15 / 744
温泉!
しおりを挟む
「もどりました。」
「おかえりなさい、さぁ行きましょうか。」
お茶を飲みながら待っていた王妃はそう言い、侍女を連れて部屋を出る、千春もあとに続く。
「チハル?その荷物は着替えなのかしら?」
「はい、着替えとお風呂セットです。」
「お風呂セット?」
「はい、ボディーソープとかシャンプーとかですね。」
「しゃんぷー?」
「髪用の石鹸みたいな物です、こちらではどうやって髪を洗ってるんですか?」
「豆と薬草とオイルを混ぜた物で洗ってるわよ?」
王妃はシャンプーを知らないようで、千春はどうやって髪を洗っているのか気になったが、石鹸ではなかったようだ。
「それの強化版?みたいな物です、もし良かったら使ってみませんか?王妃様の髪とても綺麗なのでもっと艶が出ると思いますし。」
「「「!?」」」
一緒に居た侍女二人も王妃も「艶が出る」の言葉に物凄い反応を示した、侍女も良いとこのお嬢様なので興味があるようだった。
「それは楽しみだわ!」
王妃は嬉しそうに微笑み返し浴室へ向かう、千春も王妃の髪の毛を見ながら今でも綺麗だけどなーと思いながら髪を見ていた。
王妃の髪は腰まで有るストレートの赤い髪を中ほどで軽く括った髪型で、ヘアオイルが付いているのか品の良い艶がある。
浴場に着くと侍女が3人待機しており王妃と千春の服を脱がし出した。
「わ・・私は自分で脱げますからっ!!!!」
そう言う千春に侍女はニッコリと微笑み千春の言葉をスルーして脱がせた。
「あ、リュックのお風呂セットを・・・・。」
千春はボディーソープやシャンプー、トリートメント、コンディショナーと取り出す、そして侍女がそれを受け取り浴室へ持って行く。
「さぁいらっしゃい?」
裸になった王妃に連れられ浴室に入るが、王妃のプロポーションが凄く千春は言葉が出なかった。
「こちらへどうぞ。」
侍女が先導した先には広い浴槽と一人用の浴槽が有り湯が溜められていた、どうも先に小さな浴槽で体を洗いその後大きな浴槽で浸かるようだ、浴室はとても暖かくそして嗅いだ事のある匂いがした。
「・・・温泉?」
「あら、温泉を知ってるの?」
「はい、私の国は温泉が良く出てるので。」
「このお湯は美容に良いって言われてるのよ?それにお湯に浸かるのは大好きなの。」
そう言いながら小さな浴槽の方に浸かる、小さいと言っても自分の家の浴槽よりも大きく足を延ばしても向こうに届きそうにないくらい大きかった、よく見るとその隣にももう一つ同じ浴槽があり、千春はそっちに入るよう勧められた。
「はぁ・・・・。」
王妃は気持ちよさそうに息を吐き侍女が王妃の手足をマッサージしながら洗い出した、髪の毛も櫛で梳いていた。
「チハル様、こちらはどうやってお使いするのですか?」
侍女がボディソープを持ち千春に聞いてきた。
「それは体を洗う時にボディタオルに付けて体を擦るやつです、他の3つは髪用でキャップが黒いのがシャンプー、頭を洗うやつで、赤いのがトリートメントです、金色の入れ物はコンディショナーなので最後に使います。」
そう言い使い方を説明する、髪の手入れで使うオイル等と使い方が似ているのか使い方をすぐに理解した侍女達は王妃と千春の髪も手入れを始めた。
「チハル様の髪もお綺麗ですね。」
肩より少し長い髪をいつもポニーテールにしている、母譲りのストレートでポニーテールも母の真似をしてる、この髪型がとても気に入っていたから髪の手入れもしっかりしていた。
初めて人に体と髪の毛を洗ってもらい恥ずかしく、恐縮しながらされるがままの千春を王妃は優しく見守っていた。
「チハル、こっちへいらっしゃい。」
体も髪の毛も洗い終わった二人は大きな浴槽へ入る。
「はああぁぁぁぁぁ」
千春は数年ぶりだろうか、大きな浴槽へ入り大きな声を出してしまった。
「ふふふっ気持ち良いでしょう、ココは私の自慢の浴室なのよ?」
そう言い王妃は千春の横に並びお湯に浸かる。
「はい、とろけそうです」
