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G.F. - 夢追娘編 -
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…詩織の加入しているアイドルグループ《Peace prayer》のメンバー全員に、僕の女装した姿《池川金魚》をリアルで初披露したあの日、1月24日から…約1週間。
2月1日、木曜日…そう。
遂に2月がやって来たんだ。
池川金魚が《バレンタインフェス》開催の裏で、《Kira♠︎m》所属のアイドル達と、初めて対峙し決着する2月…。
岡本詩織が一旦アイドルの道から離れ、詩織自身の夢だった女優への道へと、本格的に歩み出す2月…。
そしてあの件以来、僕ら2人の運命が…大きく一変してしまう…2月。
この1月の最後の1週間に、色々なことがあったんだ。
本当に色々ありすぎて、何から話せばいいのか…。
そんな時は、僕はよくこう言われた。
『だったら、時系列順で話したら?』って…。
うん、まぁ…そうだね。
じゃあ…。
まずは1月25日の水曜日。それは午後1時頃のこと。
僕は《これを最優先に急がなきゃ!》って思って…。
詩織も僕も大好きな、アンナファミリーのメンバーの1人…鈴木秋良さんに電話したんだ。
プルルルル…プルルルル。
秋良さん?秋良さーん…なかなか出てくれない…。
プルルルル…プルル!
「おぉ。信吾か?」
『はい!信吾です』
「おぉ、それでどうなんだ?そっちでの芸能活動は上手くいってんのか?」
『はい。まぁまぁって感じです』
「そうか。まぁまぁ…か。詩織も元気か?」
『はい。詩織は凄く元気です』
「そりゃあ良かった。で…だったらなんで俺に電話してきたんだ…?」
『あ…はい。実は…秋良さんや啓介さんに、ちょっとしたご相談事がありまして…』
「?」
僕は《金魚の冬服を少し送ってもらえませんか?》ということと《2月11日のバレンタインフェスで、金魚が着る服のことをご相談したいんです》と、それらを秋良さんに相談…してみた。
「バレンタインフェス…って何だ?」
『あ!ですね…』
僕は、多くのアイドルグループが集まる《バレンタインフェス》についてを、簡単に秋良さんに説明した…。
「金魚も出るのか?そのフェスに」
『いえ…その、出ないんですけど…フェスの裏舞台で勝負があるんです…』
「…裏舞台で勝負?って何だよ」
僕は今度は《とあるアイドルグループと、可愛さを賭けた勝負がある》ことを更に説明した…。
「そうか。藤浦で一番獲って終わったかと思ったら、今度はそっちで現役アイドルと勝負かよ」
『あの…はい…』
「つーか金魚もやるなぁ!わははははー」
『…。』
…秋良さんは、しばらく電話の向こうで笑ってた…。
そして「早く芸能界でNo. 1獲れよ!」って…秋良さんにそう言われた…。
「お前は本当に何処へ行っても、可愛さ勝負の勝負勝負!勝負だらけで大変だな!」
『はい…』
「…よし。んじゃ言ってみろよ。どんな服が欲しいんだ?つか、どんな服があれば勝てるんだ?」
『ありがとうございます。で…服については…欲しいイメージをご指定してもいいんですか?』
「あぁ。だからとりあえず言ってみろって」
『はい』
僕は、海音さんがイメージした《普段着ぽいんだけど『あ…可愛い』って女の子が一目で感じちゃうような可愛い服》であることと、それとイメージは《フード付きパーカーとロングっぽいスカート、それと黒系のブーツの組み合わせ》であることを、秋良さんに伝えた。
「普段着ぽい…けど、小娘らが一目で惹かれるようなクッソ可愛い服を…ってか?」
『…はい』
「そうか。じゃあ…あとパーカーとスカートのデザインとか色の指定は?」
『えっ?…デザインと色の指定!?…ですか…』
「それと、いつまでに作ればいい?」
『あっ、あの…あの…えぇと…』
秋良さんに、フェスの開催日についてだけは伝えられた。その日までに間に合えば…って。
でも…デザインとか色とかについては…秋良さん達にお任せした。
僕にそんな難しいことを訊かれても…無理でした。すみません…。
「ふぅん…解った。あとは俺らに任せとけ」
『…はい』
「信吾…つか金魚が絶対に現役アイドルにも勝てる《勝負普段着》…ってやつを、バッチリ俺らが作ってやるから。待ってな!」
『ありがとうございます…!』
…助かったぁ。
これで、また一つ勝機に一歩近づけた。
秋良さん、ありがとうございます!
