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複合魔法やっちゃいますか!

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「兵士がいっぱい居る。」
「本当だー、こんな朝からすごいねぇ。」
「うぉー筋肉がいっぱいだぁ。」
「ミオ筋肉って・・・。」
 美桜の呟きに麗奈がツッコミを入れる。

「殿下!」
「エーデル、さっき言った魔法を試したい。」
「はっ!それではこちらへ。」
 エーデルが誘導し四方の囲まれた広場に到着する。

「ここは結界が張ってある、魔法を使っても被害が出ない訓練所だ。」
「こう言うのって魔導士団の方にあるんじゃ無いの?」
「魔導士団の方は研究がメインだからな、魔導士団も訓練の時はここでやるんだよ。」
「へぇ、あのカカシみたいなのに魔法打つの?」
「そうだ、ミオ試し打ちしてみるか?」
「おっけー。」
 美桜は手を前に出し構える。

「・・・ファイア!」

ぽひゅっ

「なー!ショボッ!」
「魔力練るんじゃ無いの?」
「他の魔法と一緒なら溜めた方がいんじゃ無い?」
「私もやってみよー。」
 麗奈も同じ様に手をかざし構える。

「・・・ふぁいあー!」

ぽしゅっ

「あははは!ミオみたいになった!」
「ちょっと溜めて出すわ。」
 美桜は手をかざし集中する。

「・・・ファイア!」

バシュッ!・・・ボッ!

「おー!当たった!当たったよ!」
「おー、燃えとる。」
「ハルトどうなの?この魔法。」
「中々凄いな、火の魔法は初めてなんだよな?」
「はい、室内でやっちゃダメって言われたから。」
「初めてでこれか。」
 サフィーナが水魔法で火を消す。

「ミオ、爆炎行ってみ?」
「オッケー、破裂するイメージでいけっかなー。」
 そう言ってミオは手をかざす。

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「練りすぎじゃね?」
「イメージが難しい?」
「無理なのかな?」
 千春、頼子、麗奈が話しをしてると美桜が千春達を見る。

「魔法の名前何にしよう。」
「そっちかい!」
「無詠唱でもいけるでしょ!」
「イ○ナズンでいんじゃね?」
「えー!かっこいいのが良い!」
「爆破?」
「英語だと何だっけ。」
「ブラストじゃね?」
「それだ!」
 美桜はそのまま魔法を発動する。

「ブラストファイアー!」

ボッ!・・・・・ドゥゥゥゥン!!!!!

「うぉ!」
「ぎゃぁ!」
「うぁぁぁ!」
 50mほど先のカカシが向こうに吹っ飛び壁にぶち当たる。

「あっぶなぁぁ。」
「何この破壊力。」
「やべぇな、どこで使うのよこんなの。」
 ビックリしている3人と裏腹に美桜はドヤ顔で千春達をみる。

「ドャァ!」
「凄いけど危なすぎでしょ。」
「魔力練りすぎじゃん?」
「名前考えてる時も魔力溜めてたのか!」
「いやぁ、こんなに吹っ飛ぶとはね、向こう側に破裂するイメージしといて良かったわ。」
 美桜はゲラゲラ笑いながら千春達に言う。

「ハルトあれが爆炎魔法だよ・・・どしたん?」
 エンハルトは口を開けたまま固まっている。

「ハルト?」
「あ、あぁ、凄いな。」
「こっちでこう言う魔法無いの?」
「見た事無いな。」
 エンハルトは表情を変えず固まったまま千春に答える。

「エーデルさんどうですか!?」
「ミオさん凄いです、魔導士団でもこんな魔法使えませんよ。」
「へっへー、頑張りました!」
 美桜はエーデルにガッツポーズをする。

「お待たせしました!凄い音がしましたが!」
「アリン、今ミオが例の魔法を使った所だ。」
「火と風の混合魔法ですね。」
「チハル達は爆炎魔法って言ってるがな。」
「もう一度出来ますか?」
「出来るよー。」
「ミオもうちょっと威力落としてよね。」
「わかってるよー。」
 美桜は他のカカシに狙いを定めて打ち込む。

「ブラストファイアー!」

ボッ・・・・ドゥン!

