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生活指導室!

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2泊3日の異世界旅行が終わり頼子達は家に帰る、そしていつもの日常が戻った。

「おはようヨリ!」
「おっはよー!」
 登校中の千春と頼子は朝から元気に挨拶を返す。

「あっちの時間が濃くて戻った時の違和感がパない。」
 頼子は千春に呟く。

「あー、わかるー、私も最初そうだったよ、慣れる慣れる。」
「慣れるかなぁ、とりあえず、あっちにいつでも行ける様に頑張ろう。」
「何を頑張るの?」
「ほら、親にお泊まりで千春の家行くのにOKもらう為にさ。」
「そう言えばそうだねぇ、対策あんの?」
 歩きながら千春は頼子に聞く。

「お母さんはもう分かってるから良いんだけどお父さんが問題なんだよね、やっぱ勉強的な感じかな。」
「毎週お泊まり勉強会!」
「それが妥当な案かなぁ。」
「勉強してないけどね。」
 ケラケラ笑いながら2人は教室に向かう、そして美桜と麗奈も教室に入ってくる。

「おはよーヨリ、チハル。」
「おはようミオ。」
「おはー、元気無いじゃん。」
「んーーー、こっち戻ってきて平穏すぎてさ、何か物足りなさが。」
「わーかーるー。」
 美桜の言葉に麗奈が同意する。

「もうずっとチハルの家に住みたい。」
「私も~。」
「休日前とかならいんじゃないの?」
「チハルは良いかもだけど行く理由がなぁ。」
「私は勉強会って名目で行くつもりだよ。」
 美桜が悩んでる所に頼子が言う。

「勉強会かー、レナは?」
「それが妥当かな、進路も決めたし。」
「え?レナ進路って何にしたの?」
「チハルとヨリと一緒、大学いく。」
 麗奈はそう言うと鞄から進路の紙を取り出し見せる。

「へえ、工学部?」
「うん、色々試したい事もあってさ。」
 麗奈は真面目な顔で言う。

「ウチも書いてきたんよ。」
 美桜も紙を出す。

「ミオも工学部?」
「そ、ウチは建築系だけどね。」
「レナは?」
「化学系だよ。」
 美桜と麗奈が千春に答える。

「今から間に合うかなぁ。」
 頼子が呟く。

「ヨリはどうするか決めたの?」
「決めたよー、農林学部。」
「え?農業系なの?!」
「まぁそう思うだろうけど、バイオテクノロジーとかそっち系だよ。」
「そんなの勉強出来るんだ。」
「うん、お母さんと話ししてたらそう言う話になった、色々学べるらしいよ、千春は政治経済だっけ?」
「んー、医学部も考えてんだよね、せっかくスキルあるし活かせそうじゃん?」
 4人はスマホで大学や学科内容を調べつつ色々な話しをする、そして日帰りで異世界で遊びつつ1週間を過ごした。

---------------------------

「チハルお泊まりよろしく!」
「おー!許可貰えたの?!」
 麗奈が千春に嬉しそうに言う。

「ミオもオッケーだってよ。」
 そう言うとミオがニコニコしながらピースする。

「やっぱ大人の説得はありがてぇ。」
「ヨリママ?」
「うん、ヨリママに頼み込んだ、ウチのママの説得。」
 美桜と麗奈が頼子を見る。

「めっちゃ笑ってたよお母さん、まぁ私もチハルパパに説得してもらった口だからわかるけど。」
 頼子は笑いながら千春に説明する、そしてワクワク気分で金曜の授業を終わらせ、帰る準備をしていると4人は担任に呼ばれた。

「藤井、ちょっと良いか?」
「何?先生。」
「あー、あと向井、平田、矢代、お前達も来てくれ。」
「はい?」
「なにー?」
 荷物を持ち担任について行くと部屋にたどり着く。

「う?!指導室?!」
「お前達は指導室って言うけどな、ここの名称は相談室だ。」
 そう言うと扉を開け、担任は4人を座らせる。

「あー、単刀直入に聞くがお前達何があった?」
「何ってなんですか。」
 麗奈が平然と答える、千春と頼子はすっと目を逸らす。

「いや、すまん、言い方が悪かったか、説明すると長くなるから端的に言うが、お前達の授業態度がすこぶる良すぎて先生達の話題に上がりまくってる。」
「良い事じゃん。」
「平田、良い事なんだがな?俺が聞かれるんだよ!どんな指導したのかってな!俺は何もしてねぇ!」
「あー。」
「それにだ、進路の方もお前達4人は学部もしっかり書いてただろ、それに授業態度の変わり様、お前達は良い意味でも悪い意味でもクラスのムードメーカーなんだよ、じわじわだが他の生徒にも影響が出てる。」
 担任は苦笑いしながら4人に言う。

「それで、何があった?藤井。」
「んー・・・愛ゆえに。」
「は?・・・・向井は?」
「えぇぇ・・・愛かなぁ。」
「待てお前ら不純異性交友じゃ無いだろうな、平田お前は?」
「愛です!」
「おぉぉい、ちょっと待ってくれ・・・矢代お前もか?」
「愛が欲しいぃぃぃ!!!」
 麗奈は机に伏せながら叫ぶ。

「なんかすまん、矢代はまぁあれだ、その3人、愛ってなんだ?!」
「あ、私は親公認の婚約者が居まして、役に立ちたいなぁって。」
「え、あぁ、あー、うん、親公認・・・婚約者ぁぁ?!」
「はい。」
「まぁそこは家庭の事情とプライベートだ、向井は?」
「あ、私もお母さん公認の婚約者ですよ。」
「・・・・マジか?」
「はい♪」
 千春と頼子はにこやかに答える。

「・・・平田もか?」
「私はまだ親に紹介してませんけどチハルの婚約者の部下?で、チハルパパも知ってる人です、まだお付き合いしてません。」
「そ、そうか、なんかホッとした、まぁ3人の動機は何となく分かったが、愛が欲しい矢代まで変わったのは何故だ?」
 4人を見回し担任は聞く。

「知識が有れば何かしらと便利だろうなって思ったんです、何が出来るかを知ってると便利じゃ無いですか。」
「まぁそれはそうだが・・・・まぁ良い、もうすぐ実力テストも有る、頑張っているのは間違いないしこれ以上聞くのは野暮だろう。」
 そう言うと担任は立ち上がる。

「あ、担任としてでは無く個人的に聞きたいんだが。」
「何です?」
 ふと聞いてくる担任に千春が返事をする。

「藤井の婚約者ってどんな人なんだ?聞いてたら社会人男性の様だが。」
「んー、王子様。」
「あ、いや、そう言う抽象的な物じゃ無くてな?」
「えー、他に例えようが無いんだよなぁ。」
 千春がそう答えながら頼子を見る。

「うん、王子様だね。」
「王子様以外に何があるかな。」
「王子様じゃん。」
 頼子や美桜、麗奈も続けて言う。

「・・・うん、もう良いぞ気を付けて帰れよ。」
「「「「はーい。」」」」
 そして千春達は相談室から退出し下校する。

「はぁ、他の先生達に説明できねーなーこれは。」
 担任は1人ため息を吐きながら呟いた。




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