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ホットケーキホイップクリーム付き!
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「あら、チハル、ユラ戻ってきてたのね。」
「はい、おかえりなさいお母様。」
「おかえりなさいおかあさま!」
ユラはテテテテーと走ってマルグリットに抱き付く。
「はい、ただいまー。」
マルグリットもフワリと受け止め微笑みながら返事を返す。
「今エイダンから連絡が有ってね、チハルとユラの養子手続きが終わったわ、2人とも書類上でも娘になりました。」
「改めてよろしくお願いします。」
「?」
千春はペコリと頭を下げ挨拶を、ユラは良く分かっていないようだが良い事なんだろうなと言うのは分かるみたいだ。
「食事までまだ少し時間が有るわね、チハル今日はお泊り出来るんでしょう?」
「はい!でも明日夜に友達とクリスマスパーティーをするので不在します、何時になるか分かりませんから明日は向こうで寝ますね。」
「あら、そうなのね、クリスマスパーティーって何かしら?」
「えっと、国は違うんですけど神様が誕生したお祝いの日?らしいんです、その前日にパーティーをするんですよ。」
「神様の誕生祭なのね、チハルはその神様の信者なの?」
「いえ違いますね、ただお祭り好きで便乗してパーティーしましょうって感じです。」
「そう、豊穣祭で市井が盛り上がるのと同じような感じなのね、楽しんでいらっしゃい、」
「はい!あ、あとこの前作ったケーキを明日出しますのでこちらでもケーキを食べて下さい、多分同じころ私も向こうで食べてますので。」
「あら、それは良いわね、離れてても同じ事をしてると思うと寂しく無いわ。」
千春とマルグリットは微笑み合う。
「王妃殿下、夕食の準備が整いました。」
「ありがとう、それじゃぁ行きましょうか。」
「はい。」
「はーい!」
3人は手を繋いで食卓へ向かった。
「お待たせしました。」
食卓に着くと男性陣は全員そろっていた。
「さて、今日はチハルの新しい料理だと説明を受けたが、この丸いハンバーグがそうか?」
「はい、スコッチエッグと言う料理になります、一度半分に切って頂いてから食されてください。」
エイダン国王陛下が「ふむ。」と言い皆が着席する。
「それでは頂こう。」
「「「「「「 いただきます。 」」」」」」」
「おぉ、玉子が入っているのか。」
「チハルお姉さまとっても美味しいです!」
「「コクコクコクコク」」
次男のライリーはチハルに絶賛し、三男フィンレーとユラはチハルを見ながらコクコクと頭を振る。
「うむ、先日のミノタウロスビーフシチューも肉が柔らかく美味かったが、これも負けずと美味いな。」
「本当、凄く美味しいわ。」
国王陛下とマルグリットも笑顔で褒めてくれる。
「チハルいつも美味しい食事をありがとう、毎食が楽しみになっているよ。」
第一王子のエンハルトはニコリと笑い千春にお礼を言う。
「つ、作ったのはルノアーさんや料理人の人たちですから!私は教えただけなので・・・。」
皆に褒められ顔を真っ赤にしながら千春も食事を食べる、皆が言う様にとても美味しい、そして食事も終わり、マルグリットの部屋で少しのんびりした後はいつもの様に温泉に入り3人で就寝した。
--------------------
「おはようございます。」
横を見るとユラが、そしてユラの寝顔を見ているマルグリットが居る。
「おはようチハル、今日も寝顔が可愛いわぁ。」
「毎朝見ないでください・・・」
「良いじゃない、もう文句なく母親になったんですから特権よ特権。」
「おかあさまおはよう。」
「あら起こしちゃったわね、おはようユラ。」
「ユラちゃんおはよう。」
「チハルおねえちゃんおはよう。」
相変わらず可愛い笑顔で挨拶を返してくるユラの頭を撫でながらベッドから出る。
「チハルいつ頃向こうに行くの?」
「そうですね、時間は余裕あるので午後1の鐘(15時)が鳴ったら向こうに向かいます。」
「それじゃゆっくり出来るのね。」
「はい、ちょっと朝ご飯を作りに厨房に行こうと思いますので。」
「あら、また何か作るの?」
