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磯部焼き!
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「おはようルプ。」
「あぁおはよう。」
ベッドから起き床に寝ているルプに抱きつく。
「モフモフだぁ。」
大型犬を更に2回りは大きくした様なサイズのルプは背中に抱きついた千春を乗せたまま立ちリビングに移動する。
「おはようルプ、千春は何してんだい?」
「モフってたら連れてこられた。」
ルプから降り大樹に挨拶する。
「あけましておめでとうございます。」
「あけましておめでとう、はいこれ。」
「お年玉ー!ありがと!」
「あとコレがおじいちゃん達からのね。」
「おじいちゃんありがとう!」
お年玉を受け取りヒャッホー!と喜ぶ千春。
「千春、ロイロちゃん起こしておいで。」
「あ、そだね。」
客間に寝かせたロイロに声を掛ける。
「ロイロおはよー。」
「んー、朝か、よー寝たわ、おはようチハル、ルプ。」
「おはようねぼすけドラゴン。」
「だぁれが寝坊助じゃ、寝たのが遅かったんじゃしょうがないじゃろ。」
3人はリビングに戻り朝食を取る為に千春はキッチンに立つ。
「お父さん雑煮で良いよね?」
「うん、餅3個ね。」
「ほい、ロイロは何個?」
「餅とはなんじゃ?」
「これ。」
指で摘んだ餅を振りながら見せる。
「美味いのなら何個でも食えるぞ。」
「んじゃとりあえず3個にしとこう、ルプは雑煮食べれないよね。」
「汁物は食いにくいからな、焼いて海苔で挟んで砂糖醤油付けてくれ。」
「磯部焼きね、私もそれ食べよ。」
千春は手際良くお雑煮を作り3人分テーブルに置くと、焼き餅を砂糖醤油に付け海苔で挟みルプに出す。
「いただきます。」
「いただきますじゃー!」
「いただきます。」
「んー、餅を食べると日本の正月って感じがするな。」
「正月過ぎたらあんまり食べないもんね。」
「伸びるのー、うまい!」
「ルプ食べれてる?」
「暖かい飯は久しぶりだ、美味い!」
ロイロもルプも満足げだ。
「サフィー達来てるかな?」
クローゼットを開けると箒を持ったサフィーナが掃除をしていた。
「おはようございますチハル、今日はゆっくりですね。」
「うん、昨日夜更かししたからねー。」
8時を過ぎ、とっくに初日の出も登っている時間だ。
「モリーは?」
「ユラを迎えに行ってます、もう少ししたら来ると思いますよ。」
「そっかー、あ!サフィー翻訳の魔法道具まだ有る?」
「いえ、手元には無いですね、ローレルさんならお持ちかもしれませんが、誰かを呼ばれるのですか?」
「うん、ルプちょっと来てー。」
「んー?どうした?」
クローゼットの向こうにヌッと出てきた狼にサフィーナは言葉を無くす。
「このいn……狼はルプって言う向こうの土地神してた…‥人?神様?フェンリル?」
「別に狼で良いだろ。」
「サフィーナの言葉分かる?」
「分からんな。」
「サフィー、ルプの言葉わかんないよね。」
「はい、危険は無いのですよね?」
「うん、ロイロと同じく契約してるしアイトネも知ってる、アイトネの眷属になるんだよ。」
「女神様の眷属ですか!」
目を見開き驚くサフィーナ。
「ただいま戻りましたーーーうわぁぁ!大きな狼がいる!!」
「チハルおねちゃんおはようございます!」
テコテコと走り千春に抱きつくユラ。
「おはよう、ユラちゃんは狼怖く無いの?」
「うん、おこってないしチハルおねえちゃんがこわくないならだいじょうぶ!」
千春に触られ半身だけクローゼットがら身を出しているルプはユラに顔を近づける。
「へぇ、妖狐の人化かと思ったらこう言う種族なのか。」