「どやー!」
「凄いですね。」
「私もやって良い?」
「レナも出来そう?」
「いや、似たような魔法使ってみようかなって。」
「へー、やってみて。」
 麗奈は千春にそう言うと手をかざし狙いを定める。

「いっくよー!ハイドロボム!」
 麗奈がそう言って手をがざすと青白い炎が飛んでいく。

ボンッッ!!

「おおー!すご!」
「カカシ吹き飛んだ!」
「何あれ!私の魔法と全然違う!」
「へっへー、水と火と風の3種複合でやってみたの。」
「え?水?」
 水魔法という言葉に千春が聞き直す。

「そ、魔法で出しても水は水じゃん?出す時に分子を分けて出せたから水素と酸素で出したの。」
「マジか!レナ凄いな。」
「風魔法で層作って火魔法に着火させたんだけどうまく行ったわ。」
 美桜に負けないくらいのドヤ顔で説明する麗奈。

「おーおー、アリンとハルトが面白い事になってるわ。」
「呆けてるじゃんwww」
「おーいアリンさん帰ってこーい。」
 頼子がアリンハンドの顔の前で手を振る。

「あ、失礼しました。」
「どうだった?2人の魔法。」
「何と言いますか、えー、言葉にならないんですが。」
「そうだな、凄いとしか言いようが無い、水で爆発させると言う事がまず分からん。」
「そりゃそうか、水の分子構造なんてこっちの世界じゃわかんないよね。」
 アリンハンドとエンハルトにうんうんと納得しながら千春は頷く。

「でもさ、レナの魔法も使い道無くね?」
 頼子がレナに言う。

「無いねぇ、まぁ襲われたりしたら自衛手段で使えんじゃね?」
「いや、レナ、それ人に当てたらヤバいって。」
「ミオのもヤバいよね。」
「それ言うならチハルのアイテムボックスとか反則じゃん!」
「ヨリの影収納もな!」
 ワイワイと盛り上がって話をする4人をアリンハンドとエンハルトとエーデル3人は見ながら呟く。

「凄いですねこの4人。」
「タイキ殿も凄かったがな。」
「殿下、あちらの世界の住人は皆こうなんですか?」
「どうだろうな、科学と言う知識で魔法を使うと凄い事になるって事はわかった。」
「それでは私達が科学の知識を覚えたら・・・。」
「それはタイキ殿に言われている、広めない方が良いってな。」
「そう言えばロイロさんも言ってましたね。」
 エンハルトは千春に問いかける。

「チハル向こうの知識を広めるのはマズイんじゃ無いか?」
「大丈夫だよ、コレくらいの知識は向こうじゃ常識範囲だし、ライリーくらいの子はみんな知ってる知識だよ。」
「嘘だろ?」
「本当だよ、ヤバい知識ってなると核融合とかニトロあたりがアウトだろうけど調べないと私も分かんないよ。」
「そうだよねー、あんまり向こうの知識は出さない方が良いかー。」
「知識チートは便利かなくらいで自重しよう。」
「そだよ、千春が最初言ってたもんね。」
 麗奈、美桜、頼子も話を聞いて頷く。

「と、とりあえず今の魔法の仕組みと言うか発動方法は教えていただく事は出来るのですか?」
「うん、後でヨリに教えてもらったら良いよ、2人っきりで。」
「な!何で2人っきりなのよ千春!」
「え?イチャイチャしたら良いじゃん。」
「うらやまー。」
 麗奈が羨ましがる。

「エーデルさん今日鐘が2回なった後街に行くんですけど・・・一緒にいけます?」
「はい、護衛でついて行くように王妃殿下から来ております。」
「やった!」
 美桜はぴょんぴょん跳ねながら喜ぶ。

「ハルト魔法はこんなもんで良いかな。」
「そうだな、アリン良いか?」
「はい、詳しい事はヨリさん達に聞きますので。」
「はーい!いくらでも教えるよアリンさん!」
「ヨリー自重しなさいよー?」
 麗奈が頼子に注意すると皆大笑いして部屋に戻る事にした。


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