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マヨネーズ!
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「チハルさん次は何を作るんですー?」
「調味料って言ってたわよね、料理じゃ無いのかしら?」
モリアンとサフィーナは作る物が料理じゃ無い事に疑問を持っていた。
「そ、万能調味料!その名もマヨネーズ!!」
右腕を掲げ指を天にかざす、別に意味は無い。
「で、そのまよねーずの材料はー?」
「今から探す。」
「「えぇ~~~~~。」」
モリアンが調味料の材料が気になったが千春はこちらの世界に材料があるかまだ確認していなかった。
「えーっと玉子は有るのは知ってる、塩もあった、あとは酢と油かな~ココの油って何油なの?」
「種から取った油だったと思いますけど?」
「何の種?」
「さぁ?」
「サフィー・・・。」
「そんな分かる訳無いじゃないですか、私厨房担当じゃないんですから。」
「ルノアーさーん!」
サフィーナでは話にならないのでルノアーを呼ぶ千春。
「どうした?何かいるのか?」
「この厨房にある油って何油なの?」
「色々あるが、どういうのが使いたいんだ?」
「植物性の油で匂いが余り無いのが良いかな。」
「そうだな、それじゃ豆油だな。」
「んじゃそれをコップ一杯もらえますか?あと、酢も欲しいんですが。」
そう言って油を受け取る。
「あーワインビネガーか?有るぞ、どれくらい欲しいんだ?」
「大さじ一杯くらいで大丈夫です。」
「そんだけでいいのか、ほらコレだ。」
千春はボウルにそれを入れてもらう。
「確かワインビネガーでもレシピ有ったから大丈夫だよね・・よーし、あとは新鮮な玉子下さい、生で使うんで。」
「は?生だと腹壊すぞ?」
「いつ産んだ玉子なんですか?ソレ」
調理場に置いてある玉子を2個受け取る。
「今日養鶏場から受け取った奴だから今日の朝か昨日の分だな。」
「んじゃ大丈夫でしょ・・・・『鑑定』・・・・うん、大丈夫!生でイケる。」
そう言いながら塩の瓶も受け取り作業場に向かう。
「チハルさん私は何をしたらいいです~?」
「モリアンはその泡立て器を持って待機!」
「はーい。」
「私は?」
「サフィーはそのボウルを動かない様に押さえててね。」
そう言いながら玉子の黄身だけを二つボウルに入れる、そしてワインビネガーと塩を少し入れる
「はい!モリアンそれを混ぜてー。」
「はーい、どれくらい混ぜるの?」
「・・・やめろと言うまで。」
「白身はどうするの?」
サフィーナが残った白身はどうするのか気になるようだ。
「ん、いらないからルノアーさんにあとであげる。」
そういう会話をしながらある程度混ざったら少しずつ油を入れる千春、延々と混ぜ続けるモリアン、ボウルを押さえているだけのサフィーナ、油を全部入れ終わる頃にはモリアンの泣きが入る。
「・・・サフィーナ・・・かわって・・・・おねがい・・・・」
「「がんばれ!」」
「ひーん・・・。」
(・・・・・ブレンダー使ったら秒で出来るのは黙っとこう)
そして無事マヨネーズが出来上がった。
「・・・腕がぁぁ。」
「さて、これがマヨです、頑張ったモリアンには最初に試食をさせてあげましょう!」
そう言って野菜庫にあったキュウリ?ズッキーニ?みたいな野菜、ピーマン、トマトと何個か切り分けていた小皿を前に出す。
「えー生で野菜食べるの?」
「モリアン君、マヨネーズには生野菜なのですよ。」
「何で君なんです?私生の野菜苦手なんですけどぉ・・・。」
「そうなの?聞いてないよ。」
「言ってないもの!」
「まぁ取りあえずコレ行ってみよう!」
そう言って一口サイズのトマトにマヨネーズを掛けて「あーん」と口に持って行く。
「よりによってトマトー!」
モリアンはトマトが嫌いらしい。
「ほら、騙されたと思って食べてみ?ほれ。」
「だーまーさーれーるー!」
そして口に放り込まれる。
「!?」
「どう?」
コクコクと縦に首を振るモリアン。
「へー、トマト嫌いなモリアンが美味しそうに食べるなんて、私ももらっていい?」
