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G.F. - 再始動編 -
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驚く僕を見て、あははと笑ってたYOSHIKAさん。
『…って、あの池田さんって人が言ってたの!あはははは』
くっ…池田さんっ!
い、池田さん…他に何か変なこと…YOSHIKAさんに言ってないですよね…!?
『っていうか、どっちかって言うと中性的な顔立ちだよね。信吾くんの顔って』
『あの!池田さんは…他には何か言ってませんでしたか…?』
『あー。そういえば…』
…そ、そういえば…?
僕は息を呑んで…YOSHIKAさんの次の言葉を待った。
『夕方に色紙とサインペン買ってまた来ますんで、サインお願いしまーすって…あの池田って人』
…は?
そう言って、にこにこウンウンしているYOSHIKAさん。
…だけで済んだと僕は思ってた…。
『ねぇ!ディナーの行き先は、私が決めてもいい?』
僕もスタッフさん全員も池田さんも『どうぞどうぞ』と、YOSHIKAさんに《ディナー行き先選択権》を無条件で譲渡した。
『じゃあ行こーう!行けるスタッフさんはみんな、付いてきてー!』
そうYOSHIKAさんが言ったすぐに、雄二さんは『俺は冴嶋芸能事務所に用があるから、俺はここで失礼』と、一人帰っていった。
スタッフさんも、なかには『これから事務所で編集』と言って帰っていく人もいた。
『あの…待っ!』って僕が雄二さんに言いかけると、池田さんが『僕がいるから。大丈夫大丈夫』って…。
YOSHIKAさんに連れられ僕らが入ったのは…新宿区内某所の居酒屋さん。それも《高級》とかじゃなくて、本当に《庶民的》って感じの。
注文するものも《焼き鳥》とか《牛タンの煮込み》とか《鯖の塩焼き》とか《おでん》とか。
綺麗なモデルさんであるYOSHIKAさんの見た目のイメージからすると…僕は高級パスタ屋さんとかだと想像してたんだけど…全然違った。
しかもYOSHIKAさんが注文した呑み物は…いわゆる《ビールの生中》。テーブルにドーン!!
『じゃあ、みんな揃って…いっただきまーす♪』
『…ねぇ、なに見てんの?』
ちょっと酔っぱらいはじめた?YOSHIKAさん。
『あ、あの…いえ。冬でもビールって飲』
『バカぁ言わないで!冬だってビールは美味しいのよ!』
『そうだぞぉ!僕も飲んでますよ。YOSHIKAさん…』
『いぇーい♪飲も飲も♪』
…池田さんもビールを飲んでる…。
アルコール類はあんまり得意じゃない、って言ってたくせに…。
『あー、あ、あの…YOSHIKAさんって本名なんですか?』
僕は誤魔化すように、そっと話題を変えてみた。
『ん?えっとね…《佳》の《華》って書いて《佳華》。永野佳華…本名♪』
『そ、そうなんですか…本名だったんですね』
まだ、僕をジーッと見てるYOSHIKAさん。
『…で?信吾くんはいつから女装してるんだっけ…?』
…女装!!
『えぇっ!?ど、どこでそれを…!』
突然の、YOSHIKAさんから出た衝撃発言…!
『そうだぞ岩塚ぁ…君の藤浦市での、ぶっ…武勇伝をバシッと言ってやれ…!』
…やっぱりこの人か…。
『い…池田さん!!それ言っちゃいけない《社外秘》だったはずですよ!』
するとYOSHIKAさんが、急に畏まって池田さんに頭を下げた。
『うちの弟が、いつも大変お世話になってます』
『おっ?こちらこそ…お世話させてもらってまって…ますけど?』
…ってか、この酔っぱらい池田さんが…。
いつYOSHIKAさんに、僕の《女装》のことを言ったんですか!!
『それが…すっごい可愛いんっすよ…こいつの女装姿…ね。YOSHIKAさん』
『えっ?そうなの!?見たーい!信吾ちゃんの女の子姿ぁー♡』
『おぅ!そうだぞぉ!YOSHIKAさんがそう言ってるんだ!だから岩塚ぁ…分かってるだろうなぁ…!』
…そして《明日》っていう変な約束を、無理やり取り付けられたけど…。
池田さんが泥酔してるのはもちろんのこと、YOSHIKAさんも酔っぱらってそうだから…。
たぶん、明日の朝には記憶も飛んで全部忘れてるはず…って勘繰って、僕はその時は少しだけ安心。
『YOSHIKAさんは私たちが責任を持って、ご自宅まで送っていきます。だから安心してください』
…そうなんだ。
YOSHIKAさんは、新宿区内某所の高級タワマンに住んでいるらしい。
そしてあの若い女性スタッフさん達が、YOSHIKAさんを送っていくことになった。
池田さんは、自分でタクシーを拾って帰っていった…けど大丈夫かな?
じゃあ、僕も安心して帰ろう…。
…朝の5時…外はまだ真っ暗。
スマホの受信音に起こされた…誰?こんな時間に…?
LINE?…えっ、何で!?
【YOSHIKA {今日は楽しみー♪)】
【YOSHIKA {女の子女の子して来てくれたら、お小遣い3万円あげちゃうよォ♡)】
【YOSHIKA {でも…して来てくれなかったら…ランチは超高級黒毛和牛の極上サーロインステーキ…信吾くんの奢りだから…ね…わかるよね?)】
ちょっ、超高級黒毛和牛…奢り…!!
ひぃぃぃいぃ…!!
YOSHIKAさん、あ…あの約束…お、覚えてたぁぁー!!
