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G.F. - 大逆転編 -
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『あ、詩織ちゃん。おかえりー』
ただ今の時刻…午後2時7分。
ロビーの受付カウンターに立つ若い女性が、詩織に向かって優雅に、胸元で小さく左手を振る。
『ただいまー。智果さーん』
そして詩織も、その綺麗なお姉さんに両手を振って返しながら、カウンター前へと歩み寄っていく。
何故か…智果さんと詩織はいつも『おかえり』『ただいまー』とか『行ってきまぁす』『いってらっしゃい』で挨拶する…。
時間に関係なく、朝でも『おかえり』『ただいま』だし。昼でも…夕方でも…。
『智果さん。今日はねー…』
詩織はそう言いながら、雫ちゃんを見た。
『…ご見学の子?』
『そう。だから入場許可証くださーい』
雫ちゃんは智果さんから《部外入場者記入表》への記入を求められ、氏名と住所、連絡先、入場理由などを…。
『…えっ、入場理由…?』
『雫ちゃん。ねぇ、ちょっと貸して』
『あっ、はい』
詩織は雫ちゃんに代わって《社内見学です。地元の先輩で所属タレントの岡本詩織さんと一緒に》と、入場理由欄に記入してあげた。
先輩…ってのは、詩織の虚辞記載だけど。
『…うん。これでオッケー…っと。智果さん、はいっ♪』
そして、その《部外入場者記入表》を智果さんへと差し出して返した。
『ねぇ詩織ちゃん。彼女…もしかして、この事務所からアイドルデビューを志望してる子だったり…?』
『んー。今は…まだナイショです♪』
詩織は智果さんから預かった入場許可証を、雫ちゃんの首に掛けてあげた。
『じゃ、行きましょ。雫ちゃん』
『はい』
僕ら3人、揃ってエレベーターへと向かって歩き出した。
『…ここは、どういう場所なんですか?』
5階に停まっているエレベーターが、1階へと下りてくるのを待っているあいだ、雫ちゃんが詩織にそう訊いた。
『うん。ここは私が所属してる芸能事務所よ。冴嶋プロダクションっていうの』
『そうなんですかー!凄いところなんですね!』
『凄い…かなぁ』
また可愛く笑い合った詩織と雫ちゃん。
『それとね、2階の事務室前で、雫ちゃんが大っ好きな人が待ってくれてるよぉ』
『えっ?私の…大好きな人?って誰ですか!?』
『きゃははは♪』
《♪ポーン》
待ってたエレベーターが、ようやく1階に到着。
さっそく僕らはエレベーターに乗り、2階の事務室へ…。
『…誰ですか?』
『うふふっ♪』
《2階です。ドアが開きます》
エレベーターの扉が開いた途端、雫ちゃんが僕らより先にエレベーターを出て、事務室へと向かって飛び出すように駆け出した。
どうしてかというと…雫ちゃんの大好きな人が、事務室の入り口前に立っていたのに気付いたから。
『わぁー!また会えたー!鈴ちゃーん!嬉しーい!大好きー♪』
『あはは。今日も可愛くて元気だね。こんにちは。雫ちゃん』
えぇと…そう。
鈴ちゃんと雫ちゃんは、去年末の《G.F.アワード》以来だから…まだそれから1ヶ月とちょっとしか経ってない。
そんなこんなで瞳をキラキラと輝かせている雫ちゃんは…今、鈴ちゃんと優しくハグをし合っていた。
『詩織ちゃんから聞いたんだけど…雫ちゃん、春から東京に来るの?』
『はい!』
金魚と詩織は慌てずエレベーターを出て…ようやく鈴ちゃんと雫ちゃんの元へ到着。
『就職で?』
『いえ。春から墨田区の…えぇと?…にある《水沢美容技術専門学校》に通うんです』
そんな雫ちゃんと鈴ちゃんとの会話を静かに聞いていた詩織が…突然、驚いた顔をした…?
