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デザート作りとペット達の冒険!

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「千春作るのはジャム?」
「ベリーはね、あとは世界樹の実を使ったフルーツパフェだね、ケーキは流石にめんどくさいかな。」
「チハルケーキの材料揃ってますよ。」
 頼子と千春が話しをするとサフィーナが答える。

「いやー、流石にスポンジ焼くのは面倒でしょ。」
「いえ、スポンジケーキが有ります、あと生クリームとホイップも準備してますのでフルーツを切って挟むだけです。」
「・・・なんでそんな準備してんの。」
「ルノアーさんが持っていけと、1番チハルの料理見てますからね。」
「助かるねぇ、それじゃケーキ作る人!」
「はーい!ウチやるー!」
 美桜が手を挙げる。

「んじゃミオよろー。」
「あとはパフェはー。」
「はーい私やるー、パフェなら家でも作ってるから。」
 麗奈が手をニギニギしながらニヤニヤする。

「うぃ、んじゃジャムは私作るからヨリ手伝ってー。」
「オッケー、ジャムはパンにつけて食べるの?」
「うん、パンのストックあるからね。」
「パンかー、お菓子っぽくないなー。」
 頼子はちょっと不満げに呟く。

「んじゃマフィンでも焼く?材料は有るよ。」
「良いね、マフィンなら私も作った事あるわ。」
「えーっとオーブンはー・・・・薪かぁ!」
「え?あ、そりゃそうか、電気無いよね。」
 千春は薪オーブンを見ながら絶望する。

「千春王宮のオーブンは薪?」
「薪もあるけど基本魔道オーブン、温度管理まで出来るハイテクオーブンだよ。」
「そっかー、マフィンは諦めるかぁ。」
「サフィー薪オーブン使える?」
「申し訳ありません、無理です。」
「モリー・・・いや何でもない。」
「なーんですかぁ!最後まで聞いてくださいよ!!」
「薪オーブン使えんの?」
「無理です!」
「ほらぁぁぁ!!聞くだけ無駄じゃん!」
 千春達が漫才をしているとサリナが遠慮がちに声をかけてくる。

「あの、私使えますけど。」
「マ!?」
「ま?あ、はい、母の手伝いで良く火の番してましたので。」
「ナイスサリナ!もうモリーと侍女変わってもらおう。」
「ちょー!待ってください!」
「冗談だよ、モリー、でもサリナがサフィーと違う所で万能だから侍女に欲しいよね。」
「え?!いいんですか!?」
 千春の言葉に嬉しそうに返すサリナ。

「え?来てくれるの?」
「はい!」
「え?どう言う事?」
 即答するサリナ、意味が分からずサフィーナを見る千春。

「チハルの侍女になりたいと言う人か凄く多いんです。」
「そうなの?」
「はい!私も命狙われるくらい人気有ります!」
「お、おぅ、気を付けて・・・・なんで?」
「まず食べ物です、1番に新作が食べれます。」
「まぁそうね、よく一緒に食べるもんね。」
「次にお給料です、モリーでさえ普通の侍女の倍以上貰ってます。」
「サフィーさん!私でさえって!」
「あと、すごく楽です。」
「楽なの?」
「楽ですよ、チハルの用事以外の仕事は回って来ませんし、チハルが学園に行ってる時は暇ですもの。」
 サフィーナは微笑みながら千春に答える。

「その件は帰ったらハルトに相談しよう。」
「よろしくお願いします!チハル様!」
「サリナはヨリと一緒にマフィンお願いね。」
「はい!」
 イキイキと返事を返し石窯に火を入れるサリナ、そして手分けしてお菓子作りが始まった。


---------


「そろそろか?」
「もう少し麓の方ね。」
「その言い方じゃとリリはこの件知っておったか。」
「うん、ドライアド様から調べてくる様に何度か調査しましたもの、ロイロはこの件の為に来たの?」
「あぁそうじゃ、チハル達のお出かけはついでじゃ。」
 ロイロとリリが何やら話しているが、ビェリーとコンは何の事だろうかと考えていた。

「ロイロさんこの件って何でございますか?」
 疑問に思ったコンがロイロに問いかける。

「実はな、ドライアドに相談されておったんじゃ、異常に魔獣の変質が多いとな、通常ならココまで発生しないそうじゃ。」
「やけん千春達にココ遊びに行く様に言ったん?」
「まぁの、この件は儂1人でやるつもりじゃったがお主ら暇そうじゃったからの。」
「ルプさんはこの件と言うのは知ってるんですか?」
「あぁ、ルプには言っておる、チハルには心配させん様に口止めしとるが。」
 ルプは地面ではなく低空を駆け抜ける様に走っている。

「ロイロ!あそこ!」
「ほう、魔獣自体は思ったより少ないな、強い魔獣に淘汰されたか。」
「そうやね、強そうなのが数匹、後は烏合やね。」
 空からロイロ達が話しをしているとルプが吠える。

「お?ターゲットを決めた様じゃな、リリは安全な所から見ておれ。」
「わっちも行くけんな!」
「僕も行きまーす!」
 ロイロから皆飛び降り戦闘態勢に入る、ビェリーは土魔法で圧死させ闇魔法で回収しつつコンのサポート、コンは素早い動きで魔物を翻弄しながら首を掻っ切る。

「中々やるのう、アヤツらも。」
 ロイロは低空を飛行しながら風魔法で切り裂く。

「ロイロ、尋常とは言わんが大した事ねぇな。」
「そうじゃのぅ、しかし数は多いのぅ。」
「ロイロ、コンが何か気になる物が有るって言ったわよ。」
「どうした?コン。」
「あの崖あたりに不審な気が有ります、僕が知っている物でしたら神様案件です。」
「ほぅ、行ってみるか。」
 周辺の魔獣はあらかた倒しビェリーがルプに乗り回収を済ませると崖に向かう。

「洞窟か、俺が先頭で行こう。」
 ルプが言うとビェリーとコンはルプの上に乗る。

「一緒に行きゃーいいやん。」
「そうですルプさん、物が物なら僕が見ないと。」
「まぁ焦るな、みんなで行けば良いんじゃ。」
 人型に戻ったロイロは軽い足取りで横を歩く、そして暫く歩くと広めの空間に出た。

「・・・皆さんアレに絶対触らないでください。」
 コンが言う先にあった物、それは真っ黒で歪な球体だった。






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