…あぁ。
『…って、あの池田さんって人が言ってたの!あはははは』
くっ…池田さんっ!
い、池田さん…他に何か変なこと…YOSHIKAさんに言ってないですよね…!?
『っていうか、どっちかって言うと中性的な顔立ちだよね。信吾くんの顔って』
『あの!池田さんは…他には何か言ってませんでしたか…?』
『あー。そういえば…』
…そ、そういえば…?
僕は息を呑んで…YOSHIKAさんの次の言葉を待った。
『夕方に色紙とサインペン買ってまた来ますんで、サインお願いしまーすって…あの池田って人』
…は?
そう言って、にこにこウンウンしているYOSHIKAさん。
…だけで済んだと僕は思ってた…。
『ねぇ!ディナーの行き先は、私が決めてもいい?』
僕もスタッフさん全員も池田さんも『どうぞどうぞ』と、YOSHIKAさんに《ディナー行き先選択権》を無条件で譲渡した。
『じゃあ行こーう!行けるスタッフさんはみんな、付いてきてー!』
そうYOSHIKAさんが言ったすぐに、雄二さんは『俺は冴嶋芸能事務所に用があるから、俺はここで失礼』と、一人帰っていった。
スタッフさんも、なかには『これから事務所で編集』と言って帰っていく人もいた。
『あの…待っ!』って僕が雄二さんに言いかけると、池田さんが『僕がいるから。大丈夫大丈夫』って…。
YOSHIKAさんに連れられ僕らが入ったのは…新宿区内某所の居酒屋さん。それも《高級》とかじゃなくて、本当に《庶民的》って感じの。
注文するものも《焼き鳥》とか《牛タンの煮込み》とか《鯖の塩焼き》とか《おでん》とか。
綺麗なモデルさんであるYOSHIKAさんの見た目のイメージからすると…僕は高級パスタ屋さんとかだと想像してたんだけど…全然違った。
しかもYOSHIKAさんが注文した呑み物は…いわゆる《ビールの生中》。テーブルにドーン!!
『じゃあ、みんな揃って…いっただきまーす♪』
『…ねぇ、なに見てんの?』
ちょっと酔っぱらいはじめた?YOSHIKAさん。
『あ、あの…いえ。冬でもビールって飲』
『バカぁ言わないで!冬だってビールは美味しいのよ!』
『そうだぞぉ!僕も飲んでますよ。YOSHIKAさん…』
『いぇーい♪飲も飲も♪』
…池田さんもビールを飲んでる…。
アルコール類はあんまり得意じゃない、って言ってたくせに…。
『あー、あ、あの…YOSHIKAさんって本名なんですか?』
僕は誤魔化すように、そっと話題を変えてみた。
『ん?えっとね…《佳》の《華》って書いて《佳華》。永野佳華…本名♪』
『そ、そうなんですか…本名だったんですね』
まだ、僕をジーッと見てるYOSHIKAさん。
『…で?信吾くんはいつから女装してるんだっけ…?』
…女装!!
『えぇっ!?ど、どこでそれを…!』
突然の、YOSHIKAさんから出た衝撃発言…!
『そうだぞ岩塚ぁ…君の藤浦市での、ぶっ…武勇伝をバシッと言ってやれ…!』
…やっぱりこの人か…。
『い…池田さん!!それ言っちゃいけない《社外秘》だったはずですよ!』
するとYOSHIKAさんが、急に畏まって池田さんに頭を下げた。
『うちの弟が、いつも大変お世話になってます』
『おっ?こちらこそ…お世話させてもらってまって…ますけど?』
…ってか、この酔っぱらい池田さんが…。
いつYOSHIKAさんに、僕の《女装》のことを言ったんですか!!
『それが…すっごい可愛いんっすよ…こいつの女装姿…ね。YOSHIKAさん』
『えっ?そうなの!?見たーい!信吾ちゃんの女の子姿ぁー♡』
『おぅ!そうだぞぉ!YOSHIKAさんがそう言ってるんだ!だから岩塚ぁ…分かってるだろうなぁ…!』
…そして《明日》っていう変な約束を、無理やり取り付けられたけど…。
池田さんが泥酔してるのはもちろんのこと、YOSHIKAさんも酔っぱらってそうだから…。
たぶん、明日の朝には記憶も飛んで全部忘れてるはず…って勘繰って、僕はその時は少しだけ安心。
『YOSHIKAさんは私たちが責任を持って、ご自宅まで送っていきます。だから安心してください』
…そうなんだ。
YOSHIKAさんは、新宿区内某所の高級タワマンに住んでいるらしい。
そしてあの若い女性スタッフさん達が、YOSHIKAさんを送っていくことになった。
池田さんは、自分でタクシーを拾って帰っていった…けど大丈夫かな?
じゃあ、僕も安心して帰ろう…。
…朝の5時…外はまだ真っ暗。
スマホの受信音に起こされた…誰?こんな時間に…?
LINE?…えっ、何で!?
【YOSHIKA {今日は楽しみー♪)】
【YOSHIKA {女の子女の子して来てくれたら、お小遣い3万円あげちゃうよォ♡)】
【YOSHIKA {でも…して来てくれなかったら…ランチは超高級黒毛和牛の極上サーロインステーキ…信吾くんの奢りだから…ね…わかるよね?)】
ちょっ、超高級黒毛和牛…奢り…!!
ひぃぃぃいぃ…!!
YOSHIKAさん、あ…あの約束…お、覚えてたぁぁー!!
…あぁ。
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