「うん、白金狐族なんだってさ、ルプも似たような色だね、白に近い灰色?」
「せめて銀と言え。銀狼とも言われてたぞ日本じゃな。」
流石に3mほど有るルプが部屋に入ると部屋が狭く感じる。
「モリー、ちょっとローレルさんに翻訳魔道具あるか聞いて来てくれる?あとコレ渡しといて。」
クレア湖のサーペントから出た魔石を渡すとモリアンは直ぐに走って行った。
「チハルおねえちゃんこの狼さんのなまえはー?」
「ルプだよ。」
ユラはルプの顔に抱きつきスリスリしていた。
「さて、ルプ一回日本に戻るよー。」
「あぁ、このちっちゃいのはどうすんだ?」
「一緒に向こう行っても良いよ。」
「わかった。」
ルプは顔に抱きついたユラをそのままマズルに乗せ、ヒョイっと背中に乗せる。
「いいぞー。」
「あいよー。」
ルプの首を触りながらクローゼットを通るとロイロが磯辺焼きを食べていた。
「ロイロそれ私の餅じゃん?」
「冷えたら硬くなるとタイキが言うでな、また焼けば良いじゃろ。」
「まぁ餅は有るけどね、ユラちゃん餅食べる?」
「もち!たべる!!」
「お?ユラちゃん餅知ってるのか。」
「うん、お祝いのときはたべてたよ?」
「ルプまだ食べる?」
「おー、貰おうか。」
「サフィー、こっちでお餅食べるから来てー。」
クローゼットまで行きサフィーナの手を取り連れてくる。
「お父さん餅全部焼いちゃうね。」
「うん、お父さんちょっと買い出しに行くからついでに買ってくるよ。」
「はいはい、酒屋ね、正月開いてんの?」
「酒屋が正月閉めたらダメだろー、まぁ閉まってたらコンビニで買ってくる。」
大樹はジャケットを羽織り出ていく。
「はい、ユラちゃん、ルプはこっちね。」
ルプの餅を床に置くとユラが掴みルプに食べさせていた。
「あーん」
「お?」
ユラの持った餅をパクっと食べ咀嚼するルプ、
「仲良いな、言葉通じてないのに、はいサフィーの分ね。」
「コレが餅ですか?」
「うん、白いのが餅、砂糖醤油で味付けして海苔で挟んだもの、一応料理名は磯部焼きっていうんだけどね、ロイロお代わりいる?」
「有るなら食べるぞ。」
「あるよー、たんとお食べ。」
皆んなで仲良く餅を食べているとクローゼットの向こうから声が聞こえた。
「あーー!!また皆んなでそっち行ってますー!しかも何か食べてる!」
また入り口に阻まれ面白い顔でコチラを見るモリアン。
「はいはい、ちょっと待ってー、はい手。」
「ありがとうございます、で?何食べてたんです?」
「いや、その前に翻訳の魔道具は?」
「はい、あと2つ有りました、サーペントの魔石は渡しておきました、使い道はまた相談するそうです。」
千春は指輪とブレスレットの魔道具を受け取ると磯部焼きをモリアンに渡す。
「そこ座って食べてね、それじゃ私の付けてるのともう一個の指輪をネックレスにして2人に付けよ。」
自分にブレスレットを付け、ロイロに千春の付けていたネックレスを付け大樹のペンダントを外す。
「さて、ルプの何処に付けるかねぇ。」
「首輪でも付けてそれに付けたらどうじゃ?」
「ルプ首輪つけても良い?」
「あぁ、他のやつが同じ事言ったら噛み砕いてやるが、千春なら良いぞ。」
「ありがと、でもルプの首太過ぎんだよなー、私の身体より太いじゃん、あ、ベルトでいけんじゃん?」
自分の部屋に戻り、余りつけない皮の編み上げベルトと皮のストラップに指輪を付けて持ってくる。
「はい!ルプつけるよー。」
「おー、どうだ?似合うか?」
「ルプかっこいい!」
ユラはベルトを付けたルプを見て声を上げる。
「やっと話が出来るなユラ。」
「うん!よろしくね!」
寝そべったルプの体にダイブしてモフモフするユラ、千春も我慢できずベルトを付けた勢いで首元に抱きつく。
「モフモフだー!良いものだー!」
「モフモフなのー!ルプきもちいいー!」
