしたぁ!」
 ドアを閉めるとモリアンの気配が一瞬で消える。

「まぁモリーならなんて事ないでしょうけど。」
「そうですねぇ、あの子達にはモリアンは捕まえれないでしょうね。」
「サリナなら捕まえれる?」
「無傷じゃなくて良いなら。」
「でしょうね。」
「サフィーナさんはズルいです、身体強化の魔法に加えてブーストスキルまで使えるんですもの。」
「使える物を使っているだけですよ。」
 笑いながらサフィーナはサリナに答える、サフィーナはブーストスキルで全てのステータスを倍増させその上からさらに身体強化で重ねて倍増させていた。

「モリアンはどっちも使ってないんですよね?」
「えぇ、素でアレなのよ、天才的な直感と身体能力ね。」
「バカなのにズルいですわ。」
「あら、悪知恵は働くわよ?」
 クスクス笑いながらサフィーナとサリナも業務を終わらせて帰ることにした、その頃部隊長は。

「目標捕捉したか!?」
「一班外で見張っていますがまだ確認してません、二班は扉を閉じた後王宮方面に走り抜けたモリアンを見失いました。」
「チッ、逃げ足の早い!二班に出口付近と裏手に分かれて捜索!私は正面出口に行く!」
 チハル部隊が翻弄されている頃モリアンは・・・。

「ルノアーさん!今日の新作も美味しいです!」
「だろ!しかし良いのか?こんな時間にそんなに食べて。」
「だいじょうぶれふ、いっはいうごいてまふからー!」
 出口とは反対、裏口にも遠い食堂でルノアーの新作デザートを食べていた。

「ルノアーさん!おかわりです!」
 そして部隊が諦めた頃、堂々と正面から歩いて帰るモリアンだった。

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