「はい、昨日ケーキの話をしたのでちょっと作りたくなった物が有ったんです、朝食に出しますから楽しみにしててください。」
「ユラもいっていい?」
「いいよー、一緒に作ろうか。」
「うん!」
「それじゃ私は楽しみに待ってるから頑張ってね。」
「「はーい!」」
千春とユラは服を着替え部屋をでる、案の定サフィーナとモリアンが待っていた。
「おはようございますチハル王女殿下、ユラ王女殿下。」
サフィーナが挨拶をしモリアンは頭を下げる。
「おはよー、食堂いこー!」
「チハルさん何か作るんですか?(ボソッ)」
「美味しいの作るよ(ボソッ)」
「やったー!!!!痛っぃ!!!!」
モリアンの声に被り気味なくらいのタイミングで脳天チョップが落ちた。
「さ、行きますよモリアン。」
「はぁぁぁい・・・・。」
そして4人は厨房に向かう。
「ルノアーさん来たよ~ん。」
「おはようチハルさん早いな!何か作るんだな?」
「ぴんぽーん。」
「それで?何を作るんだ?」
「今日はホットケーキを作りまーす。」
「ケーキなのか?」
「っぽい物、まぁ取りあえず試食用作るから見ててくれたらいいよ。」
「分った必要な物は?」
「小麦粉と卵、牛乳と砂糖だね、トッピングにバターと蜂蜜、あ!生クリームホイップしたのもいいな。」
「分った、ちょっと待っててくれ。」
ルノアーは直ぐに材料を準備し、手の空いている料理人に指示をしていた。
「ほい、それじゃまずは卵を黄身と白身で分けまーす。」
ボールにパカパカと卵を割り分けていく。
「はいモリアン。」
「はい?」
泡だて器を渡す。
「やーーー!!!ハンドミキサー貸してください!!!」
「ちっ・・・楽を覚えちゃって。」
千春はアイテムボックスからハンドミキサーを出す、もちろん充電済のコードレスだ。
「それじゃモリアンそれ使うんだからメレンゲしっかり作ってね。」
「了解です!」
モリアンは、もう勝手が分かっているのか直ぐにスイッチを入れメレンゲを作り出す。
「それじゃこっちは黄身を掻き混ぜますかねー。」
千春は泡だて器でシャカシャカ黄身を泡立てる。
「サフィー牛乳いれてー。」
「はい、どれくらい入れます?」
「取りあえず4枚分つくるからコップ2杯分くらい入れて。」
「はーい。」
とぽとぽ牛乳を入れて行く。
「モリアンそんくらいで砂糖を大さじ2杯入れてー。」
「はーい。」
「サフィーこっちにも砂糖いれてー。」
「はーい。」
千春がシャカシャカと混ぜているとだんだん黄身が白っぽくなってきた。
「おっけー小麦粉入れよう。」
「どれくらい入れます?」
「さっきのコップ3杯くらい。」
「はーい。」
サフィーナはコップに入れながら小麦粉を入れる。
シャカシャカシャカ・・・・
「よし、こっちはおっけー、それじゃフライパンを温めよう。」
軽くバターを塗りフライパンを温めているとモリアンが出来たーと声を出す。
「さて、それじゃぁこっちのボールに混ぜて貰っていい?」
「入れますねー。」
ヘラを使って丁寧に入れて行くモリアン、何気に細かい作業が上手だったりする。
「ありがと、これをざっくりざっくりと混ぜます、メレンゲがつぶれてしまわないようにねー。」
そしてお玉を準備してユラを呼ぶ。
「ユラちゃんこのフライパンにこの生地を入れてみて。」
「いれていいの?」
「いいよー、失敗してもいいからねー。」
「がんばる!」
ユラは足踏み台に乗ってフライパンへ生地を流していく。
「いい感じ、それじゃ弱火でじっくり焼くから待ってね。」
ぷつぷつと上面に気泡が出てくる、そしてフライ返しを持って千春は「ほっ!」と言いながらひっくり返す。
「よし!良い色!。」
千春はそう言って蓋を閉め最初と同じくらいの時間待つ。
「もういいかな?」
フライパンの上に皿を置きフライパンごとひっくり返す。
「「「「おおー!」」」」
「綺麗に焼けましたー!」
見事なキツネ色のホットケーキが焼けた。
「チハルさん、トッピング用のバターと蜂蜜とホイップクリームだ。」
「え?ホイップクリームも作ってくれたの?」
「あぁトッピングと聞いて直ぐに作らせた。」
「すごいな料理人チーム。」
そして焼けた1枚を一口サイズに切り試食する。
「トッピング色々付けれる様にちっちゃく切ったから色々食べてみてね。」
「「「いただきます。」」」