「どうぞー、私はこのキュウリっぽいの行ってみよ。」
そういって2人も野菜にマヨネーズを付けて食べる。
「うんまぁ!やっぱマヨは最高!」
「美味しいわね、モリアンもこれなら・・・。」
モリアンを見る2人、自分からトマトにマヨネーズを付けて食べていた。
「んーマヨおいふぃー!」
「口に食べ物入れて喋らないの、あなた子爵令嬢でしょう。」
王宮で働く侍女は基本的に貴族令嬢だ、なので礼儀作法も小さな頃から躾けられている、だからこその侍女なのであった、サフィーナが叱るのもごもっともである。
「チハル、これって最初に食べさせてくれた『さんどいっち』に入ってた物よね。」
「おおー!よく覚えてたねー、その通りです。」
「それじゃまた作るの?」
「ぴんぽーん!」
「何よぴんぽーんって。」
「あたりーって事、んじゃ茹で卵作って本格玉子サンドにしよう、この前のはナンチャッテ玉子サンドだったから。」
「あれ美味しかったけど偽物だったの?」
「いや、玉子サンドだけどさ、本当は茹で卵使うのよ、あとパンとかも貰ってこよう。」
そう言って鍋に水を張り玉子を入れる。
「ルノアーさーんパンの予備いくらか貰えますか?」
スープを作っている3人を見ているルノアーさんに聞いてみる。
「あぁ大丈夫だ、所でそれは?」
「パンの中に挟む材料と調味料ですよ。」
「野菜に付けて食べてたようだが、パンにも付けるのか?」
「いや、コレは玉子とマヨを混ぜてパンに挟むんです、多めに作りますから食べてみますか?」
「もちろん頂くよ、王族の昼食には出さないのか?」
「出すつもりですよ。」
「それじゃ陛下のパンはまだ出来て無いから、出来てからでいいか?朝の分は5個くらいしか残ってないんだ。」
「うん、それでお願いします。」
そう言ってルノアーは王族用のキッチンに取りに行った。
「コレだ、使えるか?」
そう言いながら持ってきたパンは丸ではなかった。
「形変えたんだ。」
「あぁ、色々試してるんだ。」
「でもこっちの方が使いやすいかも。」
そう言って出てきたパンは小さめの長いコッペパンのような形だった。
「茹で卵出来るまでマヨの試食してみて。」
「いいのか?あまり量が無いようだが。」
「無くなったらまた作ればいいんだよ。」
そう言いながら千春はモリアンを見る。
「嫌ですよ!もう泡立て器は持たないですから!」
サフィーナの後ろにモリアンが隠れる、サフィーナは苦笑いでそれを見ている。
「大丈夫だって、パン焼けるまでに作れば良いんだし人員ならソコに沢山。」
千春は厨房に居る男共を見る。
「おう!あれくらいなら任しとけ!」
「俺にも食わせてくれよな!」
「俺も手伝うぜ!」
どうもモリアンがひーひー言いながら混ぜていたのを見てたらしい、あれ位なら問題ないと言ってくれた。
「・・・・んじゃ手伝ってくれたらよかったのに。」
モリアンは文句たらたらである。
「ハハハ、んじゃ玉子も足んなくなりそうだし茹で卵も増やすかー。」
そして手の空いた厨房メンバーに手伝ってもらい、さらに倍以上のマヨネーズと茹で卵が出来上がった。
「はい、では茹で卵を細かく砕いてマヨネーズと混ぜ合わせます、好みでマスタードとか入れるといいかもね、あとは塩コショウをぱっぱっぱー。」
「チハルさん、塩と胡椒を置いていったままだが大丈夫なのか?高級品だぞ?」
「大丈夫ですよ、まだあるんでコレはココに置いといてもらえると料理しやすいんで、無くなったら補充するから使っても大丈夫ですよ?」
「いや、王宮で使う分はちゃんと有るから大丈夫だが・・・。」
王宮の厨房だから胡椒は有るが、基本的にはこの食堂では無く王族用の方でしか使わない、そしてパンに出来上がった玉子マヨをパンに挟んで出来上がり。
「んじゃこのパンは少ないので私たち3人が責任もって食べます、残ったパンは味見用なのでルノアーさんが好きなようにして下さい。」
「チハル?」
「なに?」
「チハルは王族と昼食食べるのよね?」
「うん、そうだよ?」
「んじゃぁ今食べなくても食べれるわよね、今食べたらお昼食べれなくなるわよ?」
「・・・え?」
「王族も玉子サンド食べるのよね?」
「・・・・・うん。」
「はーい!チハルさんの分は私が食べまーす!」
