G.F. -ゴールドフイッシュ-

木乃伊(元 ISAM-t)

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G.F. - 再始動編 -

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今日の撮影の《ドレス姿のYOSHIKAさんの撮影》が済んで、時刻は午後4時ちょうどになっていた。

…って?前半って何!?


『では一旦休憩に入りまーす。YOSHIKAさんの着替え、お化粧直しなどを含め、次の撮影再開は午後5時30分からにしまーす』


女性スタッフの声が部屋中に響いた。


『私、下のカフェスィーツ店に行って、人数分のケーキと飲み物買ってきます!』

『じゃあ僕も一緒に行きます』


そう言って部屋から出ていく、他の女性スタッフさんと若い男性スタッフさん。
確かに…カフェスィーツ店が2階にあったのを見た気がする。







休憩のあいだ、僕はこのたくさんのスタッフさんに褒められた。
ドレスや髪型作りもそうだけど、化粧だって大事。
それの良し悪しによって、モデルの良さを十分引き出せるかが決まるんだから。
だから、それをやり遂げられた君は、モデルのYOSHIKAさんについで今日の準主役だったり?…って。


『皆の言うとおりだ。自信と誇りを持ってもいいぞ。信吾』


YOSHIKAさんが僕を《奇跡》と言ってくれたのもそうだけど…今の雄二さんのその言葉も、今日一番で嬉しかった…かも。

この高級ホテルの最上階の部屋で、スタッフ全員で揃ってケーキを食べたあと、YOSHIKAさんはスタイリストさんと一緒に、下の階のさっきの控え室へ。
先に次の衣装に着替えるために移動だって。

それから20分ほどして、掛かってきたiPhoneの電話に対応していた女性スタッフが、僕に声をかけてきた。


『YOSHIKAさんの次の衣装の着替えが済んだということですので、私に付いて控え室まで来てください』

『あ…はい。行きます』


女性スタッフと一緒に、僕は部屋を出た。

さぁ…次はどんな衣装?
どういうメイクを求められるんだろう…。







…僕のメイクとヘアメイクさんのお仕事も終わって、YOSHIKAさんの準備は完了。

次のYOSHIKAさんの衣装は…正統派な《クラシカルメイド服》。
メイドカフェの女の子とかが着てるメイド服とは全然違う。高級感や優雅ささえ感じられるような、本格的なメイド衣装。

それに合わせて、今度のメイクは僕の得意な《割とすっぴんに近いような薄め&可愛い系ナチュラルメイク》。

午後5時27分。最上階のこの高級部屋に戻ってきたYOSHIKAさんは、喜び叫ぶように言った。


『うわーぁ。すっかりクリスマスで溢れる素敵な部屋だぁ!綺麗…』


部屋の中はクリスマス一色にイメージチェンジされていた。

高さ2.3mの豪華な本物のクリスマスツリー…東京の夜景が見える大きな4つの窓には、大小様々な星型のストリングライトの飾り付け…向こうの壁には《MERY☆CHRISTMAS》や様々な電飾で彩られた壁飾り…あの真白いグランドピアノの足元には、たくさん積まれたクリスマスのプレゼントの箱や、白と赤の2匹の大きなテディベア…高級テーブルの上には、まるで本物に見える七面鳥の丸焼きと…こっちは本物らしい高級シャンパン。それと3本の蝋燭ろうそくの灯ったお高そうな金の燭台…。

YOSHIKAさんが次の準備に行っているあいだに、ホテルのスタッフさんにもお手伝いいただいて、ササっとこのクリスマス仕様の部屋にアレンジしたんだとか。


『では、撮影を始めようか』


監督さんがそう言い、YOSHIKAさんに指示を出す。監督さんの語る撮影イメージは《出掛けているご主人様とその家族のために、部屋のクリスマスの飾り付けをする美人メイド》だとか…って、何このイメージ。

小さな踏み台に上って、ツリーにの飾り付けをしているメイドさんとか…白と赤のテディベアをギュッと胸に抱いて、そっぽ向いて《どこに置こう…この熊ちゃん…》って可愛らしく考えてるってイメージらしいメイドさんとか…燭台の蝋燭に火を着けているメイドさんとか…紅茶を淹れて椅子に座り、ちょっとお先に休憩をしているメイドさんとか…。

初めは『変なイメージ…』って思ったけど、雄二さんが撮影したその写真データを一旦スタンド付きモニターに転送して、スタッフ全員で見てみると…別に変じゃない。写真には、本当に綺麗な美人メイドさんの姿が。

なかなか完成度も高く、さまになっていた。
あとは編集スタッフさんにお任せして、クリスマスらしく柔らかくフィルタリングすることで、この《メイドYOSHIKAさん》の写真らは完成するんだとか。

さすがモデル撮影のプロ集団!
ちょっと変なイメージだって全然変じゃなくなる!って凄い!
























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