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フレンチトースト!

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「んー・・・」
「おはよう千春。」
「おはよールプ。」
 千春は寝ぼけ眼でルプに声を掛ける。

「まだ6時じゃん。」
「二度寝するか?」
「いやー、がっつり寝たから起きるよー。」
 ベッドを見ると頼子たちは寝ている。

「おはよう御座いますチハル。」
「おはようサフィー。」
「もう起きられますか?」
「うん。」
 千春はサフィーに促され着替える。

「え、今日こんな格好なの?」
 サフィーナが見せる服はヒラヒラの付いたドレスだ。

「えぇ、今日はギルドマスターと会うのでしょう?」
「まだ早くなーい?」
「後で着替えますか?」
「うん、とりあえずラフな格好で。」
 そう言うと少しラフなワンピースをサフィーナが準備する、そして着替えて応接間に移動する。

「今日は9時から生産ギルドのダーサン様との商談、その後は正午まで王都で探索、それが終わりましたら王妃殿下の元でドレスの試着とヨリ達の採寸、夕刻まで休憩の後フィンレー様セレモニーへの御出席になります。」
 サフィーナはつらつらと今日の予定を千春に言う。

「結構詰まってんね。」
「昨日よりはゆっくりしてますよ?」
「昨日色々やったもんねー。」
 ゆっくりしていると麗奈が起きてくる。

「おはよー。」
「レナおはよー、2人起きた?」
「うん、モゴモゴしてたから多分起きてくるよ。」
「レナさん着替えましょう!」
 モリアンが麗奈を連れてまた寝室の方へ移動する、しばらくすると麗奈達3人が応接間に来る。

「おはよーヨリ、ミオ。」
「おはよう千春早いねぇ。」
「目が覚めたからね、今日も忙しくなるよー。」
「おー、どんとこーい。」
「生産ギルドの人と会うんだったよね。」
「そ、まだ時間有るし朝ごはん食べるっしょ。」
「うん、何処で食べるの?」
 頼子はまだ眠そうに千春に言う。

「食堂行く?言ったら持ってきてくれるけど。」
「目覚ましたいからちょい歩くかぁ。」
 美桜も眠そうに言い、4人はサフィーナ達を連れて食堂に向かう。

「おはようございますルノアーさん。」
「おはようチハルさん、早いね、何か作るのかい?」
「んー、ヨリ何か食べたい物ある?」
「有る物で良いよ。」
「チハルーフレンチトーストとか出来る?」
「でき・・・るか?な?」
 美桜のリクエストを聞いて、千春は厨房に入りパンを見る。

「ルノアーさん、このパン貰うね。」
「あぁ、好きなだけ使ってくれ、他に何かいる物はあるかい?」
「バターと牛乳と卵良い?」
「了解だ、すぐ持ってくる。」
 千春はアイテムボックスからバニラエッセンスを出して準備する。

「チハル何です?それ。」
「バニラエッセンスって言う豆から取った香り付けする調味料だよ。」
「そんなの持ち歩いてたんですか。」
「うん、お菓子作る事増えたからアイテムボックスに入れてた。」
 千春はボールを取り出し砂糖を並べる。

「チハルさん、こんだけあれば足りるかい?」
「いや、多すぎでしょ!」
 籠いっぱいの卵に2リットルは入りそうな瓶に牛乳がたっぷり入っている、それが5本並ぶ。

「まぁ良いや、とりあえず私たちの分作ろう。」
 千春は卵をパカパカとボールに割り入れて行く。

「チハルさん!片手でどうやったら卵割れるんですか!」
「んっと縦に持って人差し指と中指が前、薬指と小指で後ろを押さえる感じで、親指と手のひらの腹を反対側抑える感じ。」
 そう言いながら卵の真ん中をボールの角に軽く当てる。

「ココにヒビ入れてちょっと捻りながら開くと。」
 パカっと割れ中身が出る。

「あとは気合いだ!」
「えー!」
「失敗すると殻入るから練習するなら別の所でやってね。」
 モリアンにそう言って卵をかき混ぜる。

「ココに牛乳と砂糖、バニラエッセンスを加えて混ぜまーす。」
 泡立て器でカシャカシャとかき回す。

「砂糖そんなに入れるんですか?」
「うん、入れるねぇ。」
「チハルさん、分量は?」
「あールノアーさんなら見てわかるかなーって思ったけど、ぶっちゃけ適当www」
 混ぜ終わった卵液にパンを浸していく。