「じゃあ…事は序でだ…」
…えっ?序で…?
「今度は信吾が、俺からの頼みをひとつ聞いてくれないか?」
『秋良さんからの頼み…ですか?』
「あー。そうだ。けどそんな難しい事じゃないから…頼む。まずは聞いてくれ」
『ぁ…はい』
今度は逆に、秋良さんからの頼み事…それは。
「2月17日の土曜日なんだけどな…早瀬ヶ池に戻って来れないか?」
…2月17日?何かあるんですか?
そう秋良さんに訊くと…!
『秋良さんの…お店の開店日なんですか!』
「あぁ。開店の初日なんだ。それで詩織と店を見に遊びに来てくれよ」
『もちろんです。冴嶋事務所に相談して、行けるように予定を調整してみます!』
服を用意してくれることへのお礼返しなんだから、こんな秋良さんのお願いぐらい、聞いてあげないと。
「あぁ。期待してるぜ!」
『はい!』
「それと…店に来る時間は、当日の3日前くらいまでには決めて教えてくれ」
『わかりました。』
「あと…これは絶対で頼む。金魚の格好で来てくれ」
『えっ?あ…はい』
なんか…注文が多いような気がする?けど…まぁいいや。
秋良さんには感謝感謝。
いつも金魚の可愛い服をご提供…ありがとうございます。
最後に…詩織から聞いた《春華さんのご懐妊の話》を秋良さんに伝えて、『おめでとうございます』と、お祝いの一言も添えた。
『今日は…本当にありがとうございました。僕の無理なお願いを聞いてもらえて…』
「んな事気にすんなって。それより今日は久しぶりの電話ありがとうな、信吾。こっちも助かったぜ」
『…?』
…こうして、秋良さんとの電話は終わって…。
じゃあ、次の出来事を話そうかな。
次の出来事は…同じ25日の夕方4時30分頃のこと。
続いてアンナさんに《ポニーテールのウィッグ》について、相談したくて電話したんだ…。
2月1日、木曜日…そう。
遂に2月がやって来たんだ。
池川金魚が《バレンタインフェス》開催の裏で、《Kira♠︎m》所属のアイドル達と、初めて対峙し決着する2月…。
岡本詩織が一旦アイドルの道から離れ、詩織自身の夢だった女優への道へと、本格的に歩み出す2月…。
そしてあの件以来、僕ら2人の運命が…大きく一変してしまう…2月。
この1月の最後の1週間に、色々なことがあったんだ。
本当に色々ありすぎて、何から話せばいいのか…。
そんな時は、僕はよくこう言われた。
『だったら、時系列順で話したら?』って…。
うん、まぁ…そうだね。
じゃあ…。
まずは1月25日の水曜日。それは午後1時頃のこと。
僕は《これを最優先に急がなきゃ!》って思って…。
詩織も僕も大好きな、アンナファミリーのメンバーの1人…鈴木秋良さんに電話したんだ。
プルルルル…プルルルル。
秋良さん?秋良さーん…なかなか出てくれない…。
プルルルル…プルル!