『ねぇ、その…水沢美容専門学校とかって、私知ってるんだけど。アンナさんから聞いて…アンナさんとナオさんが通ってた都内の専門学校でしょ?』
えっ?
そうなの!?
『ナオさん?…っていう方は私は解らないですけど…そうです。あの篠崎アンナさんがご卒業された専門学校なんですよ。それで私の通う専門学校の大先輩になります!』
雫ちゃんの説明の聞くところによると…その《水沢美容技術専門学校》というのは東京都内では2ヶ所、全国では他に分校が仙台市、京都府、福岡市にもあって…実は僕らの地元、藤浦市にも《水沢美容技術専門学校》の分校があるらしい。
『…んだけど、地元の専門学校じゃなくて、墨田区のほうの専門学校に通うの?』
『はい!だって私の憧れのアンナさんが学んで、卒業した専門学校なんですから!』
…なるほど。
雫ちゃんにとって、アンナさんは憧れの人なんだ…。
そう考えると…ちょっと感慨深いな。
そんなふうに、僕らが事務室入り口前でおしゃべりしていると…。
『どうだったんだろう…不安だな…』
…事務室から池田さんが、ソワソワというか少し落ち着き無さそうに出てきた。
『あっ、池田さん!紹介します。この子が先日話してた、金魚の《Kira♠︎mアイドルとのどっちが可愛いか勝負》の、お手伝いをしてくれる五十峯ちゃんです!』
『あの…初めまして。五十峯雫です!』
池田さんは、そう雫ちゃんを紹介した詩織をチラリと見て、そして次に雫ちゃんを見た。
『へぇそうなんだ…可愛い子だね』
…んん?あれ??
なんだかサッパリし過ぎてない…?
普段の池田さんなら『おわーぁ!可愛い!!』『いいねいいね!』『ねぇ君、アイドルとかに興味ある?』『うちの事務室はまだまだ新人募集中だよ!』…って、しつこいぐらいに結構ノリ良く反応してくれてるはずなのに…。
『おおっ、そろそろか?』
結局…全然僕らに興味がないかのように、小走りでエレベーターの方へと駆けていった…。
『あの…待っ、池田さん!』
『今日の池田さん…なんだかちょっと変じゃない…?』
…うん。少しというか…。
鈴ちゃんもそれに、気付いたみたい。
『あれ…えっ??』
池田さんに続くように、事務室から社員の皆さんがゾロゾロと出てきて、やっぱりエレベーターのほうへと向かっていく…?
その団体の中には、人事部長の高須賀あずささんの姿もあった。
『なに…?皆さんどうしたの…??』
『なんか、やっぱり変よね…!?』
僕らはすっかり、エレベーター前に集合した事務員さん達に視線と意識を奪われてた…。
『えっと…そ、そういえば詩織ちゃん達、お昼は食べたの?』
『あ…う、うん。お昼は美味しい、ちょっと高級感ある和食屋さんで。鈴ちゃんは?』
『私のお昼はね…』
詩織と鈴ちゃんが、そんな他愛もない話でその場の空気を取り戻そうとしてたとき…。
急にバタバタと騒ぎ出したあっちのエレベーター前のほうに、また意識が向いてしまった。
そんな様子をじーっと見てると…エレベーターの扉が開き、そして渡部取締役副社長と大槻専務取締役、それに松下諭さんという50代半ばの総務部部長と…冴嶋社長の若手美人秘書の津田朱莉さんも出てきた。
「副社長!どうだったんですか!?」
「大丈夫なんですか!大槻専務!」
「やっぱり東京から出ることになるんですか!?」
「期日延長はできたんですか!?」
「副社長!専務取締役!!」
…えっ?何何!?
集まった社員の黒い塊が、ゆっくりとこちらへと向かって来ながら、叫びにも似た色々な声を飛び交わせていた…。
様子が変…なんてもんじゃない!
