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G.F. - 大逆転編 -

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『詩織のお家は《美波県藤浦市岩嶋区新田》ですよね?』

『う、うん…実家はね…』


雫ちゃんが…詩織…お姉さま…?

優羽ちゃんと千景ちゃんを、雫ちゃんはもう一度見た…。


『私のお家も《美波県藤浦市大葉区河路》で、詩織お姉さまのお家から9kmぐらいしか離れていません!だから詩織お姉さまのお家と私のお家は、ほとんどお隣どうしって言ってもいいぐらいです!』


…なんで急に実家の紹介を…?

それに9kmという距離は、お隣どうしと言うには…ちょっと遠いかも…。


『けど、あなた…それとあなたも!藤浦市の出身ではないでしょう…?』

『ぅ…うん』
『うん…』


…優羽ちゃんも千景ちゃんも、少し戸惑いながらも頷いた…。
それは事実なんだから仕方ないこと。


『ねぇ…雫ちゃんってば…』

『詩織お姉さま!いいんですか!?出身地なんて全然違うのに、気軽に《お姉さま!》なんて呼ばれてるなんて…私はゆるせません!!私は出身地がだいたい同じだからいいんだけど…それに私は前から…』

『うん。私はいいと思うの。駄目なのかなぁ』

『えぇぇっ…』

『千景ちゃんと優ちゃんも、私のことを《お姉さま》って、呼んでくれること』

『…。』





…雫ちゃんは、優羽ちゃんや千景ちゃんが詩織のことを《お姉さま♪》と呼んでいたことに、ちょっと《ヤキモチ焼いてた》ってことらしかった…って、なんか可愛いな。

それに《前から詩織をお姉さまと呼んでいた》というのは…雫ちゃんがあまりにも詩織のことが好き過ぎて、二人には負けたくない!って、ついつい言ってしまった可愛らしい嘘。

僕も詩織も、そんな雫ちゃんの可愛い嘘を指摘せず、黙って『そうだね。雫ちゃんは前から私のことを《お姉さま》って呼んでくれてたもんね…』って、嘘に乗ってあげることにした。

雫ちゃんの《私が誰よりも一番!詩織お姉さまのことが大好きなの!》って、アピールしたい気持ちも…僕らも少しは解るような気がするし…。

だからさっきまで、雫ちゃんは実は詩織のことを《詩織さん》って呼んでた、なんてことも…僕らだけの秘密にしておこう。

けど本当は嘘はダメだからね。雫ちゃん。
本当に今回だけだよ。


そして…この件に関して、詩織が仲裁に入って丸く収まったことで…。


『じゃあ…仕方ありません。私も赦して差し上げます。だから詩織お姉さまを《お姉さま》と呼べるのは…私と、あなたと、あなただけってことで…』

『う、うん…あ、ありがとう…』
『ありがと…』


ごっ、ごめん。
優羽ちゃん、千景ちゃん…。




『…あの…私たちも《お姉さま》って…ごく稀に呼ぶこともあるんですけど…』

『でも…私たちは駄目?…ってことでしょうか…?』


ちなみに後日…明日佳ちゃんと心夏ちゃんも、詩織のことを《お姉さま》って今後も呼べる赦しを、雫ちゃんから授かるのでした…。






『みんなを赦した私…これで良いんですよね?私の大好きな、詩織お姉さま♪』














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