サフィーナが千春に問いかけ、モリアンが千春の分まで食べようと声を上げる。
「ちょっとまって!それは違う!それはそれ!これはこれ!モリアン私の分まで取らないで!」
「まぁまぁ、作り方は解ったから侍女の分も昼食で作ってやるよ。」
助け舟をルノアーが出してくれた。
「ありがとう!ルノアーさん!」
「その代わりと言っては何だが、チハルさんイーストキンはもうちょっと都合付かないかな?多めに貰っているが噂を聞いた侍女やメイド、兵士達も食事に出ないのかって聞いてくるんだ。」
「あー、そういやあの量だと5~6回くらい作ったら無くなりそうだね、明日買って夕方になるけど持ってくるよ、今あるやつは明日の夕食分で使い切っていいよ。」
「助かる!それじゃ試作も兼ねて皆にも出すようにする。」
「了解、その代わりしばらくこっちでご飯食べさせてもらうからね、アレ結構いい値段するんだから。」
「それは大丈夫だ、沢山作ってるから一人分くらい増えても問題は無い、しかしチハルさんは王族と食べるんじゃないのか?」
「そんな毎日王族と夕食とか食べる訳ないじゃん、お昼は王妃様に言われてるから一緒に食べるけどね。」
なんやかんやと試食も終わり、玉子サンドを食べた3人はルノアーに他を任せ部屋に戻った。
「はー、作り方教えて試食するだけのつもりが大事になったなぁ、疲れたよ。」
「でもチハルが作った玉子サンドは美味しかったわ。」
「私はマヨがいつでも食堂で食べれるように、ルノアーさんにお願いしておきます!」
モリアンはマヨネーズが相当気に入ったようで、最初に作った分は野菜を付けてほぼ食べ切った。
「モリアンはマヨラーの気質があるね、でもアレ作り方見たでしょ?ほぼ油だからね、太るよ。」
「え!?」
「ふ・と・る・よ。」
モリアンは『がーん!』と言う顔をして千春を見る。
「まぁ食べ過ぎなきゃ大丈夫だよ、侍女って凄く動いてるから大丈夫じゃない?」
「そうですね、モリアンは少々食べても太らないでしょう、でも食べ過ぎには気を付けなさいね?」
「はーい。」
千春とサフィーナの忠告も、あまり効いてないようだなと2人は思いながら目が合い笑い合うのであった。
「調味料って言ってたわよね、料理じゃ無いのかしら?」
モリアンとサフィーナは作る物が料理じゃ無い事に疑問を持っていた。
「そ、万能調味料!その名もマヨネーズ!!」
右腕を掲げ指を天にかざす、別に意味は無い。
「で、そのまよねーずの材料はー?」
「今から探す。」
「「えぇ~~~~~。」」
モリアンが調味料の材料が気になったが千春はこちらの世界に材料があるかまだ確認していなかった。
「えーっと玉子は有るのは知ってる、塩もあった、あとは酢と油かな~ココの油って何油なの?」
「種から取った油だったと思いますけど?」
「何の種?」
「さぁ?」
「サフィー・・・。」
「そんな分かる訳無いじゃないですか、私厨房担当じゃないんですから。」
「ルノアーさーん!」
サフィーナでは話にならないのでルノアーを呼ぶ千春。
「どうした?何かいるのか?」
「この厨房にある油って何油なの?」
「色々あるが、どういうのが使いたいんだ?」
「植物性の油で匂いが余り無いのが良いかな。」
「そうだな、それじゃ豆油だな。」
「んじゃそれをコップ一杯もらえますか?あと、酢も欲しいんですが。」
そう言って油を受け取る。
「あーワインビネガーか?有るぞ、どれくらい欲しいんだ?」
「大さじ一杯くらいで大丈夫です。」
「そんだけでいいのか、ほらコレだ。」
千春はボウルにそれを入れてもらう。
「確かワインビネガーでもレシピ有ったから大丈夫だよね・・よーし、あとは新鮮な玉子下さい、生で使うんで。」
「は?生だと腹壊すぞ?」
「いつ産んだ玉子なんですか?ソレ」
調理場に置いてある玉子を2個受け取る。
「今日養鶏場から受け取った奴だから今日の朝か昨日の分だな。」
「んじゃ大丈夫でしょ・・・・『鑑定』・・・・うん、大丈夫!生でイケる。」
そう言いながら塩の瓶も受け取り作業場に向かう。
「チハルさん私は何をしたらいいです~?」
「モリアンはその泡立て器を持って待機!」
「はーい。」
「私は?」