それを聞き王妃は微笑み千春の頭を撫でる。
「いつも一人だから一緒に入ってくれて嬉しいわ。」
「他の方は使わないんですか?」
「使わないわよ、陛下と子供たちは男用の浴室があるもの。」
「体洗った浴槽二つ在りましたけど?」
「予備くらいあるわ、あれはチハル専用の浴槽にするからまた予備を準備させておかないとね。」
そう言いながら目を瞑り気持ちよさそうにしている。
「向こうでお風呂に入るので・・・そんなに使う事無いと思うんですけど。」
「お泊り出来る時に入ればいいじゃない、それこそすぐに向こうに帰れるんでしょう?毎日こっちで寝泊まりしても良いのよ?」
「いや、それは流石にどうかと・・・アハハ。」
「そう?私は毎日でも一緒に入りたいわぁ。」
目を瞑ったまま会話している王妃はとても幸せそうな顔でそう言った。
「!?」
不意に千春は王妃に抱き寄せられた。
「チハル・・・・・・あなたのお母様もきっと今でもあなたを見守っているわ。」
「・・・・・はい。」
「お母様の居なかった時間を、私に少しでも埋めさせてくれないかしら?」
王妃は優しく千春を抱きしめる、千春も何故か・・・自然と王妃の体に頭を預ける。
「ありがとうございます王妃様。」
「メグで良いわよ、出来ればお母様と呼んでくれても良いんだけど?」
王妃は悪戯っぽく千春に笑いかける。
「そ・・・それは・・・さすがに王様に怒られそうですけど、あと!あの!貴族の方とか色々まずくなったりとか!急に娘がとか大変なことになりませんか!?」
「あーら大丈夫よ、私の遠縁の娘を引き取って養女にしたとか、他の国から来たとか言えば良いじゃない?」
ケラケラと笑いながら言うが、そんな簡単な物では無いのでは?と千春は苦笑をしていた。
「まだチハルが来て時間も経ってないから今なら色々と筋書きは作れるわ、それにチハルの国の知識はこの国にとっても凄く大事な情報になるわ、少々の無理も通せば道理になる物よ?それに私がチハルの事を気に入ったんだもの、ふざけた事を言う者が出たら私が責任をもって処・・んんっっ!対応しておくわ。」
なんか物騒な言葉が出た気がしたが、千春もこの少ない時間なのに王妃の事がとても好きになっていた、心の中で『悪役令嬢とか思ってごめんなさい』と謝るくらいに、そしてしばらく他愛のない話をし、お湯を堪能した。
「さぁそろそろ上がりましょうか。」
「はい。」
2人目を合わせニッコリと微笑みお湯から上がる、侍女が待ち構えており一瞬ビクッとしたが、されるがままに体を拭かれ、寝間着に着替えた、流石に寝間着は自分で着るので!と押し通し着替え、王妃と部屋に戻る。
部屋に戻ると寝室の準備が終わっていた、王妃のベッドは流石王妃様!と言わんばかりの豪華なベッドで千春が4人くらいは寝れそうなサイズだった、その横にはさっきまで無かったと思われるベッドがあったが、それでも自分のベッドよりも大きく豪華だった。
「うわぁ!」
「ふふっベッドを準備させたけど私のベッドで一緒にねましょう?あぁ!娘と一緒に寝れるなんて夢みたい!さぁいらっしゃい!」
ベッドを見て声を上げる千春と違う意味で興奮している王妃がベッドに入る。
「良いんですか?」
「良いに決まってるでしょう。」
そう言って布団に入る、2人は横になり目を合わせ2人とも笑っていた。
「め・・メグ様、今日は有難う御座いました。」
「あら、お母様じゃないのかしら?フフッ。」
「そ・・・それはさすがに。」
顔を真っ赤にしながら顔を布団で隠す、王妃は頭を撫でながら微笑んでいた。
「今日は私の我儘に付き合ってくれてありがとうチハル、とても楽しかったわ。」
「いえ、私もとても嬉しかったです。」
「明日は魔法の特訓だったわね。」
「え!?特訓ですか!?練習・・・だったと思うのですが。」
「あらそうだったかしら?」
クスリと笑い千春を揶揄う。
「寝ると魔力は回復しやすいの、しっかり寝て明日はがんばりましょうね、おやすみなさいチハル。」
「はいおやすみなさいメグ様。」