満更でも無いルプはされるがままに寝っ転がっていた。
「あぁおはよう。」
ベッドから起き床に寝ているルプに抱きつく。
「モフモフだぁ。」
大型犬を更に2回りは大きくした様なサイズのルプは背中に抱きついた千春を乗せたまま立ちリビングに移動する。
「おはようルプ、千春は何してんだい?」
「モフってたら連れてこられた。」
ルプから降り大樹に挨拶する。
「あけましておめでとうございます。」
「あけましておめでとう、はいこれ。」
「お年玉ー!ありがと!」
「あとコレがおじいちゃん達からのね。」
「おじいちゃんありがとう!」
お年玉を受け取りヒャッホー!と喜ぶ千春。
「千春、ロイロちゃん起こしておいで。」
「あ、そだね。」
客間に寝かせたロイロに声を掛ける。
「ロイロおはよー。」
「んー、朝か、よー寝たわ、おはようチハル、ルプ。」
「おはようねぼすけドラゴン。」
「だぁれが寝坊助じゃ、寝たのが遅かったんじゃしょうがないじゃろ。」
3人はリビングに戻り朝食を取る為に千春はキッチンに立つ。
「お父さん雑煮で良いよね?」
「うん、餅3個ね。」
「ほい、ロイロは何個?」
「餅とはなんじゃ?」
「これ。」
指で摘んだ餅を振りながら見せる。
「美味いのなら何個でも食えるぞ。」
「んじゃとりあえず3個にしとこう、ルプは雑煮食べれないよね。」
「汁物は食いにくいからな、焼いて海苔で挟んで砂糖醤油付けてくれ。」
「磯部焼きね、私もそれ食べよ。」
千春は手際良くお雑煮を作り3人分テーブルに置くと、焼き餅を砂糖醤油に付け海苔で挟みルプに出す。
「いただきます。」
「いただきますじゃー!」
「いただきます。」
「んー、餅を食べると日本の正月って感じがするな。」
「正月過ぎたらあんまり食べないもんね。」
「伸びるのー、うまい!」
「ルプ食べれてる?」
「暖かい飯は久しぶりだ、美味い!」
ロイロもルプも満足げだ。
「サフィー達来てるかな?」
クローゼットを開けると箒を持ったサフィーナが掃除をしていた。
「おはようございますチハル、今日はゆっくりですね。」
「うん、昨日夜更かししたからねー。」
8時を過ぎ、とっくに初日の出も登っている時間だ。
「モリーは?」
「ユラを迎えに行ってます、もう少ししたら来ると思いますよ。」
「そっかー、あ!サフィー翻訳の魔法道具まだ有る?」
「いえ、手元には無いですね、ローレルさんならお持ちかもしれませんが、誰かを呼ばれるのですか?」
「うん、ルプちょっと来てー。」
「んー?どうした?」
クローゼットの向こうにヌッと出てきた狼にサフィーナは言葉を無くす。
「このいn……狼はルプって言う向こうの土地神してた…‥人?神様?フェンリル?」
「別に狼で良いだろ。」
「サフィーナの言葉分かる?」
「分からんな。」
「サフィー、ルプの言葉わかんないよね。」
「はい、危険は無いのですよね?」
「うん、ロイロと同じく契約してるしアイトネも知ってる、アイトネの眷属になるんだよ。」
「女神様の眷属ですか!」
目を見開き驚くサフィーナ。
「ただいま戻りましたーーーうわぁぁ!大きな狼がいる!!」
「チハルおねちゃんおはようございます!」
テコテコと走り千春に抱きつくユラ。
「おはよう、ユラちゃんは狼怖く無いの?」
「うん、おこってないしチハルおねえちゃんがこわくないならだいじょうぶ!」
千春に触られ半身だけクローゼットがら身を出しているルプはユラに顔を近づける。
「へぇ、妖狐の人化かと思ったらこう言う種族なのか。」
「うん、白金狐族なんだってさ、ルプも似たような色だね、白に近い灰色?」
「せめて銀と言え。銀狼とも言われてたぞ日本じゃな。」
流石に3mほど有るルプが部屋に入ると部屋が狭く感じる。
