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G.F. - 再始動編 -

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【岡本詩織】


…12月月29日のお昼下がりのただ今、信吾がご実家の自分の部屋で回想している最中ですが、ここからちょっとだけ私…岡本詩織が、信吾の回想の中にお邪魔して、信吾に変わりましてお話ししていきます。

信吾がために、初見面談しているこの会議室から出て行っちゃって、そのあと一人残っちゃった私に何があって、何を話してたとか。信吾は知らないから。

えっ?今私、何か言っちゃダメなこと言ったの?
金魚に変身して再登場すること?
あとで信吾が話す予定だった…えっ?きゃははは。言っちゃったー。ごめんなさーい。

でもまぁ大丈夫です。
「no problem♪」です。
なのでこのままお話しを続けます。







信吾が椅子から立ち上がって、会議室を出て行っちゃったとき、私は振り返らずに『えぇ?このタイミングで?それで私一人になっちゃうの!?』って、頭の中でそう思ったんですが、すぐに『大丈夫よ私。小さく深呼吸して落ち着こっ』って自分に言い聞かせて、軽く目を閉じて深呼吸しました。そしてゆっくり目を開けます。

そして大事なのは…可愛く、キラキラ元気なにこにこ笑顔。


『では、こちらの可愛らしい女の子のご紹介から始めます』


そのまま池田さんから『お名前とご年齢を』と勧められて。


『岡本詩織です。5月に20歳はたちになりました。宜しくお願いします』


役員幹部の方たちは、私をじーっと見ていました。


『どうですか?彼女の第一印象は』

『表情がとても明るくて、第一印象は凄く可愛いって感じで好印象です』

『…ありがとうございます』


高須賀あずささんが、そんな言葉で褒めてくれた…照れるというか、ちょっと恥ずかしいぐらい。


『彼女ならすぐ売れそうだね。いい子が来てくれて嬉しいね』


渡部副社長さんも褒めてくれた…嬉しい。


『ちょっと、その場で立ってみてくれない?』

『あ…はい』


あずささんにそうリクエストされ、ゆっくりと立ち上がりました。


『身長162cmで体重は47kg…ね。彼女はスタイルも良さそうなので、衣装モデルとかも務められるんじゃないですか?』


あずささんのその言葉に、皆さんは更に私をじーっと見て、ウンウンって頷いてました。

あの時の私は、恥ずかしさとかがピークを超えて、見られていることになんだか気分が高揚してきて、ちょっと心地よくなってきてました。


『詩織ちゃんは、美波県の藤浦市では一番可愛いって、それはとても有名な子でした』


…そう冴嶋社長さんが私のことを説明すると。


『こんな可愛らしい子が街を歩いてたら、そりゃ有名にだってなるだろう…な』


って、渡部副社長さんが。

…っていうか、本当に一番可愛かったのは、私じゃなくて金魚なんですって、私は今でも思ってる。
そして『ありがとう…突然ごめんなさいね。着席していいわ』ってあずささんに促され、私はまた座りました。


…そういえば大槻和将さんっていう、いかにも女性にモテそうな若い専務さん、私をじっと見たりプロフィールを見たりはしてるけど…まだ何も言ってない。

なんで?なんか気になる…ひっ!!
私は大槻専務さんと目が合ってしまいました!


『岡本詩織くん』

『は…はい』


私…心臓がドキドキ。


『君は…結局、何を志望したいんだ?』

『えっ、あ…はい。あの…』


大槻専務さんの刺さるような鋭い目線が、私をじっと見てる…。


『憧れの芸能人の欄には、若手女優やベテラン女優の名前で埋まってる…それと、志望欄には《アイドルもですが、女優とか他のお仕事にも興味があります》って記載が』

『…はい』

『本当は…いや、まさか』

『…!』


私は緊張感が凄すぎて…大槻専務さんから、無意識にちょっとだけ視線を逸らしてしまいました…。

しんと静まり返る会議室内…。
えぇ…私、どうなっちゃうの…?

助けて…信吾…。
早く戻って来きて…。
























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