そう言い二人は目を瞑った、千春は使い慣れない魔法や色々な出来事も有り疲れていたのかすぐに寝息をたてた、王妃は心地よい寝息を聞きながら同じく眠りに就いた。
--------------------------------
千春は夢を見ていた、お母さんが台所に立っている、それを後ろから見ていた。
『おかぁさん何つくってるのー?』
『今日はガーリックチキンと水菜のサラダよー冷蔵庫からプチトマト取ってくれる?』
『うん!ヘタ取って洗っといたらいい?』
『ありがと、洗ったらそのザルで水きっといてね』
『はーい、あ、おかぁさん今日ねープレーンオムレツ作ってねー王様たちに食べてもらったんだー。』
『へー上手に出来た?』
『うん!みんな美味しいって言ってくれたよ!おかぁさんにも食べてもらいたかったなー。』
『いつも食べてるわよ?、毎年作ってくれてるじゃない、もうお母さんより上手じゃないの。』
『そう言うのじゃないんだもん、ちゃんと食べてもらいたいの!あとねーあっちにもおかぁさんみたいな人が居るの、とっても優しくて全然おかぁさんと感じが違うのにすっごくおかぁさんと似てるの!』
『優しい?』
『うん!』
『えーお母さん妬けちゃうなー、フフッ』
『あ!その笑い方!あっちのお母様と一緒だ!』
『女の子ってね、結婚したらお母さんが増えるんだよ、千春はあっちで結婚しちゃうのかなー?』
『えーお母様は養女にするって言ってたもん、お嫁さんじゃないよー?』
『そうなの?でも千春はずーっと頑張って来たんだから一杯甘えておきなさい?お母さんもその方が嬉しいわ~。』
千春の母はとても優しく千春に微笑み頭を撫でる。
『あー撫で方も一緒だー!』
そして二人は笑い合い料理を作る、束の間の親子の会話、それが数年ぶりの会話だったとしても千春は当たり前のように、そして今までの時間を埋める様に楽しく母と料理を作るのだった。
「おかえりなさい、さぁ行きましょうか。」
お茶を飲みながら待っていた王妃はそう言い、侍女を連れて部屋を出る、千春もあとに続く。
「チハル?その荷物は着替えなのかしら?」
「はい、着替えとお風呂セットです。」
「お風呂セット?」
「はい、ボディーソープとかシャンプーとかですね。」
「しゃんぷー?」
「髪用の石鹸みたいな物です、こちらではどうやって髪を洗ってるんですか?」
「豆と薬草とオイルを混ぜた物で洗ってるわよ?」
王妃はシャンプーを知らないようで、千春はどうやって髪を洗っているのか気になったが、石鹸ではなかったようだ。
「それの強化版?みたいな物です、もし良かったら使ってみませんか?王妃様の髪とても綺麗なのでもっと艶が出ると思いますし。」
「「「!?」」」
一緒に居た侍女二人も王妃も「艶が出る」の言葉に物凄い反応を示した、侍女も良いとこのお嬢様なので興味があるようだった。
「それは楽しみだわ!」
王妃は嬉しそうに微笑み返し浴室へ向かう、千春も王妃の髪の毛を見ながら今でも綺麗だけどなーと思いながら髪を見ていた。
王妃の髪は腰まで有るストレートの赤い髪を中ほどで軽く括った髪型で、ヘアオイルが付いているのか品の良い艶がある。
浴場に着くと侍女が3人待機しており王妃と千春の服を脱がし出した。
「わ・・私は自分で脱げますからっ!!!!」
そう言う千春に侍女はニッコリと微笑み千春の言葉をスルーして脱がせた。
「あ、リュックのお風呂セットを・・・・。」
千春はボディーソープやシャンプー、トリートメント、コンディショナーと取り出す、そして侍女がそれを受け取り浴室へ持って行く。
「さぁいらっしゃい?」
裸になった王妃に連れられ浴室に入るが、王妃のプロポーションが凄く千春は言葉が出なかった。
「こちらへどうぞ。」
侍女が先導した先には広い浴槽と一人用の浴槽が有り湯が溜められていた、どうも先に小さな浴槽で体を洗いその後大きな浴槽で浸かるようだ、浴室はとても暖かくそして嗅いだ事のある匂いがした。
「・・・温泉?」