今この芸能事務所に、何か大事件が起こってる…!?
ただ今の時刻…午後2時7分。
ロビーの受付カウンターに立つ若い女性が、詩織に向かって優雅に、胸元で小さく左手を振る。
『ただいまー。智果さーん』
そして詩織も、その綺麗なお姉さんに両手を振って返しながら、カウンター前へと歩み寄っていく。
何故か…智果さんと詩織はいつも『おかえり』『ただいまー』とか『行ってきまぁす』『いってらっしゃい』で挨拶する…。
時間に関係なく、朝でも『おかえり』『ただいま』だし。昼でも…夕方でも…。
『智果さん。今日はねー…』
詩織はそう言いながら、雫ちゃんを見た。
『…ご見学の子?』
『そう。だから入場許可証くださーい』
雫ちゃんは智果さんから《部外入場者記入表》への記入を求められ、氏名と住所、連絡先、入場理由などを…。
『…えっ、入場理由…?』
『雫ちゃん。ねぇ、ちょっと貸して』
『あっ、はい』
詩織は雫ちゃんに代わって《社内見学です。地元の先輩で所属タレントの岡本詩織さんと一緒に》と、入場理由欄に記入してあげた。
先輩…ってのは、詩織の虚辞記載だけど。
『…うん。これでオッケー…っと。智果さん、はいっ♪』
そして、その《部外入場者記入表》を智果さんへと差し出して返した。
『ねぇ詩織ちゃん。彼女…もしかして、この事務所からアイドルデビューを志望してる子だったり…?』
『んー。今は…まだナイショです♪』
詩織は智果さんから預かった入場許可証を、雫ちゃんの首に掛けてあげた。
『じゃ、行きましょ。雫ちゃん』
『はい』
僕ら3人、揃ってエレベーターへと向かって歩き出した。
『…ここは、どういう場所なんですか?』
5階に停まっているエレベーターが、1階へと下りてくるのを待っているあいだ、雫ちゃんが詩織にそう訊いた。
『うん。ここは私が所属してる芸能事務所よ。冴嶋プロダクションっていうの』
『そうなんですかー!凄いところなんですね!』
『凄い…かなぁ』
また可愛く笑い合った詩織と雫ちゃん。
『それとね、2階の事務室前で、雫ちゃんが大っ好きな人が待ってくれてるよぉ』
『えっ?私の…大好きな人?って誰ですか!?』
『きゃははは♪』
《♪ポーン》
待ってたエレベーターが、ようやく1階に到着。
さっそく僕らはエレベーターに乗り、2階の事務室へ…。
『…誰ですか?』
『うふふっ♪』
《2階です。ドアが開きます》
エレベーターの扉が開いた途端、雫ちゃんが僕らより先にエレベーターを出て、事務室へと向かって飛び出すように駆け出した。
どうしてかというと…雫ちゃんの大好きな人が、事務室の入り口前に立っていたのに気付いたから。
『わぁー!また会えたー!鈴ちゃーん!嬉しーい!大好きー♪』
『あはは。今日も可愛くて元気だね。こんにちは。雫ちゃん』
えぇと…そう。
鈴ちゃんと雫ちゃんは、去年末の《G.F.アワード》以来だから…まだそれから1ヶ月とちょっとしか経ってない。
そんなこんなで瞳をキラキラと輝かせている雫ちゃんは…今、鈴ちゃんと優しくハグをし合っていた。
『詩織ちゃんから聞いたんだけど…雫ちゃん、春から東京に来るの?』
『はい!』
金魚と詩織は慌てずエレベーターを出て…ようやく鈴ちゃんと雫ちゃんの元へ到着。
『就職で?』
『いえ。春から墨田区の…えぇと?…にある《水沢美容技術専門学校》に通うんです』
そんな雫ちゃんと鈴ちゃんとの会話を静かに聞いていた詩織が…突然、驚いた顔をした…?