「おれも良いか?」
「勿論、ルノアーさんも食べてみて、次のホットケーキ焼くから他の人は待ってね。」
後ろにスタンバイしている料理人に言うと、自分達も焼くとホットケーキの生地を取られた。
「チハルさん後は練習もかねて俺達がやるから、一緒に試食しよう。」
「そう?それじゃいただきます。」
フォークで一つ刺しホイップクリームに付けて食べる。
「うみゃぁ・・・・、めっちゃうみゃぁ・・・・。」
千春の語彙が壊れた。
「ふわっふわです!私が作ったメレンゲがこうなるんですね!」
「チハルおねえちゃんすっごくおいしい!」
「これは美味しいですね、お茶会で出したら絶賛されそうです。」
モリアン、ユラ、サフィーナも大喜びだ。
「これは朝食と言うよりもお菓子だな、温かいケーキとはよく言った物だな。」
ふむふむと頭を振りながらルノアーは味わっている。
「ホットケーキのトッピングは蜂蜜バターが定番だけどホイップクリームも捨てがたいなー。」
「これは今日の王族の朝食に出して良いのか?」
「うん、お母様にも出すって言ってるから。」
「わかった、トッピングは別にして食べる時に選んで掛けて貰おう。」
「うん、それでお願い、材料は簡単だけど砂糖結構使うから今日補充する分買って来ておくね。」
「すまない、今日の朝食で相当使いそうだ。」
「だよねぇ・・・・」
ふと食堂を見ると甘い香りに引かれて来たのか侍女達が厨房を覗いていた。
「うん、ごめん、メレンゲとホイップ作る人ホントごめん、がんばって。」
「問題無い!」
「大丈夫だ!」
「まかせろ!!!」
ムッキムキな料理人が数人、泡だて器を持って返事をする。
「最近混ぜる料理増えたからな、あいつら仕事増えて張り切ってんだ、心配しなくて大丈夫だ。」
ルノアーも呆れ気味に千春へ答える。
「それなら良いけど、それじゃ朝食楽しみにしてるね。」
「任せてくれ。」
千春とユラ、サフィーナは門の部屋に戻る、そして朝食を王族と食べ、ホットケーキは王族にも大絶賛で気に入ってくれた、もちろん食堂では侍女達のお代わりを料理人が頑張って作り続けた、モリアンは動けない程食べサフィーナに怒られていた。
「だって美味しかったんですもーーーーん!!!痛っ!!!!!」
「はい、おかえりなさいお母様。」
「おかえりなさいおかあさま!」
ユラはテテテテーと走ってマルグリットに抱き付く。
「はい、ただいまー。」
マルグリットもフワリと受け止め微笑みながら返事を返す。
「今エイダンから連絡が有ってね、チハルとユラの養子手続きが終わったわ、2人とも書類上でも娘になりました。」
「改めてよろしくお願いします。」
「?」
千春はペコリと頭を下げ挨拶を、ユラは良く分かっていないようだが良い事なんだろうなと言うのは分かるみたいだ。
「食事までまだ少し時間が有るわね、チハル今日はお泊り出来るんでしょう?」
「はい!でも明日夜に友達とクリスマスパーティーをするので不在します、何時になるか分かりませんから明日は向こうで寝ますね。」
「あら、そうなのね、クリスマスパーティーって何かしら?」
「えっと、国は違うんですけど神様が誕生したお祝いの日?らしいんです、その前日にパーティーをするんですよ。」
「神様の誕生祭なのね、チハルはその神様の信者なの?」
「いえ違いますね、ただお祭り好きで便乗してパーティーしましょうって感じです。」
「そう、豊穣祭で市井が盛り上がるのと同じような感じなのね、楽しんでいらっしゃい、」
「はい!あ、あとこの前作ったケーキを明日出しますのでこちらでもケーキを食べて下さい、多分同じころ私も向こうで食べてますので。」
「あら、それは良いわね、離れてても同じ事をしてると思うと寂しく無いわ。」
千春とマルグリットは微笑み合う。
「王妃殿下、夕食の準備が整いました。」
「ありがとう、それじゃぁ行きましょうか。」
「はい。」
「はーい!」
3人は手を繋いで食卓へ向かった。
「お待たせしました。」
食卓に着くと男性陣は全員そろっていた。
「さて、今日はチハルの新しい料理だと説明を受けたが、この丸いハンバーグがそうか?」
「はい、スコッチエッグと言う料理になります、一度半分に切って頂いてから食されてください。」
エイダン国王陛下が「ふむ。」と言い皆が着席する。