「そんでフライパンにバターを溶かしまーす。」
「バターも結構入れるんだな。」
「入れるねぇ、カロリーの塊だよコレ。」
 バターを溶かしたフライパンに液の染み込んだパンを並べる。

「すぐ焦げちゃうから弱火でじっくり焼くの。」
「フムフム。」
「いい具合に焼けたらひっくり返します、柔らかいから崩れない様にね。」
 ひっくり返すといい具合に焼けている。

「後は同じくらい焼いたら終わり。」
 もう一度ひっくり返すと同じくらいに焼けたフレンチトーストを皿に移す。

「はい、フレンチトーストの出来上がり!」
「早いな。」
「簡単でしょ?」
「このバニラエッセンスって言うのは?」
「こっちにバニラの香がする豆って無い?
「見た事ないな、少し分けてもらって良いかな、仕入れ業者に聞いてみたい。」
「うん、予備あるしこの開けてるやつあげるよ、どうせ今から作るでしょ?」
 ルノアーの後ろには興味津々の料理人達が覗き込んでいる。

「ありがとう、お前ら準備しろ。」
「はい!」
 ルノアーの掛け声と共に動き出す料理人達。

「んじゃ私はみんなの分作ろう、サフィーとモリーも食べるでしょ?」
「はい、頂きます。」
「はーい!絶対食べます!すっごい良い匂い!」
「それじゃ焼けたの持っていってね。」
「はーい!」
 モリアンが焼けたフレンチトーストを皆の前に並べていく。

「はい、コレで終わり!さぁ食べようか。」
「いただきまーす!」
「んー!美味しい!」
「フレンチトーストにはやっぱり牛乳だよねぇ。」
 フレンチトーストをリクエストした美桜は美味しそうに食べている。

「コレはリピ確定だね。」
 麗奈も満足そうに食べている。

「ルノアーさんが作り方覚えたから多分いつでも食べれるよ。」
「ルノアーさん凄いな。」
「料理出来る男の人って良いよねー、彼女居るのかな。」
 麗奈がルノアーを見ながら呟く。

「ルノアーはん奥はんいまふお?」
 口をモゴモゴしながらモリアンが麗奈に言う。

「ダメじゃん!」
「レナ焦るな焦るな、どっかに良い人いるから。」
「ミオだってまだ付き合ってるわけじゃ無いじゃん。」
「そーーーだけどぉぉーーー。」
「大丈夫ですよお二人とも、どちらも侯爵家令嬢ですから引き手数多です、それに何かしら企む貴族は王妃殿下が排除しますから安心して下さい。」
 サフィーナがフォローするが2人は腕を組み、ムーと唸る。

「焦らなくても良いでしょ、社交シーズンらしいから出会いもあるよ。」
「そうそう、今からだって。」
 千春と頼子は慰める・・・が。

「見てミオあの2人の余裕。」
「くっ!コレがリア充の余裕か!」
 美桜と麗奈は目の前に手を当て眩しそうにする。

「ほら、食べたなら部屋戻るよ。」
 千春は呆れた様に2人を促す。

「はーい。」
「うぃー。」
 皆席を立ち千春の部屋に向かっているとエンハルトが手を振りながらやって来る。

「おはよう。」
「おはようハルト、何してんの?」
「今騎士団の所から戻る所だ、ミオの魔法の件でアリンとも話しをしててな、都合の良い時間は有るか?」
「朝2鐘迄なら暇だよ?」
「そうか、モリーちょっと魔導士団まで行ってアリンを呼んで来てくれるか?騎士団訓練所まで連れてきてくれ。」
「了解です!」
 エンハルトはモリアンに指示すると素早くモリアンは駆けていく。

「それじゃ着いてきてくれるか?」
「はいよー、ミオ達も良い?」
「うん、大丈夫。」
「いいよーん。」
 エンハルトに連れられ、皆は騎士団訓練所に移動することになった。




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