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儲け話を考えよう!

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「チハルさん、どうだい?」
「凄いね、もうパテシエじゃん。」
「パテシエ?」
「お菓子職人の名称だよ。」
「へぇ、お菓子作りが得意な奴はそう呼ばせるか、あ、そうだ王都にお菓子専門の店を考えてるんだが大丈夫かな?」
「お?!カフェ作るの?」
「軽い食事とお菓子がメインの店なんだが。」
「おっけーおっけー!出来たら教えてね、食べに行くから!」
「了解、オープン前に招待させて貰うよ。」
 出来上がったケーキとミルクレープを貰った千春は、サフィーナとモリアンを連れて部屋に戻る。

「ただいまー。」
「おかえり千春、ケーキは出来たのか?」
「うん、ルプも食べる?」
「ケーキより酒が良いな。」
「まーた、ロイロみたいな事言って。」
「何じゃー?儂の噂をするのは誰じゃー。」
「ロイロただいま、今日はお疲れ様、ウイスキーと日本酒頼んでるから今日はたくさん飲んでね。」
「流石チハルわかっとるな、疲れてはおらんが嬉しいの。」
 ニコニコなロイロとルプを見ながらソファーに座るとサフィーナがお茶を淹れる。

「サフィーって第二夫人になるんだよね?」
「はい。」
「お茶淹れるのメイドかモリーに任せたら?」
「イヤです。」
「なんでさー。」
「チハルのお世話をするのは私の仕事です。」
「ずっと?」
「ずっとですよ。」
 微笑みながら千春に答えるサフィーナ。

ピロン♪

「あ、ヨリ達帰ってきたね、迎えに行ってくる。」
 千春は扉を抜けると頼子達が玄関を開ける所だった。

「おかえりー、良いネタあった?」
「ボチボチ、作れるかどうか考えないとだけどね。」
 頼子が袋を軽く上げながら見せる。

「それじゃ向こうで見せて。」
「オッケー。」
 4人で戻り応接間に戻ると頼子達は袋の中身を広げる。

「金属の細かい部分が出来るか微妙だよね。」
「木製の物ってこっちでも有りそうじゃん?」
「これどう?!ピーラー!」
「あ、良いねソレ。」
「ライターは?」
「こっち魔法有るじゃん?火の魔石で点火出来るからなー。」
「やっぱりオモチャ系じゃん?」
 麗奈はピーラーを見せ、美桜が見せるのはカルタやカードゲームだ。

「トランプは千春が持ってきたんだよね?」
「うん、今製作中じゃないかな、カルタは勉強にもなるし良いかも。」
「千春私はコレなんだけどどうかな。」
 頼子は立体五目並べをテーブルに置く。

「あーこれなら作るの出来そうだよね。」
「単純な作りで楽しめるのが良いよね。」
「将棋とかは?」
「残念!お父さんがもう持って来てる。」
「流石チハルパパ抜け目ないね。」
 頼子は作りやすさ重視、美桜は楽しめる物を狙って持って来ているようだ、あれやこれやと買って来た物を見せ合い、千春は麗奈を見る。

「レナは料理道具の他に何かあるの?」
「物は無いんだけどさー、魔法でフリーズドライ作れないかなって思ってさ。」
「え?あれって作れるの?」
「うん、魔石あんじゃん、あれに氷と風の魔法で中身を冷凍して真空にすると出来るんじゃないかなって。」
「すごっ、出来たら凄くない?ソレ。」
「まぁ試してみないと何とも言えないんだけどさ。」
「魔法関連ならアリンだね。」
「そだね、アリンさんに聞いてみたら良いかも。」
 千春と頼子は麗奈にアドバイスする。

「それじゃ作れそうな物は生産ギルドのダーサンちゃん呼んで見て貰う?」
「そだね、作れるかの確認と売れるかどうかも聞きたいよね。」
 それぞれ作りたい品を選び選別する。

「チハルケーキ出来たの?」
「うん、誕生日ケーキとミルクレープ作ったよ、あと普通のショートケーキ、苺じゃ無いけど。」
「夕食の後のデザートかな。」
「そだよ、アイトネも呼ぶし晩御飯の後だね。」
「チハル、夕食は持って来させますか?」
「うん、食堂は混むかも知れないしお願いして良い?」
「はい!了解です!」
 モリアンが素早く伝えに行く。

「生産ギルドに連絡ってどうしたら良いの?サフィー。」
「執事に伝えておきます、時間の都合はどうしますか?」
「明日の午前中とか大丈夫かな?」
「了解しました、朝2の鐘頃に来るよう伝えておきますね。」
「2の鐘って?」
 麗奈が千春とサフィーナに問いかける。

「あーこっちって時計出回ってなくてさ、時間になると鐘がなるんだよ、サフィーは部屋に付けた時計で時間言ってくれるから良いんだけどね。」
「へぇ、鐘って何回なるの?」
「んっとねー朝1鐘が6時、朝2鐘が9時、正午の鐘で3回鳴って12時、午後から1鐘15時、午後2鐘18時、夜の3鐘21時だよ。」
「よく覚えてんね。」
「一回づつ増えて3時間置きに鳴るだけだもん、聞いてたら覚えるよ。」
「今何時?」
「もうすぐ18時だから2回なるよ。」
「何の鐘の音だろうって聞いてたわ。」
「ヨリに教えなかったっけ?」
「聞いてなーい。」
「携帯見たら分かるから良いじゃん。」
「そうだけどさ。」
 4人は笑いながら話をしていると鐘が2回鳴る。

「夕食前にお風呂入るか。」
「そだねー、結構動き回って汗かいたし。」
「ダンジョン思ったより汚れなかったね。」
「そりゃ魔法打ちまくっただけだもん。」
 4人は汚れた体を綺麗にし、温泉に浸かる。

「はぁー生き返るわぁ。」
「温泉良いねぇ、この温泉の為だけでも毎日チハルの家泊まりたいわ。」
「わかる!チハルが寂しく無い様にウチが毎日来てあげるよ!」
「寂しく無いもーん。」
「あははは!」
「チハルとヨリが進路考えたのやっと分かったわ。」
「うん、ウチも色々思った。」
 麗奈と美桜が真面目な顔で呟く。

「私はハルトの役に立てればなーって思っただけだよ。」
「千春とは違うけど、私も何かできればなって進学選んだ。」
 千春と頼子も見ている2人に言う。

「ウチは何か出来るかなぁ。」
「私は科学の知識と魔法で何か出来ないかなーって考えてる。」
「レナ、それってさっきのフリーズドライみたいな?」
「そ、一応全属性使えるらしいじゃん?色々考えてたんだけど勉強したらもっと色々思い付きそうな気がすんのよね。」
「あー、うちのお父さんが突拍子の無い物作るのは知識と経験って言ってたからなー、間違いないと思う。」
 麗奈の言う事に千春は頷く。

「良いなー、ウチはチハルやヨリみたいな先が見えないし、レナみたいな想像も出て来ないや。」
 美桜はそう呟きながら湯船に顔を半分沈める。

「まだ来たばっかじゃん、今からいくらでも出てくるんじゃ無い?やりたい事とかさー。」
「うんうん、千春が言ってる様に私も一緒にこっちで過ごして色々考え出したからね、急がなくてもいんじゃね?」
「ぶーぶくぶくぶく~。」
 湯船に沈めたまま美桜はブクブクと何か言う。

「チハルあのクローゼットの扉は消えないんだよね?」
「うん、魔力が無くなると消滅する筈だったけど、ロイロが消えない仕組み教えてくれて、魔道師団の人が細工してくれたから消えないよ。」
「よし!時間はある!無いのは知識と経験!」
 麗奈が立ち上がりガッツポーズをする。

「レナー丸見えー。」
「あら、はしたないわぁ~。」
「ぶくぶくぶく~。」
 千春、頼子、麗奈は楽しい未来を見据え目を輝かせる、美桜はそれをジト目で見ていた。




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