「それでは頂こう。」
「「「「「「 いただきます。 」」」」」」」
「おぉ、玉子が入っているのか。」
「チハルお姉さまとっても美味しいです!」
「「コクコクコクコク」」
次男のライリーはチハルに絶賛し、三男フィンレーとユラはチハルを見ながらコクコクと頭を振る。
「うむ、先日のミノタウロスビーフシチューも肉が柔らかく美味かったが、これも負けずと美味いな。」
「本当、凄く美味しいわ。」
国王陛下とマルグリットも笑顔で褒めてくれる。
「チハルいつも美味しい食事をありがとう、毎食が楽しみになっているよ。」
第一王子のエンハルトはニコリと笑い千春にお礼を言う。
「つ、作ったのはルノアーさんや料理人の人たちですから!私は教えただけなので・・・。」
皆に褒められ顔を真っ赤にしながら千春も食事を食べる、皆が言う様にとても美味しい、そして食事も終わり、マルグリットの部屋で少しのんびりした後はいつもの様に温泉に入り3人で就寝した。
--------------------
「おはようございます。」
横を見るとユラが、そしてユラの寝顔を見ているマルグリットが居る。
「おはようチハル、今日も寝顔が可愛いわぁ。」
「毎朝見ないでください・・・」
「良いじゃない、もう文句なく母親になったんですから特権よ特権。」
「おかあさまおはよう。」
「あら起こしちゃったわね、おはようユラ。」
「ユラちゃんおはよう。」
「チハルおねえちゃんおはよう。」
相変わらず可愛い笑顔で挨拶を返してくるユラの頭を撫でながらベッドから出る。
「チハルいつ頃向こうに行くの?」
「そうですね、時間は余裕あるので午後1の鐘(15時)が鳴ったら向こうに向かいます。」
「それじゃゆっくり出来るのね。」
「はい、ちょっと朝ご飯を作りに厨房に行こうと思いますので。」
「あら、また何か作るの?」
「はい、昨日ケーキの話をしたのでちょっと作りたくなった物が有ったんです、朝食に出しますから楽しみにしててください。」
「ユラもいっていい?」
「いいよー、一緒に作ろうか。」
「うん!」
「それじゃ私は楽しみに待ってるから頑張ってね。」
「「はーい!」」
千春とユラは服を着替え部屋をでる、案の定サフィーナとモリアンが待っていた。
「おはようございますチハル王女殿下、ユラ王女殿下。」
サフィーナが挨拶をしモリアンは頭を下げる。
「おはよー、食堂いこー!」
「チハルさん何か作るんですか?(ボソッ)」
「美味しいの作るよ(ボソッ)」
「やったー!!!!痛っぃ!!!!」
モリアンの声に被り気味なくらいのタイミングで脳天チョップが落ちた。
「さ、行きますよモリアン。」
「はぁぁぁい・・・・。」
そして4人は厨房に向かう。
「ルノアーさん来たよ~ん。」
「おはようチハルさん早いな!何か作るんだな?」
「ぴんぽーん。」
「それで?何を作るんだ?」
「今日はホットケーキを作りまーす。」
「ケーキなのか?」
「っぽい物、まぁ取りあえず試食用作るから見ててくれたらいいよ。」
「分った必要な物は?」
「小麦粉と卵、牛乳と砂糖だね、トッピングにバターと蜂蜜、あ!生クリームホイップしたのもいいな。」
「分った、ちょっと待っててくれ。」
ルノアーは直ぐに材料を準備し、手の空いている料理人に指示をしていた。
「ほい、それじゃまずは卵を黄身と白身で分けまーす。」
ボールにパカパカと卵を割り分けていく。
「はいモリアン。」
「はい?」
泡だて器を渡す。
「やーーー!!!ハンドミキサー貸してください!!!」
「ちっ・・・楽を覚えちゃって。」
千春はアイテムボックスからハンドミキサーを出す、もちろん充電済のコードレスだ。
「それじゃモリアンそれ使うんだからメレンゲしっかり作ってね。」
「了解です!」
モリアンは、もう勝手が分かっているのか直ぐにスイッチを入れメレンゲを作り出す。
「それじゃこっちは黄身を掻き混ぜますかねー。」
千春は泡だて器でシャカシャカ黄身を泡立てる。
「サフィー牛乳いれてー。」
「はい、どれくらい入れます?」
「取りあえず4枚分つくるからコップ2杯分くらい入れて。」
「はーい。」
とぽとぽ牛乳を入れて行く。
「モリアンそんくらいで砂糖を大さじ2杯入れてー。」
「はーい。」
「サフィーこっちにも砂糖いれてー。」
