G.F. -ゴールドフイッシュ-

木乃伊(元 ISAM-t)

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G.F. - 再始動編 -

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女優とアイドルとの違い…。
女優になるより、アイドルしてたほうが安全…。

女優に憧れる詩織に、それの現実を聞かされたような感覚だった。
メンバーの子たちはウンウンと頷いていたけど、詩織は反応できず困惑する表情が一瞬あった。


『ごめん。遅くなったね』


この変なタイミングで、西村さんと山本さん、和田先生が戻ってきた。


『ちょっと早いけど、みんなでご飯を食べに行こう。そのあとはダンスのレッスンはいいから、次は歌のレッスンだ』


詩織を除いた他のメンバーは全員『はーい』と返事。


『詩織ちゃんは、今日はレッスン風景を見学』

『はい。わかりました』


詩織が少しだけニコリと笑って返答。
西村さんほ明るい笑顔で、ウンと頷いて詩織に返した。


『それと明日の1日はメンバー全員で揃って、一通りレッスンを受けてもらう』

『はい』

『それと日曜日を挟んで、月曜日からは、5日間の《タレント養成スクール体験入学》』


今日は11月の第4金曜日だから…明日の土曜日は詩織はメンバーとレッスン…。
それで日曜日を挟んで月曜日から金曜日まで、詩織はタレント養成スクールの体験入学…か。

じゃあ、詩織が養成スクールから戻ってくるその日は…12月1日の金曜日。

…ん?
そのあいだ、僕はどうすれば?
やっぱり詩織の付き人として、詩織と一緒に…?

なんて一人考えにふけっていた頃、詩織は西村さんと山本さんから、その養成スクールでのスケジュールの話を聞いていた。


『…それじゃ、次は岩塚くんなんだけど』

『あ、はい!』


僕は山本さんを見た。


『あなたは明日の1日は、詩織ちゃんと一緒にここに来てあげて』

『はい』

『そして、詩織ちゃんがタレント養成スクールに行っているあいだは…』


…!

僕は詩織と別行動。の撮影のメイクサポートとして、付き添い同行することになるらしい。









…あれから3日後。今日は12月第1土曜日。

昨日は山本さんから指示されたとおり、僕と詩織だけで目黒区の堀内芸能事務所まで来て、僕は詩織とメンバーとの歌と発声のレッスン、ダンスのレッスン、体力作りのランニングやトレーニングなどを一通り見学してた。



午前9時38分。始まるのは午前10時の予定…。
僕は冴嶋プロダクションの3階…先日使っていた会議室にいた。

会議室の扉は開いていた。
まだ誰も来てない。僕一人。
詩織は午前8時30分頃に山本さんの車で、神奈川県某所にあるタレント養成スクールへ送ってもらうって言ってたから…今頃は…うん。何してるのかな?





午前9時45分になって人事部の池田孝良さんと、その上司の高須賀あずさ人事部長…それと冴嶋美智子社長が会議室へ入ってきた。
会議室の扉は、今も開いたまま。


『おはよう。岩塚信吾くん』

『おはようございます。冴嶋社長』


今日は口の字に配置されている白い長机。冴嶋社長は上座の真ん中に、そして社長を挟むように、隣それぞれに池田さんと高須賀人事部長が着座した。

僕は上座から見て左方に並ぶ長机の、割と社長や池田さんたちの近いところへ、少し席を空けて座った。


『あとは…彼が来れば全員揃うわね』


冴嶋社長のその言葉に僕と池田さんは頷いたが、高須賀人事部長は…。


『あの、社長。これで全員ではないんですか?彼って誰のことを…』


まるでタイミングぴったりに、そのは、会議室の入り口に現れた。


『失礼します。冴嶋美智子社長…お久しぶりです』


全員が彼を見た。


『えっ、うそ…中澤雄二さん…!』


会議室の中へと雄二さんが二歩三歩と進むと同時に、高須賀人事部長は慌てて立ち上がり、雄二さんの元へと小走りに駆け出した。

雄二さんの目の前に来て、しばらく話す言葉を失っていた高須賀人事部長。


『…ねぇ、なんでずっと連絡も無かったんですか!中澤さん…!』

『元気そうだな。あずさ』


高須賀人事部長が雄二さんの右手を両手で優しく包み、自身の胸元へとゆっくりと運ぶ。


『私ずっと、ちゃんと謝りたかったの…雄二さんに会いたかったんです!会って…』

『あぁ…悪かった。反省してる。俺も解ってるさ、今のあずさの気持ち』


























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