「モリー、ちょっとローレルさんに翻訳魔道具あるか聞いて来てくれる?あとコレ渡しといて。」
クレア湖のサーペントから出た魔石を渡すとモリアンは直ぐに走って行った。
「チハルおねえちゃんこの狼さんのなまえはー?」
「ルプだよ。」
ユラはルプの顔に抱きつきスリスリしていた。
「さて、ルプ一回日本に戻るよー。」
「あぁ、このちっちゃいのはどうすんだ?」
「一緒に向こう行っても良いよ。」
「わかった。」
ルプは顔に抱きついたユラをそのままマズルに乗せ、ヒョイっと背中に乗せる。
「いいぞー。」
「あいよー。」
ルプの首を触りながらクローゼットを通るとロイロが磯辺焼きを食べていた。
「ロイロそれ私の餅じゃん?」
「冷えたら硬くなるとタイキが言うでな、また焼けば良いじゃろ。」
「まぁ餅は有るけどね、ユラちゃん餅食べる?」
「もち!たべる!!」
「お?ユラちゃん餅知ってるのか。」
「うん、お祝いのときはたべてたよ?」
「ルプまだ食べる?」
「おー、貰おうか。」
「サフィー、こっちでお餅食べるから来てー。」
クローゼットまで行きサフィーナの手を取り連れてくる。
「お父さん餅全部焼いちゃうね。」
「うん、お父さんちょっと買い出しに行くからついでに買ってくるよ。」
「はいはい、酒屋ね、正月開いてんの?」
「酒屋が正月閉めたらダメだろー、まぁ閉まってたらコンビニで買ってくる。」
大樹はジャケットを羽織り出ていく。
「はい、ユラちゃん、ルプはこっちね。」
ルプの餅を床に置くとユラが掴みルプに食べさせていた。
「あーん」
「お?」
ユラの持った餅をパクっと食べ咀嚼するルプ、
「仲良いな、言葉通じてないのに、はいサフィーの分ね。」
「コレが餅ですか?」
「うん、白いのが餅、砂糖醤油で味付けして海苔で挟んだもの、一応料理名は磯部焼きっていうんだけどね、ロイロお代わりいる?」
「有るなら食べるぞ。」
「あるよー、たんとお食べ。」
皆んなで仲良く餅を食べているとクローゼットの向こうから声が聞こえた。
「あーー!!また皆んなでそっち行ってますー!しかも何か食べてる!」
また入り口に阻まれ面白い顔でコチラを見るモリアン。
「はいはい、ちょっと待ってー、はい手。」
「ありがとうございます、で?何食べてたんです?」
「いや、その前に翻訳の魔道具は?」
「はい、あと2つ有りました、サーペントの魔石は渡しておきました、使い道はまた相談するそうです。」
千春は指輪とブレスレットの魔道具を受け取ると磯部焼きをモリアンに渡す。
「そこ座って食べてね、それじゃ私の付けてるのともう一個の指輪をネックレスにして2人に付けよ。」
自分にブレスレットを付け、ロイロに千春の付けていたネックレスを付け大樹のペンダントを外す。
「さて、ルプの何処に付けるかねぇ。」
「首輪でも付けてそれに付けたらどうじゃ?」
「ルプ首輪つけても良い?」
「あぁ、他のやつが同じ事言ったら噛み砕いてやるが、千春なら良いぞ。」
「ありがと、でもルプの首太過ぎんだよなー、私の身体より太いじゃん、あ、ベルトでいけんじゃん?」
自分の部屋に戻り、余りつけない皮の編み上げベルトと皮のストラップに指輪を付けて持ってくる。
「はい!ルプつけるよー。」
「おー、どうだ?似合うか?」
「ルプかっこいい!」
ユラはベルトを付けたルプを見て声を上げる。
「やっと話が出来るなユラ。」
「うん!よろしくね!」
寝そべったルプの体にダイブしてモフモフするユラ、千春も我慢できずベルトを付けた勢いで首元に抱きつく。
「モフモフだー!良いものだー!」
「モフモフなのー!ルプきもちいいー!」
満更でも無いルプはされるがままに寝っ転がっていた。
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