「はーい。」
千春がシャカシャカと混ぜているとだんだん黄身が白っぽくなってきた。
「おっけー小麦粉入れよう。」
「どれくらい入れます?」
「さっきのコップ3杯くらい。」
「はーい。」
サフィーナはコップに入れながら小麦粉を入れる。
シャカシャカシャカ・・・・
「よし、こっちはおっけー、それじゃフライパンを温めよう。」
軽くバターを塗りフライパンを温めているとモリアンが出来たーと声を出す。
「さて、それじゃぁこっちのボールに混ぜて貰っていい?」
「入れますねー。」
ヘラを使って丁寧に入れて行くモリアン、何気に細かい作業が上手だったりする。
「ありがと、これをざっくりざっくりと混ぜます、メレンゲがつぶれてしまわないようにねー。」
そしてお玉を準備してユラを呼ぶ。
「ユラちゃんこのフライパンにこの生地を入れてみて。」
「いれていいの?」
「いいよー、失敗してもいいからねー。」
「がんばる!」
ユラは足踏み台に乗ってフライパンへ生地を流していく。
「いい感じ、それじゃ弱火でじっくり焼くから待ってね。」
ぷつぷつと上面に気泡が出てくる、そしてフライ返しを持って千春は「ほっ!」と言いながらひっくり返す。
「よし!良い色!。」
千春はそう言って蓋を閉め最初と同じくらいの時間待つ。
「もういいかな?」
フライパンの上に皿を置きフライパンごとひっくり返す。
「「「「おおー!」」」」
「綺麗に焼けましたー!」
見事なキツネ色のホットケーキが焼けた。
「チハルさん、トッピング用のバターと蜂蜜とホイップクリームだ。」
「え?ホイップクリームも作ってくれたの?」
「あぁトッピングと聞いて直ぐに作らせた。」
「すごいな料理人チーム。」
そして焼けた1枚を一口サイズに切り試食する。
「トッピング色々付けれる様にちっちゃく切ったから色々食べてみてね。」
「「「いただきます。」」」
「おれも良いか?」
「勿論、ルノアーさんも食べてみて、次のホットケーキ焼くから他の人は待ってね。」
後ろにスタンバイしている料理人に言うと、自分達も焼くとホットケーキの生地を取られた。
「チハルさん後は練習もかねて俺達がやるから、一緒に試食しよう。」
「そう?それじゃいただきます。」
フォークで一つ刺しホイップクリームに付けて食べる。
「うみゃぁ・・・・、めっちゃうみゃぁ・・・・。」
千春の語彙が壊れた。
「ふわっふわです!私が作ったメレンゲがこうなるんですね!」
「チハルおねえちゃんすっごくおいしい!」
「これは美味しいですね、お茶会で出したら絶賛されそうです。」
モリアン、ユラ、サフィーナも大喜びだ。
「これは朝食と言うよりもお菓子だな、温かいケーキとはよく言った物だな。」
ふむふむと頭を振りながらルノアーは味わっている。
「ホットケーキのトッピングは蜂蜜バターが定番だけどホイップクリームも捨てがたいなー。」
「これは今日の王族の朝食に出して良いのか?」
「うん、お母様にも出すって言ってるから。」
「わかった、トッピングは別にして食べる時に選んで掛けて貰おう。」
「うん、それでお願い、材料は簡単だけど砂糖結構使うから今日補充する分買って来ておくね。」
「すまない、今日の朝食で相当使いそうだ。」
「だよねぇ・・・・」
ふと食堂を見ると甘い香りに引かれて来たのか侍女達が厨房を覗いていた。
「うん、ごめん、メレンゲとホイップ作る人ホントごめん、がんばって。」
「問題無い!」
「大丈夫だ!」
「まかせろ!!!」
ムッキムキな料理人が数人、泡だて器を持って返事をする。
「最近混ぜる料理増えたからな、あいつら仕事増えて張り切ってんだ、心配しなくて大丈夫だ。」
ルノアーも呆れ気味に千春へ答える。
「それなら良いけど、それじゃ朝食楽しみにしてるね。」
「任せてくれ。」
千春とユラ、サフィーナは門の部屋に戻る、そして朝食を王族と食べ、ホットケーキは王族にも大絶賛で気に入ってくれた、もちろん食堂では侍女達のお代わりを料理人が頑張って作り続けた、モリアンは動けない程食べサフィーナに怒られていた。
「だって美味しかったんですもーーーーん!!!痛っ!!!!!」
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