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蜂蜜たっぷりホットケーキ!
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「ヨリちゃん何見てんのー?」
窓から外を見ている頼子に千春が声をかける。
「いやー、異世界なんだなーって思ってさ、でも魔物とか闊歩してる訳じゃないんだよね。」
「そう言えばそんな魔物見て無いね。」
「そりゃそうだろう、あっちこっちに魔物が居たら俺達が生活出来ないからな。」
頼子と千春の話を聞きながらエンハルトが答える。
「まぁそりゃそうだ、千春はこっちで良く出かけてるの?」
「いやー?ぜんっぜん、殆ど王都から出てないよ、昨日松茸狩り行ったのと湖が有る町に行ったくらいだね。」
「そっかー。」
『チハルそろそろ良い時間だが休憩するかー?』
ロイロが声を掛けて来る。
「そだね、そろそろ休憩しようか、良い所ありそう?」
『左の方に小さな町が有るようだが。』
「どこ・・?」
千春と頼子は左の窓から進む方向を見るが何も見えない。
『もう少ししたら見えてくるじゃろ、降りるなら手前で降りるか?』
「入口手前でかまわんだろ、俺も居るんだ事情は門番に話をする。」
『分かった、そん時は頼むぞー』
そう言ってロイロは飛び、暫くするとゆっくりと高度を下げる。
「お疲れ様ロイロ。」
「思ったよりも運びやすくて楽じゃな、ちょっとした工夫でこんだけ変わるんじゃなぁ。」
人型に戻って馬車を見るロイロ。
「こりゃ本格的に専用馬車を作るしかないね。」
「そうじゃな。」
「おょ?あれって町の警備兵じゃない?馬乗って来てるけど。」
「あぁ、ちょっと俺が話してくるスチュア、スタン付いて来い。」
「はっ。」
執事2人を連れてエンハルトは馬の方へ歩いていく。
「サフィーあの二人って普通の執事なの?」
「いえ、兵士の訓練も受けている執事です、そこらの兵士よりも強いですよ。」
「やっぱそうなんだ、なんか違うなーって思った。」
「スタンさんは魔法も使えるはずですよー、魔導士団に所属してたみたいですもん。」
千春とサフィーナが話をしていると横から顔をひょこっと出しモリアンが付け加える。
「さてと。」
千春は馬車から皆が降りたのを確認するとアイテムボックスに入れる。
「それじゃ町に行ってみよー、なんて町なのかな。」
「外を見てなかったのでちょっと分からないですね。」
「どれくらい飛んでたのかな?」
スマホを見ると午前11時ちょうどだ。
「2時間くらい飛んでるね。」
スマホを見ながら頼子が言う。
「前回くらいの速度なら300kmくらい移動してる計算かな?」
「え?そんなに飛んでるの?」
「うん、ロイロー今日のペースはどんな感じ?」
「んー急ぐつもりは無かったがルプも手伝ってくれたからの、前回より早いぞ。」
「そっか、ありがとう。」
「あ、ハルトが呼んでますね、行きましょうか。」
「おっけー、あ、ヨリちゃんハルト兄様の事は外では「ハルト」で良いからね。」
「王子殿下でしょ?」
「こまけぇこたぁ良いのよ、サフィーだってハルトって呼んでるでしょ。」
「あ、そういや馬車でも呼び捨ててたね。」
「お出かけの時はみんな様付けないのよ、ハルトが勝手に決めた。」
「りょーかい、それじゃ町いこー。」
頼子も納得し、手を挙げて呼ぶエンハルトの元へ向かう。
「ハルト入れそう?」
「あぁ問題無い、どうする?ちょっと早いが昼食を取っていくか?」
「いいね、この町ってなんて町?」
「リヴィルと言う町だ、王都から馬車で4日くらいの所だな。」
「え?もうそんなに来たの?」
「あぁ、思ったよりもロイロが頑張ってくれたみたいだな。」
「儂は頑張っておらんぞ~。」
エンハルトと千春は目を合わせクスクスと笑う。
「おー!中世の街並み!」
頼子がキョロキョロしながら建物を見ている。
「そっか、王都も上からしか見て無かったもんね。」
「そうだよー!王都見物する前にお出かけだからねー。」
「帰ったら王都も案内するよ!」
「千春が?」
「まさか!モリーが。」
「はーい!案内しますよー!」