「あら、温泉を知ってるの?」
「はい、私の国は温泉が良く出てるので。」
「このお湯は美容に良いって言われてるのよ?それにお湯に浸かるのは大好きなの。」
そう言いながら小さな浴槽の方に浸かる、小さいと言っても自分の家の浴槽よりも大きく足を延ばしても向こうに届きそうにないくらい大きかった、よく見るとその隣にももう一つ同じ浴槽があり、千春はそっちに入るよう勧められた。
「はぁ・・・・。」
王妃は気持ちよさそうに息を吐き侍女が王妃の手足をマッサージしながら洗い出した、髪の毛も櫛で梳いていた。
「チハル様、こちらはどうやってお使いするのですか?」
侍女がボディソープを持ち千春に聞いてきた。
「それは体を洗う時にボディタオルに付けて体を擦るやつです、他の3つは髪用でキャップが黒いのがシャンプー、頭を洗うやつで、赤いのがトリートメントです、金色の入れ物はコンディショナーなので最後に使います。」
そう言い使い方を説明する、髪の手入れで使うオイル等と使い方が似ているのか使い方をすぐに理解した侍女達は王妃と千春の髪も手入れを始めた。
「チハル様の髪もお綺麗ですね。」
肩より少し長い髪をいつもポニーテールにしている、母譲りのストレートでポニーテールも母の真似をしてる、この髪型がとても気に入っていたから髪の手入れもしっかりしていた。
初めて人に体と髪の毛を洗ってもらい恥ずかしく、恐縮しながらされるがままの千春を王妃は優しく見守っていた。
「チハル、こっちへいらっしゃい。」
体も髪の毛も洗い終わった二人は大きな浴槽へ入る。
「はああぁぁぁぁぁ」
千春は数年ぶりだろうか、大きな浴槽へ入り大きな声を出してしまった。
「ふふふっ気持ち良いでしょう、ココは私の自慢の浴室なのよ?」
そう言い王妃は千春の横に並びお湯に浸かる。
「はい、とろけそうです」
それを聞き王妃は微笑み千春の頭を撫でる。
「いつも一人だから一緒に入ってくれて嬉しいわ。」
「他の方は使わないんですか?」
「使わないわよ、陛下と子供たちは男用の浴室があるもの。」
「体洗った浴槽二つ在りましたけど?」
「予備くらいあるわ、あれはチハル専用の浴槽にするからまた予備を準備させておかないとね。」
そう言いながら目を瞑り気持ちよさそうにしている。
「向こうでお風呂に入るので・・・そんなに使う事無いと思うんですけど。」
「お泊り出来る時に入ればいいじゃない、それこそすぐに向こうに帰れるんでしょう?毎日こっちで寝泊まりしても良いのよ?」
「いや、それは流石にどうかと・・・アハハ。」
「そう?私は毎日でも一緒に入りたいわぁ。」
目を瞑ったまま会話している王妃はとても幸せそうな顔でそう言った。
「!?」
不意に千春は王妃に抱き寄せられた。
「チハル・・・・・・あなたのお母様もきっと今でもあなたを見守っているわ。」
「・・・・・はい。」
「お母様の居なかった時間を、私に少しでも埋めさせてくれないかしら?」
王妃は優しく千春を抱きしめる、千春も何故か・・・自然と王妃の体に頭を預ける。
「ありがとうございます王妃様。」
「メグで良いわよ、出来ればお母様と呼んでくれても良いんだけど?」
王妃は悪戯っぽく千春に笑いかける。
「そ・・・それは・・・さすがに王様に怒られそうですけど、あと!あの!貴族の方とか色々まずくなったりとか!急に娘がとか大変なことになりませんか!?」
「あーら大丈夫よ、私の遠縁の娘を引き取って養女にしたとか、他の国から来たとか言えば良いじゃない?」
ケラケラと笑いながら言うが、そんな簡単な物では無いのでは?と千春は苦笑をしていた。
「まだチハルが来て時間も経ってないから今なら色々と筋書きは作れるわ、それにチハルの国の知識はこの国にとっても凄く大事な情報になるわ、少々の無理も通せば道理になる物よ?それに私がチハルの事を気に入ったんだもの、ふざけた事を言う者が出たら私が責任をもって処・・んんっっ!対応しておくわ。」