「サフィーはそのボウルを動かない様に押さえててね。」
そう言いながら玉子の黄身だけを二つボウルに入れる、そしてワインビネガーと塩を少し入れる
「はい!モリアンそれを混ぜてー。」
「はーい、どれくらい混ぜるの?」
「・・・やめろと言うまで。」
「白身はどうするの?」
サフィーナが残った白身はどうするのか気になるようだ。
「ん、いらないからルノアーさんにあとであげる。」
そういう会話をしながらある程度混ざったら少しずつ油を入れる千春、延々と混ぜ続けるモリアン、ボウルを押さえているだけのサフィーナ、油を全部入れ終わる頃にはモリアンの泣きが入る。
「・・・サフィーナ・・・かわって・・・・おねがい・・・・」
「「がんばれ!」」
「ひーん・・・。」
(・・・・・ブレンダー使ったら秒で出来るのは黙っとこう)
そして無事マヨネーズが出来上がった。
「・・・腕がぁぁ。」
「さて、これがマヨです、頑張ったモリアンには最初に試食をさせてあげましょう!」
そう言って野菜庫にあったキュウリ?ズッキーニ?みたいな野菜、ピーマン、トマトと何個か切り分けていた小皿を前に出す。
「えー生で野菜食べるの?」
「モリアン君、マヨネーズには生野菜なのですよ。」
「何で君なんです?私生の野菜苦手なんですけどぉ・・・。」
「そうなの?聞いてないよ。」
「言ってないもの!」
「まぁ取りあえずコレ行ってみよう!」
そう言って一口サイズのトマトにマヨネーズを掛けて「あーん」と口に持って行く。
「よりによってトマトー!」
モリアンはトマトが嫌いらしい。
「ほら、騙されたと思って食べてみ?ほれ。」
「だーまーさーれーるー!」
そして口に放り込まれる。
「!?」
「どう?」
コクコクと縦に首を振るモリアン。
「へー、トマト嫌いなモリアンが美味しそうに食べるなんて、私ももらっていい?」
「どうぞー、私はこのキュウリっぽいの行ってみよ。」
そういって2人も野菜にマヨネーズを付けて食べる。
「うんまぁ!やっぱマヨは最高!」
「美味しいわね、モリアンもこれなら・・・。」
モリアンを見る2人、自分からトマトにマヨネーズを付けて食べていた。
「んーマヨおいふぃー!」
「口に食べ物入れて喋らないの、あなた子爵令嬢でしょう。」
王宮で働く侍女は基本的に貴族令嬢だ、なので礼儀作法も小さな頃から躾けられている、だからこその侍女なのであった、サフィーナが叱るのもごもっともである。
「チハル、これって最初に食べさせてくれた『さんどいっち』に入ってた物よね。」
「おおー!よく覚えてたねー、その通りです。」
「それじゃまた作るの?」
「ぴんぽーん!」
「何よぴんぽーんって。」
「あたりーって事、んじゃ茹で卵作って本格玉子サンドにしよう、この前のはナンチャッテ玉子サンドだったから。」
「あれ美味しかったけど偽物だったの?」
「いや、玉子サンドだけどさ、本当は茹で卵使うのよ、あとパンとかも貰ってこよう。」
そう言って鍋に水を張り玉子を入れる。
「ルノアーさーんパンの予備いくらか貰えますか?」
スープを作っている3人を見ているルノアーさんに聞いてみる。
「あぁ大丈夫だ、所でそれは?」
「パンの中に挟む材料と調味料ですよ。」
「野菜に付けて食べてたようだが、パンにも付けるのか?」
「いや、コレは玉子とマヨを混ぜてパンに挟むんです、多めに作りますから食べてみますか?」
「もちろん頂くよ、王族の昼食には出さないのか?」
「出すつもりですよ。」
「それじゃ陛下のパンはまだ出来て無いから、出来てからでいいか?朝の分は5個くらいしか残ってないんだ。」
「うん、それでお願いします。」
そう言ってルノアーは王族用のキッチンに取りに行った。
「コレだ、使えるか?」
そう言いながら持ってきたパンは丸ではなかった。
「形変えたんだ。」
「あぁ、色々試してるんだ。」
「でもこっちの方が使いやすいかも。」
そう言って出てきたパンは小さめの長いコッペパンのような形だった。
「茹で卵出来るまでマヨの試食してみて。」
「いいのか?あまり量が無いようだが。」
「無くなったらまた作ればいいんだよ。」
そう言いながら千春はモリアンを見る。
「嫌ですよ!もう泡立て器は持たないですから!」