モリアンが手を挙げて案内すると笑顔で答える。
「あ、なんか馬車来た。」
「あぁ、多分この町の領主だろう。」
町に入り暫くすると前から大き目の2頭引き馬車が近づく。
「おー立派な馬車だー。」
千春と頼子は馬車を見ながらほぉーっと声を出す、そして目の前で馬車が止まり男性が降りて来た。
「エンハルト王子殿下、並びに王女殿下ようこそリヴィルへ、私はこの領地を任せて頂いております、ホーエン・リヴィルと申します。」
「あぁホーエン男爵久しぶりだな、ハースへ行く途中に寄らせてもらった直ぐにまた出発するから気を使わなくて良いぞ。」
「はっ、町の中へ行くのでしたらこの馬車をお使い下さい。」
ホーエン男爵は挨拶が終わると、大きな馬車と従者を置いて行く。
「ロイロの事言われなかったね。」
「あぁ近隣の爵位持ちにはドラゴンの事やチハルの事は話が通っているからな、小さな町や村は知らんだろうが。」
「あーだから近くで降りて良かったんだ。」
「そう言う事だ、さぁせっかく貸して貰ったんだ使わせてもらおう。」
そう言うと皆馬車に乗り込む、ユラはルプの上に乗り馬車と並走して歩いてくる。
「それで、何処に行くの?」
「ん、この町の名物でも食べようかと思ってな。」
「ハルト食べた事有るの?」
「あるぞ、まさかこの町寄るとは思わなかったが、結構直線上なんだな。」
「有る程度街道が見える様に沿って飛んだんじゃ、直線では飛んでおらんぞ。」
「そうだったのか、それは助かるな、有難うロイロ。」
「それで?何たべんの?」
「チハルのレシピにこの町の特産を使った料理だ。」
エンハルトはニヤリと笑い行先を御者に伝え進ませる、少し走ると人通りが増え店も増えて来た。
「思ったより大きい町だったんだね。」
「あぁそれなりに人も多い町だな、男爵領にしては人口は多いぞ。」
「へぇー。」
「お、あそこだ。」
エンハルトは先を見ながら指を指す。
「おー!ココかー。」
到着し皆が降りる、そして店の前に立つ。
「チハルおねえちゃん!あまいにおいするー!」
「俺も入れるのか?美味そうな匂いがするぞ。」
「ハルト、ルプも入れる?」
「そこは王族特権使えば良い、嫌とは言わんだろ。」
エンハルトと千春の前に執事が店に入る、続いて皆が続いてくる。
「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ。」
店の者が席へ案内する、結構広い店でルプも入れた。
「殿下、ご注文は言われていた物でよろしいですか?」
「あぁ人数分頼む。」
「了解しました。」
執事のスチュアが店員に注文しに行く、そしてしばらくすると次々に料理が来る。
「うわぁ!ホットケーキじゃん!」
「えー!こっちにもホットケーキあるの!?しかもクリーム付きじゃん!」
千春と頼子は見慣れた料理にテンションが上がる。
「あぁ王都で流行り出したホットケーキにクリーム、そしてこの町特産の蜂蜜がたっぷりかけられている。」
「へー!この町って蜂蜜が特産なんだ。」
「あぁ、養蜂ってわかるか?」
「もちろん、ハチ育ててんの?」
「そうだ、ここの蜂蜜は美味いぞ。」
そして皆はいつもの食事の挨拶をし食べだす。
「うわぁ、千春めっちゃこれ美味しい。」
頼子はビェリーにも食べさせながら千春に言う。
「ほんとだね、何枚でも食べれそう。」
「チハルおねえちゃんコレおいしー!」
頼子もユラも蜂蜜たっぷり、クリームたっぷりのホットケーキを頬張る。
「チハルあと5枚くらい注文してくれ。」
「ルプ早い!」
ルプがあっという間に1枚食べ終わる。
「すみません、あと5枚追加良いですか?」
千春はすぐそばにいる店員へ注文をする。
「チハルさん!私も1枚!」
「千春、私も。」
「チハル、俺も追加で。」
「儂は2枚重ねで。」
「私ももう一枚食べたいですね。」
「えー!皆おかわり?・・・私も1枚追加で。」
皆が千春に追加を頼ませる。
「千春って第一王女だよね?」
「うん。」
「めっちゃ普通に注文させられてんね。」
「お出かけの時はこんなもんだよ。」
「面倒見が良いからねー千春は。」
頼子は千春が皆の注文をしているのを見て呟く。
「お待たせしました。」
