G.F. -ゴールドフイッシュ-

木乃伊(元 ISAM-t)

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G.F. - 再始動編 -

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『あと、来てないのは…?』


僕らにそう訊いた秋良さんに…。


『うん。あとは鈴ちゃんと…啓介くんと、例のだよね』


そう教えて返した春華さん。
ちなみに雄二さんは、今年の新年もまた、フランスの某都市で迎えるんだとか。




それと…そう。それと僕は気付いてしまった…。
《飛び入り参加の子》が誰なのかを…。


『ねぇ詩織。今日の初詣、飛び入り参加する女の子がいるって聞いたんだけど…誰だか知ってる?』


詩織は『え?えぇ?』なんて、バレバレの演技をしたあと…。


『うーん。誰かなぁ』


怪しい笑みを浮かべながら、そう僕に言って返した。

詩織のその表情…そしてその言い方。
それは『実は知ってるよん。だけど金魚には教えなーい』って言ってるようなもん…。


『僕の知ってる子かなぁ…?』

『うーん。どうだろうね』


まだ嘘の演技を続けるか!詩織!
本当は知ってるくせに!


『金魚の、その可愛らしい唇に訊いてみれば?案外覚えてるかもよ?…うふふふっ♪』

『…。』


…僕にヒントを与えたつもりでいるんだろうか…。
僕の唇に訊いてみれば…。

うわぁぁ…。
その言葉に、僕の体はまたブルッと震えた。

やっぱりかぁ…。
もう絶対に間違いなさそう…。


『僕、あいつ苦手なんだけど…』

『あらら?《飛び入り参加の子》が誰だか解っちゃった??』


可愛いらしく『解っちゃったぁ?』じゃあないよ!
この《今年もやっぱり小悪魔な詩織♪》がぁ!


『あっ、ほら来たよ!啓介くんの車!』


啓介さんの車は、駐車する歩美さんの車の空いてるほうの隣に停まった。
これで、左から《啓介さんの車》《歩美さんの車》《アンナさんの車》《秋良さんの車》と、4台が横一列に駐車し並んだ。



啓介さんが、運転席から降りて出てくる。そして余裕をもって助手席へと向かい、ドアを開けて上げた。


『どうも。ありがとう』


啓介さんの車の助手席から出てきたのは…飛び入り参加の子…樋口絵里佳!


『…あっ。姫さま。明けましておめでとう』 

『明けましておめでとう…』


僕にお辞儀をして見せる、樋口絵里佳。





…そうなんだ。
詩織と春華さんがアンナファミリーが元旦に初詣をすること…その場所は岸鉾神社の駐車場であること…集合時間は午前8時であること…そんなことを《カラフル》に書き込んだもんだから、それを一番最初に見付けて『わ、私もアンナファミリーの初詣に参加したい!』って…なったんだと思う…。

だって管理人なんだから…《カラフル》の。
そしてどういう流れからか、アンナファミリーの初詣の参加を許された…と。


『あっ、その振り袖…!』


樋口の着ている赤い振り袖に見覚えが…ってそれ、去年の初詣に金魚ぼくが着てた振り袖じゃん!


『なに?私、初詣で着たかったから。姫さま色の振り袖』


詩織が僕と見あって苦笑する。


『ちなみに、金魚が着てるその緑色の振り袖は、去年私が着てたやつ』

『そ、そうなんだ…』


今度は樋口は、少し照れくさそうに僕に言った。


『成人式…これ着て行こうかなって思ってる』


そう。僕も詩織も樋口絵里佳も、今年は成人式を迎えるんだ。


『わははは。お前もその振り袖で行ったらどうだ?成人式。女子に《可愛い!》ってモテるぞ?』


秋良さんが、僕を見てそう言った。


『着て行かないですよ!』

『そうか?そりゃ残念だな。わははは』


僕は成人式には、スーツを着て行く予定。




…そんな僕らの様子を、スマホやiPhoneをこっちに向けて撮影していた瀬ヶ池の女の子たち。
写真?いや、動画だと思う。


『こんなに、たくさんの女の子たちから注目されて囲まれて見られてるなんて…気持ちいいねー♪』


集まった50人以上の女の子たちをぐるっと見回し、心地良さそうな笑顔でうーんと背伸びをした詩織。
詩織は本当にずっと変わらない。《注目され話題になるのが大好き!気持ちいい!》っていう、その芸能人的体質。
























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