サフィーナの後ろにモリアンが隠れる、サフィーナは苦笑いでそれを見ている。
「大丈夫だって、パン焼けるまでに作れば良いんだし人員ならソコに沢山。」
千春は厨房に居る男共を見る。
「おう!あれくらいなら任しとけ!」
「俺にも食わせてくれよな!」
「俺も手伝うぜ!」
どうもモリアンがひーひー言いながら混ぜていたのを見てたらしい、あれ位なら問題ないと言ってくれた。
「・・・・んじゃ手伝ってくれたらよかったのに。」
モリアンは文句たらたらである。
「ハハハ、んじゃ玉子も足んなくなりそうだし茹で卵も増やすかー。」
そして手の空いた厨房メンバーに手伝ってもらい、さらに倍以上のマヨネーズと茹で卵が出来上がった。
「はい、では茹で卵を細かく砕いてマヨネーズと混ぜ合わせます、好みでマスタードとか入れるといいかもね、あとは塩コショウをぱっぱっぱー。」
「チハルさん、塩と胡椒を置いていったままだが大丈夫なのか?高級品だぞ?」
「大丈夫ですよ、まだあるんでコレはココに置いといてもらえると料理しやすいんで、無くなったら補充するから使っても大丈夫ですよ?」
「いや、王宮で使う分はちゃんと有るから大丈夫だが・・・。」
王宮の厨房だから胡椒は有るが、基本的にはこの食堂では無く王族用の方でしか使わない、そしてパンに出来上がった玉子マヨをパンに挟んで出来上がり。
「んじゃこのパンは少ないので私たち3人が責任もって食べます、残ったパンは味見用なのでルノアーさんが好きなようにして下さい。」
「チハル?」
「なに?」
「チハルは王族と昼食食べるのよね?」
「うん、そうだよ?」
「んじゃぁ今食べなくても食べれるわよね、今食べたらお昼食べれなくなるわよ?」
「・・・え?」
「王族も玉子サンド食べるのよね?」
「・・・・・うん。」
「はーい!チハルさんの分は私が食べまーす!」
サフィーナが千春に問いかけ、モリアンが千春の分まで食べようと声を上げる。
「ちょっとまって!それは違う!それはそれ!これはこれ!モリアン私の分まで取らないで!」
「まぁまぁ、作り方は解ったから侍女の分も昼食で作ってやるよ。」
助け舟をルノアーが出してくれた。
「ありがとう!ルノアーさん!」
「その代わりと言っては何だが、チハルさんイーストキンはもうちょっと都合付かないかな?多めに貰っているが噂を聞いた侍女やメイド、兵士達も食事に出ないのかって聞いてくるんだ。」
「あー、そういやあの量だと5~6回くらい作ったら無くなりそうだね、明日買って夕方になるけど持ってくるよ、今あるやつは明日の夕食分で使い切っていいよ。」
「助かる!それじゃ試作も兼ねて皆にも出すようにする。」
「了解、その代わりしばらくこっちでご飯食べさせてもらうからね、アレ結構いい値段するんだから。」
「それは大丈夫だ、沢山作ってるから一人分くらい増えても問題は無い、しかしチハルさんは王族と食べるんじゃないのか?」
「そんな毎日王族と夕食とか食べる訳ないじゃん、お昼は王妃様に言われてるから一緒に食べるけどね。」
なんやかんやと試食も終わり、玉子サンドを食べた3人はルノアーに他を任せ部屋に戻った。
「はー、作り方教えて試食するだけのつもりが大事になったなぁ、疲れたよ。」
「でもチハルが作った玉子サンドは美味しかったわ。」
「私はマヨがいつでも食堂で食べれるように、ルノアーさんにお願いしておきます!」
モリアンはマヨネーズが相当気に入ったようで、最初に作った分は野菜を付けてほぼ食べ切った。
「モリアンはマヨラーの気質があるね、でもアレ作り方見たでしょ?ほぼ油だからね、太るよ。」
「え!?」
「ふ・と・る・よ。」
モリアンは『がーん!』と言う顔をして千春を見る。
「まぁ食べ過ぎなきゃ大丈夫だよ、侍女って凄く動いてるから大丈夫じゃない?」
「そうですね、モリアンは少々食べても太らないでしょう、でも食べ過ぎには気を付けなさいね?」
「はーい。」
千春とサフィーナの忠告も、あまり効いてないようだなと2人は思いながら目が合い笑い合うのであった。
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