直ぐに追加のホットケーキが焼かれテーブルに置かれる、そして皆がっつり早目のお昼を堪能するのであった。
窓から外を見ている頼子に千春が声をかける。
「いやー、異世界なんだなーって思ってさ、でも魔物とか闊歩してる訳じゃないんだよね。」
「そう言えばそんな魔物見て無いね。」
「そりゃそうだろう、あっちこっちに魔物が居たら俺達が生活出来ないからな。」
頼子と千春の話を聞きながらエンハルトが答える。
「まぁそりゃそうだ、千春はこっちで良く出かけてるの?」
「いやー?ぜんっぜん、殆ど王都から出てないよ、昨日松茸狩り行ったのと湖が有る町に行ったくらいだね。」
「そっかー。」
『チハルそろそろ良い時間だが休憩するかー?』
ロイロが声を掛けて来る。
「そだね、そろそろ休憩しようか、良い所ありそう?」
『左の方に小さな町が有るようだが。』
「どこ・・?」
千春と頼子は左の窓から進む方向を見るが何も見えない。
『もう少ししたら見えてくるじゃろ、降りるなら手前で降りるか?』
「入口手前でかまわんだろ、俺も居るんだ事情は門番に話をする。」
『分かった、そん時は頼むぞー』
そう言ってロイロは飛び、暫くするとゆっくりと高度を下げる。
「お疲れ様ロイロ。」
「思ったよりも運びやすくて楽じゃな、ちょっとした工夫でこんだけ変わるんじゃなぁ。」
人型に戻って馬車を見るロイロ。
「こりゃ本格的に専用馬車を作るしかないね。」
「そうじゃな。」
「おょ?あれって町の警備兵じゃない?馬乗って来てるけど。」
「あぁ、ちょっと俺が話してくるスチュア、スタン付いて来い。」
「はっ。」
執事2人を連れてエンハルトは馬の方へ歩いていく。
「サフィーあの二人って普通の執事なの?」
「いえ、兵士の訓練も受けている執事です、そこらの兵士よりも強いですよ。」
「やっぱそうなんだ、なんか違うなーって思った。」
「スタンさんは魔法も使えるはずですよー、魔導士団に所属してたみたいですもん。」
千春とサフィーナが話をしていると横から顔をひょこっと出しモリアンが付け加える。
「さてと。」
千春は馬車から皆が降りたのを確認するとアイテムボックスに入れる。
「それじゃ町に行ってみよー、なんて町なのかな。」
「外を見てなかったのでちょっと分からないですね。」
「どれくらい飛んでたのかな?」
スマホを見ると午前11時ちょうどだ。
「2時間くらい飛んでるね。」
スマホを見ながら頼子が言う。
「前回くらいの速度なら300kmくらい移動してる計算かな?」
「え?そんなに飛んでるの?」
「うん、ロイロー今日のペースはどんな感じ?」
「んー急ぐつもりは無かったがルプも手伝ってくれたからの、前回より早いぞ。」
「そっか、ありがとう。」
「あ、ハルトが呼んでますね、行きましょうか。」
「おっけー、あ、ヨリちゃんハルト兄様の事は外では「ハルト」で良いからね。」
「王子殿下でしょ?」
「こまけぇこたぁ良いのよ、サフィーだってハルトって呼んでるでしょ。」
「あ、そういや馬車でも呼び捨ててたね。」
「お出かけの時はみんな様付けないのよ、ハルトが勝手に決めた。」
「りょーかい、それじゃ町いこー。」
頼子も納得し、手を挙げて呼ぶエンハルトの元へ向かう。
「ハルト入れそう?」
「あぁ問題無い、どうする?ちょっと早いが昼食を取っていくか?」
「いいね、この町ってなんて町?」
「リヴィルと言う町だ、王都から馬車で4日くらいの所だな。」
「え?もうそんなに来たの?」
「あぁ、思ったよりもロイロが頑張ってくれたみたいだな。」
「儂は頑張っておらんぞ~。」
エンハルトと千春は目を合わせクスクスと笑う。
「おー!中世の街並み!」
頼子がキョロキョロしながら建物を見ている。
「そっか、王都も上からしか見て無かったもんね。」
「そうだよー!王都見物する前にお出かけだからねー。」
「帰ったら王都も案内するよ!」
「千春が?」
「まさか!モリーが。」
「はーい!案内しますよー!」
モリアンが手を挙げて案内すると笑顔で答える。
「あ、なんか馬車来た。」
「あぁ、多分この町の領主だろう。」
町に入り暫くすると前から大き目の2頭引き馬車が近づく。
「おー立派な馬車だー。」