なんか物騒な言葉が出た気がしたが、千春もこの少ない時間なのに王妃の事がとても好きになっていた、心の中で『悪役令嬢とか思ってごめんなさい』と謝るくらいに、そしてしばらく他愛のない話をし、お湯を堪能した。
「さぁそろそろ上がりましょうか。」
「はい。」
2人目を合わせニッコリと微笑みお湯から上がる、侍女が待ち構えており一瞬ビクッとしたが、されるがままに体を拭かれ、寝間着に着替えた、流石に寝間着は自分で着るので!と押し通し着替え、王妃と部屋に戻る。
部屋に戻ると寝室の準備が終わっていた、王妃のベッドは流石王妃様!と言わんばかりの豪華なベッドで千春が4人くらいは寝れそうなサイズだった、その横にはさっきまで無かったと思われるベッドがあったが、それでも自分のベッドよりも大きく豪華だった。
「うわぁ!」
「ふふっベッドを準備させたけど私のベッドで一緒にねましょう?あぁ!娘と一緒に寝れるなんて夢みたい!さぁいらっしゃい!」
ベッドを見て声を上げる千春と違う意味で興奮している王妃がベッドに入る。
「良いんですか?」
「良いに決まってるでしょう。」
そう言って布団に入る、2人は横になり目を合わせ2人とも笑っていた。
「め・・メグ様、今日は有難う御座いました。」
「あら、お母様じゃないのかしら?フフッ。」
「そ・・・それはさすがに。」
顔を真っ赤にしながら顔を布団で隠す、王妃は頭を撫でながら微笑んでいた。
「今日は私の我儘に付き合ってくれてありがとうチハル、とても楽しかったわ。」
「いえ、私もとても嬉しかったです。」
「明日は魔法の特訓だったわね。」
「え!?特訓ですか!?練習・・・だったと思うのですが。」
「あらそうだったかしら?」
クスリと笑い千春を揶揄う。
「寝ると魔力は回復しやすいの、しっかり寝て明日はがんばりましょうね、おやすみなさいチハル。」
「はいおやすみなさいメグ様。」
そう言い二人は目を瞑った、千春は使い慣れない魔法や色々な出来事も有り疲れていたのかすぐに寝息をたてた、王妃は心地よい寝息を聞きながら同じく眠りに就いた。
--------------------------------
千春は夢を見ていた、お母さんが台所に立っている、それを後ろから見ていた。
『おかぁさん何つくってるのー?』
『今日はガーリックチキンと水菜のサラダよー冷蔵庫からプチトマト取ってくれる?』
『うん!ヘタ取って洗っといたらいい?』
『ありがと、洗ったらそのザルで水きっといてね』
『はーい、あ、おかぁさん今日ねープレーンオムレツ作ってねー王様たちに食べてもらったんだー。』
『へー上手に出来た?』
『うん!みんな美味しいって言ってくれたよ!おかぁさんにも食べてもらいたかったなー。』
『いつも食べてるわよ?、毎年作ってくれてるじゃない、もうお母さんより上手じゃないの。』
『そう言うのじゃないんだもん、ちゃんと食べてもらいたいの!あとねーあっちにもおかぁさんみたいな人が居るの、とっても優しくて全然おかぁさんと感じが違うのにすっごくおかぁさんと似てるの!』
『優しい?』
『うん!』
『えーお母さん妬けちゃうなー、フフッ』
『あ!その笑い方!あっちのお母様と一緒だ!』
『女の子ってね、結婚したらお母さんが増えるんだよ、千春はあっちで結婚しちゃうのかなー?』
『えーお母様は養女にするって言ってたもん、お嫁さんじゃないよー?』
『そうなの?でも千春はずーっと頑張って来たんだから一杯甘えておきなさい?お母さんもその方が嬉しいわ~。』
千春の母はとても優しく千春に微笑み頭を撫でる。
『あー撫で方も一緒だー!』
そして二人は笑い合い料理を作る、束の間の親子の会話、それが数年ぶりの会話だったとしても千春は当たり前のように、そして今までの時間を埋める様に楽しく母と料理を作るのだった。
532
お気に入りに追加
2,592
あなたにおすすめの小説
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる