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軍隊蜂!

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「3時のオヤツって・・」
「食べ過ぎだよね。」
 パフェやマフィンを食べ終わった千春は頼子と呟く。

『チハル美味しかったわ~♪』
「アイトネ色々ありがとう。」
『どうしたの?』
「ロイロ達が何かしたんでしょ?」
『逆よ~、私が対処する案件を事前に見つけてくれたのよ、特にコンがね。』
 アイトネがコン達を見ながら微笑む。

「そうなんだ、迷惑かけたのかと思ったよ。」
『コンにも言ったけどお礼考えといてね。』
「そんなに?」
『えぇ、面倒事が起きる前に対処出来たお礼よ。』
 そう言うとアイトネはいつもの様に手を振りながら笑顔で帰った。

「私からもお礼で御座います。」
 ドライアドがそう言うと子供サイズのドライアドが数人現れ壺の様な物を幾つか持ってくる。

「ロイロこの森で取れたお酒よ、受け取って貰えるかしら。」
「もちろんじゃ!」
「ほう、コレは俺たちも呑んで良いのか?」
「わっちも頑張ったけんね!」
「僕も!」
「もちろん皆様で呑まれて下さい。」
 次々と並べられる酒の入った壺をロイロは受け取る。

「ドライアドさんこのお酒何で出来てるんです?」
 色々なサイズの壺を見ながら千春が聞くとドライアドは指を差しながら答える。

「こちらが軍隊蜂のミード、あちらが果実のワインですわ。」
「軍隊蜂とか居るんだ。」
「森を守る生き物達です、もちろんチハル様達には手出ししませんよ。」
「え、言う事聞くの?」
「ええ、今もそこら辺を飛んでますよ。」
 ドライアドは窓を見ながら言う、千春は何気に窓に近づいて外を見る。

「ブブブブ!」
「うぉ!?」
「あら、挨拶に来たのかしら?」
 窓の外には子犬程の大きな蜂が飛んでいた。

「こわっ!」
「でかいな!」
「ひぇっ!」
「かわいー!」
「「「え?!」」」
 麗奈が蜂を見て微笑みながら言うと3人は麗奈をガン見する。

「レナ怖くないの?」
「え?手出ししないって言ってたじゃん、怖くなくね?」
「いやいや、ダンジョンの時とか虫見て逃げたじゃん。」
「アレは無理だけど!Gとは違うじゃん!」
「まぁセミとかは私も大丈夫だけど。」
「ウチはセミも無理。」
 千春が言うと美桜は腕を摩りながら無理無理と言う。

「開けて良い?」
 麗奈は窓に手をやり開けると、蜂は窓の張りに降りじっとしている。

「おとなしいね。」
「ブブブブ・・・・」
 羽を少し鳴らして挨拶をする様に頭を下げる。

「何か言ってる?」
「この子は巣分けして離れた女王蜂です、新しい住処を探してるそうです。」
「ドライアドさん言ってる事分かるんです?」
「私も分かりますわよー。」
 ドライアドが説明するとリリも答える。

「この子の寿命も残りわずかで子供達に巣を譲った様ですね。」
「ありゃ、そうなんだ、後何年くらい生きれるの?」
 リリが蜂の前に行くと何か話をする。

「あと100年もすれば土に帰るそうですわ。」
「100年?!」
「長くね?!」
「短くないなー!」
「蜂さんパフェ食べるかー?」
 麗奈だけ通常運転で蜂に声をかけると蜂はテーブルに飛び麗奈の作ったパフェを食べ出す。

「うまいかー?」
「ブブブブ・・・」
「私が作ったんだぞー。」
「ブブブブ・・・」
「そうかうまいかー。」
 麗奈が蜂に話しかける。

「レナ言葉わかんないよね?」
「え、なんか分かるよ。」
「はぁ?ブブブブしか聞こえないじゃん。」
 千春と美桜が不思議そうに麗奈に聞く。

「なんだろ、日本語覚えたての外国人が単語で話しかけるような感じで頭に直接聞こえるよ。」
「なにそれ、スキル的な物?」
 麗奈が答え、千春がさらに聞くとリリとドライアドが話す。

「レナ様は精霊との交信が出来るのですね。」
「私と波長が似てると思いましたものー!」
「あー、どうりでリリってレナとよく一緒に居るなーって思ったんだ、そう言う事かー。」
 ドライアドとリリの答えに千春は納得する。

「チハル、この子一緒に行きたいって言ってるけど良い?」
 レナがパフェをほぼ食べ終わった蜂と話しながら千春に言う。

「え?サフィーどうなの?」
 サフィーナを見るとサフィーナとモリアン、サリナまでブンブンと頭を横に振る。

「軍隊蜂はヤバいですー。」
「1匹でも倒すと巣の仲間が全て攻撃してくるといいますね。」
「軍隊蜂には手を出さないと言うのは常識ですよチハル様。」
「うーん・・・。」
 答えを待っている麗奈と蜂はまた話をしている。

「そっかー、それじゃ君はアミちゃんね。」
 麗奈が不意に蜂へ名前を付けた、するとうっすらと光り収まる。

「ちょ・・・レナさん?」
「あー、契約しおったわ、チハルコレは連れて行くしかないのう。」
 ロイロが笑いながら千春に言う。

「え?どう言う事?」
 麗奈が千春とロイロを見ながら聞いてくる。

「ロイロやルプが私に、ビェリーもヨリに魂の契約してるんだよ、願いを聞いて名前付けると契約完了、自分が死んだら契約した子も死んじゃうの。」
「えー!アミちゃんごめんよー。」
 麗奈は千春の説明を聞いて驚きアミに謝る。

「ブブブブ!」
「え、いいの?」
「何?レナ。」
「喜んでくれてる、一緒に行くって言ってる。」
「まぁしゃーないよね、でも軍隊蜂って虫だよね、精霊じゃなく無い?」
「軍隊蜂は精霊の一種ですわ、リリと似た様な存在ですもの。」
 そう言ってリリを見るとあからさまに膨れていた。

「リリ何?怒ってるの?」
「レナと契約は私がしたかったですわー!」
「えー、私と契約したら私が死ぬとリリも死んじゃうじゃん。」
「精霊の魂は消滅しませんわ!新しく精霊として生まれ変わりますものー!」
 そう言ってリリはプンプンと言わんばかりに怒って言う。

「リリもついて来たかったの?」
「行きたかったですわ!皆と一緒のお出かけは楽しかったですものー!」
「そっかー、チハルー。」
「はいはい、ドライアドさん、そこんとこどうなんですか?」
 話を振られた千春はドライアドに問いかける。

「構いませんわよ、森に縛られて生きる精霊が目的を見つけ外に出る事は禁止していませんわ。」
 ドライアドの言葉にリリは目を輝かせ麗奈をみる。

「リリには名前あるし契約にはならないけど・・・来る?」
「行きますわーー!!!」
 食い気味に返事を返すリリに麗奈は苦笑いで返す。

「ペットが2人増えたのう。」
「仲間やねー。」
「今更だけどな。」
「僕もペット枠なんですよね?」
「えー!ペット扱いですのー?!」
「ブブブブ!」
 賑やかに騒ぎまくるペット達は仲良く戯れ合う。

「私はロイロとルプねぇ。」
「私はビェリー。」
「ウチはコンちゃん?」
「私はリリとアミね。」
 飼い主4人はペット枠の人外6人を見ながら陽の落ちかけた窓際に立ち微笑んでいた。






 
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