千春と頼子は馬車を見ながらほぉーっと声を出す、そして目の前で馬車が止まり男性が降りて来た。
「エンハルト王子殿下、並びに王女殿下ようこそリヴィルへ、私はこの領地を任せて頂いております、ホーエン・リヴィルと申します。」
「あぁホーエン男爵久しぶりだな、ハースへ行く途中に寄らせてもらった直ぐにまた出発するから気を使わなくて良いぞ。」
「はっ、町の中へ行くのでしたらこの馬車をお使い下さい。」
ホーエン男爵は挨拶が終わると、大きな馬車と従者を置いて行く。
「ロイロの事言われなかったね。」
「あぁ近隣の爵位持ちにはドラゴンの事やチハルの事は話が通っているからな、小さな町や村は知らんだろうが。」
「あーだから近くで降りて良かったんだ。」
「そう言う事だ、さぁせっかく貸して貰ったんだ使わせてもらおう。」
そう言うと皆馬車に乗り込む、ユラはルプの上に乗り馬車と並走して歩いてくる。
「それで、何処に行くの?」
「ん、この町の名物でも食べようかと思ってな。」
「ハルト食べた事有るの?」
「あるぞ、まさかこの町寄るとは思わなかったが、結構直線上なんだな。」
「有る程度街道が見える様に沿って飛んだんじゃ、直線では飛んでおらんぞ。」
「そうだったのか、それは助かるな、有難うロイロ。」
「それで?何たべんの?」
「チハルのレシピにこの町の特産を使った料理だ。」
エンハルトはニヤリと笑い行先を御者に伝え進ませる、少し走ると人通りが増え店も増えて来た。
「思ったより大きい町だったんだね。」
「あぁそれなりに人も多い町だな、男爵領にしては人口は多いぞ。」
「へぇー。」
「お、あそこだ。」
エンハルトは先を見ながら指を指す。
「おー!ココかー。」
到着し皆が降りる、そして店の前に立つ。
「チハルおねえちゃん!あまいにおいするー!」
「俺も入れるのか?美味そうな匂いがするぞ。」
「ハルト、ルプも入れる?」
「そこは王族特権使えば良い、嫌とは言わんだろ。」
エンハルトと千春の前に執事が店に入る、続いて皆が続いてくる。
「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ。」
店の者が席へ案内する、結構広い店でルプも入れた。
「殿下、ご注文は言われていた物でよろしいですか?」
「あぁ人数分頼む。」
「了解しました。」
執事のスチュアが店員に注文しに行く、そしてしばらくすると次々に料理が来る。
「うわぁ!ホットケーキじゃん!」
「えー!こっちにもホットケーキあるの!?しかもクリーム付きじゃん!」
千春と頼子は見慣れた料理にテンションが上がる。
「あぁ王都で流行り出したホットケーキにクリーム、そしてこの町特産の蜂蜜がたっぷりかけられている。」
「へー!この町って蜂蜜が特産なんだ。」
「あぁ、養蜂ってわかるか?」
「もちろん、ハチ育ててんの?」
「そうだ、ここの蜂蜜は美味いぞ。」
そして皆はいつもの食事の挨拶をし食べだす。
「うわぁ、千春めっちゃこれ美味しい。」
頼子はビェリーにも食べさせながら千春に言う。
「ほんとだね、何枚でも食べれそう。」
「チハルおねえちゃんコレおいしー!」
頼子もユラも蜂蜜たっぷり、クリームたっぷりのホットケーキを頬張る。
「チハルあと5枚くらい注文してくれ。」
「ルプ早い!」
ルプがあっという間に1枚食べ終わる。
「すみません、あと5枚追加良いですか?」
千春はすぐそばにいる店員へ注文をする。
「チハルさん!私も1枚!」
「千春、私も。」
「チハル、俺も追加で。」
「儂は2枚重ねで。」
「私ももう一枚食べたいですね。」
「えー!皆おかわり?・・・私も1枚追加で。」
皆が千春に追加を頼ませる。
「千春って第一王女だよね?」
「うん。」
「めっちゃ普通に注文させられてんね。」
「お出かけの時はこんなもんだよ。」
「面倒見が良いからねー千春は。」
頼子は千春が皆の注文をしているのを見て呟く。
「お待たせしました。」
直ぐに追加のホットケーキが焼かれテーブルに置かれる、そして皆がっつり早目のお昼を堪能するのであった。
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