「おぉ。信吾か?」
『はい!信吾です』
「おぉ、それでどうなんだ?そっちでの芸能活動は上手くいってんのか?」
『はい。まぁまぁって感じです』
「そうか。まぁまぁ…か。詩織も元気か?」
『はい。詩織は凄く元気です』
「そりゃあ良かった。で…だったらなんで俺に電話してきたんだ…?」
『あ…はい。実は…秋良さんや啓介さんに、ちょっとしたご相談事がありまして…』
「?」
僕は《金魚の冬服を少し送ってもらえませんか?》ということと《2月11日のバレンタインフェスで、金魚が着る服のことをご相談したいんです》と、それらを秋良さんに相談…してみた。
「バレンタインフェス…って何だ?」
『あ!ですね…』
僕は、多くのアイドルグループが集まる《バレンタインフェス》についてを、簡単に秋良さんに説明した…。
「金魚も出るのか?そのフェスに」
『いえ…その、出ないんですけど…フェスの裏舞台で勝負があるんです…』
「…裏舞台で勝負?って何だよ」
僕は今度は《とあるアイドルグループと、可愛さを賭けた勝負がある》ことを更に説明した…。
「そうか。藤浦で一番獲って終わったかと思ったら、今度はそっちで現役アイドルと勝負かよ」
『あの…はい…』
「つーか金魚もやるなぁ!わははははー」
『…。』
…秋良さんは、しばらく電話の向こうで笑ってた…。
そして「早く芸能界でNo. 1獲れよ!」って…秋良さんにそう言われた…。
「お前は本当に何処へ行っても、可愛さ勝負の勝負勝負!勝負だらけで大変だな!」
『はい…』
「…よし。んじゃ言ってみろよ。どんな服が欲しいんだ?つか、どんな服があれば勝てるんだ?」
『ありがとうございます。で…服については…欲しいイメージをご指定してもいいんですか?』
「あぁ。だからとりあえず言ってみろって」
『はい』
僕は、海音さんがイメージした《普段着ぽいんだけど『あ…可愛い』って女の子が一目で感じちゃうような可愛い服》であることと、それとイメージは《フード付きパーカーとロングっぽいスカート、それと黒系のブーツの組み合わせ》であることを、秋良さんに伝えた。
「普段着ぽい…けど、小娘らが一目で惹かれるようなクッソ可愛い服を…ってか?」
『…はい』
「そうか。じゃあ…あとパーカーとスカートのデザインとか色の指定は?」
『えっ?…デザインと色の指定!?…ですか…』
「それと、いつまでに作ればいい?」
『あっ、あの…あの…えぇと…』
秋良さんに、フェスの開催日についてだけは伝えられた。その日までに間に合えば…って。
でも…デザインとか色とかについては…秋良さん達にお任せした。
僕にそんな難しいことを訊かれても…無理でした。すみません…。
「ふぅん…解った。あとは俺らに任せとけ」
『…はい』
「信吾…つか金魚が絶対に現役アイドルにも勝てる《勝負普段着》…ってやつを、バッチリ俺らが作ってやるから。待ってな!」
『ありがとうございます…!』
…助かったぁ。
これで、また一つ勝機に一歩近づけた。
秋良さん、ありがとうございます!
「じゃあ…事は序でだ…」
…えっ?序で…?
「今度は信吾が、俺からの頼みをひとつ聞いてくれないか?」
『秋良さんからの頼み…ですか?』
「あー。そうだ。けどそんな難しい事じゃないから…頼む。まずは聞いてくれ」
『ぁ…はい』
今度は逆に、秋良さんからの頼み事…それは。
「2月17日の土曜日なんだけどな…早瀬ヶ池に戻って来れないか?」
…2月17日?何かあるんですか?
そう秋良さんに訊くと…!
『秋良さんの…お店の開店日なんですか!』
「あぁ。開店の初日なんだ。それで詩織と店を見に遊びに来てくれよ」
『もちろんです。冴嶋事務所に相談して、行けるように予定を調整してみます!』
服を用意してくれることへのお礼返しなんだから、こんな秋良さんのお願いぐらい、聞いてあげないと。
「あぁ。期待してるぜ!」
『はい!』
「それと…店に来る時間は、当日の3日前くらいまでには決めて教えてくれ」
『わかりました。』
「あと…これは絶対で頼む。金魚の格好で来てくれ」
『えっ?あ…はい』
なんか…注文が多いような気がする?けど…まぁいいや。
秋良さんには感謝感謝。
いつも金魚の可愛い服をご提供…ありがとうございます。
最後に…詩織から聞いた《春華さんのご懐妊の話》を秋良さんに伝えて、『おめでとうございます』と、お祝いの一言も添えた。
『今日は…本当にありがとうございました。僕の無理なお願いを聞いてもらえて…』
「んな事気にすんなって。それより今日は久しぶりの電話ありがとうな、信吾。こっちも助かったぜ」
『…?』
…こうして、秋良さんとの電話は終わって…。
じゃあ、次の出来事を話そうかな。
次の出来事は…同じ25日の夕方4時30分頃のこと。
続いてアンナさんに《ポニーテールのウィッグ》について、相談したくて電話したんだ…。
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