『ねぇ、その…水沢美容専門学校とかって、私知ってるんだけど。アンナさんから聞いて…アンナさんとナオさんが通ってた都内の専門学校でしょ?』
えっ?
そうなの!?
『ナオさん?…っていう方は私は解らないですけど…そうです。あの篠崎アンナさんがご卒業された専門学校なんですよ。それで私の通う専門学校の大先輩になります!』
雫ちゃんの説明の聞くところによると…その《水沢美容技術専門学校》というのは東京都内では2ヶ所、全国では他に分校が仙台市、京都府、福岡市にもあって…実は僕らの地元、藤浦市にも《水沢美容技術専門学校》の分校があるらしい。
『…んだけど、地元の専門学校じゃなくて、墨田区のほうの専門学校に通うの?』
『はい!だって私の憧れのアンナさんが学んで、卒業した専門学校なんですから!』
…なるほど。
雫ちゃんにとって、アンナさんは憧れの人なんだ…。
そう考えると…ちょっと感慨深いな。
そんなふうに、僕らが事務室入り口前でおしゃべりしていると…。
『どうだったんだろう…不安だな…』
…事務室から池田さんが、ソワソワというか少し落ち着き無さそうに出てきた。
『あっ、池田さん!紹介します。この子が先日話してた、金魚の《Kira♠︎mアイドルとのどっちが可愛いか勝負》の、お手伝いをしてくれる五十峯ちゃんです!』
『あの…初めまして。五十峯雫です!』
池田さんは、そう雫ちゃんを紹介した詩織をチラリと見て、そして次に雫ちゃんを見た。
『へぇそうなんだ…可愛い子だね』
…んん?あれ??
なんだかサッパリし過ぎてない…?
普段の池田さんなら『おわーぁ!可愛い!!』『いいねいいね!』『ねぇ君、アイドルとかに興味ある?』『うちの事務室はまだまだ新人募集中だよ!』…って、しつこいぐらいに結構ノリ良く反応してくれてるはずなのに…。
『おおっ、そろそろか?』
結局…全然僕らに興味がないかのように、小走りでエレベーターの方へと駆けていった…。
『あの…待っ、池田さん!』
『今日の池田さん…なんだかちょっと変じゃない…?』
…うん。少しというか…。
鈴ちゃんもそれに、気付いたみたい。
『あれ…えっ??』
池田さんに続くように、事務室から社員の皆さんがゾロゾロと出てきて、やっぱりエレベーターのほうへと向かっていく…?
その団体の中には、人事部長の高須賀あずささんの姿もあった。
『なに…?皆さんどうしたの…??』
『なんか、やっぱり変よね…!?』
僕らはすっかり、エレベーター前に集合した事務員さん達に視線と意識を奪われてた…。
『えっと…そ、そういえば詩織ちゃん達、お昼は食べたの?』
『あ…う、うん。お昼は美味しい、ちょっと高級感ある和食屋さんで。鈴ちゃんは?』
『私のお昼はね…』
詩織と鈴ちゃんが、そんな他愛もない話でその場の空気を取り戻そうとしてたとき…。
急にバタバタと騒ぎ出したあっちのエレベーター前のほうに、また意識が向いてしまった。
そんな様子をじーっと見てると…エレベーターの扉が開き、そして渡部取締役副社長と大槻専務取締役、それに松下諭さんという50代半ばの総務部部長と…冴嶋社長の若手美人秘書の津田朱莉さんも出てきた。
「副社長!どうだったんですか!?」
「大丈夫なんですか!大槻専務!」
「やっぱり東京から出ることになるんですか!?」
「期日延長はできたんですか!?」
「副社長!専務取締役!!」
…えっ?何何!?
集まった社員の黒い塊が、ゆっくりとこちらへと向かって来ながら、叫びにも似た色々な声を飛び交わせていた…。
様子が変…なんてもんじゃない!
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