8 / 158
G.F. - 再始動編 -
page.487
しおりを挟む
【岡本詩織】
…12月月29日のお昼下がりのただ今、信吾がご実家の自分の部屋で回想している最中ですが、ここからちょっとだけ私…岡本詩織が、信吾の回想の中にお邪魔して、信吾に変わりましてお話ししていきます。
信吾が金魚に変身するために、初見面談しているこの会議室から出て行っちゃって、そのあと一人残っちゃった私に何があって、何を話してたとか。信吾は知らないから。
えっ?今私、何か言っちゃダメなこと言ったの?
金魚に変身して再登場すること?
あとで信吾が話す予定だった…えっ?きゃははは。言っちゃったー。ごめんなさーい。
でもまぁ大丈夫です。
「no problem♪」です。
なのでこのままお話しを続けます。
信吾が椅子から立ち上がって、会議室を出て行っちゃったとき、私は振り返らずに『えぇ?このタイミングで?それで私一人になっちゃうの!?』って、頭の中でそう思ったんですが、すぐに『大丈夫よ私。小さく深呼吸して落ち着こっ』って自分に言い聞かせて、軽く目を閉じて深呼吸しました。そしてゆっくり目を開けます。
そして大事なのは…可愛く、キラキラ元気なにこにこ笑顔。
『では、こちらの可愛らしい女の子のご紹介から始めます』
そのまま池田さんから『お名前とご年齢を』と勧められて。
『岡本詩織です。5月に20歳になりました。宜しくお願いします』
役員幹部の方たちは、私をじーっと見ていました。
『どうですか?彼女の第一印象は』
『表情がとても明るくて、第一印象は凄く可愛いって感じで好印象です』
『…ありがとうございます』
高須賀あずささんが、そんな言葉で褒めてくれた…照れるというか、ちょっと恥ずかしいぐらい。
『彼女ならすぐ売れそうだね。いい子が来てくれて嬉しいね』
渡部副社長さんも褒めてくれた…嬉しい。
『ちょっと、その場で立ってみてくれない?』
『あ…はい』
あずささんにそうリクエストされ、ゆっくりと立ち上がりました。
『身長162cmで体重は47kg…ね。彼女はスタイルも良さそうなので、衣装モデルとかも務められるんじゃないですか?』
あずささんのその言葉に、皆さんは更に私をじーっと見て、ウンウンって頷いてました。
あの時の私は、恥ずかしさとかがピークを超えて、見られていることになんだか気分が高揚してきて、ちょっと心地よくなってきてました。
『詩織ちゃんは、美波県の藤浦市では一番可愛いって、それはとても有名な子でした』
…そう冴嶋社長さんが私のことを説明すると。
『こんな可愛らしい子が街を歩いてたら、そりゃ有名にだってなるだろう…な』
って、渡部副社長さんが。
…っていうか、本当に一番可愛かったのは、私じゃなくて金魚なんですって、私は今でも思ってる。
そして『ありがとう…突然ごめんなさいね。着席していいわ』ってあずささんに促され、私はまた座りました。
…そういえば大槻和将さんっていう、いかにも女性にモテそうな若い専務さん、私をじっと見たりプロフィールを見たりはしてるけど…まだ何も言ってない。
なんで?なんか気になる…ひっ!!
私は大槻専務さんと目が合ってしまいました!
『岡本詩織くん』
『は…はい』
私…心臓がドキドキ。
『君は…結局、何を志望したいんだ?』
『えっ、あ…はい。あの…』
大槻専務さんの刺さるような鋭い目線が、私をじっと見てる…。
『憧れの芸能人の欄には、若手女優やベテラン女優の名前で埋まってる…それと、志望欄には《アイドルもですが、女優とか他のお仕事にも興味があります》って記載が』
『…はい』
『本当は…いや、まさか』
『…!』
私は緊張感が凄すぎて…大槻専務さんから、無意識にちょっとだけ視線を逸らしてしまいました…。
しんと静まり返る会議室内…。
えぇ…私、どうなっちゃうの…?
助けて…信吾…。
早く戻って来きて…。
…12月月29日のお昼下がりのただ今、信吾がご実家の自分の部屋で回想している最中ですが、ここからちょっとだけ私…岡本詩織が、信吾の回想の中にお邪魔して、信吾に変わりましてお話ししていきます。
信吾が金魚に変身するために、初見面談しているこの会議室から出て行っちゃって、そのあと一人残っちゃった私に何があって、何を話してたとか。信吾は知らないから。
えっ?今私、何か言っちゃダメなこと言ったの?
金魚に変身して再登場すること?
あとで信吾が話す予定だった…えっ?きゃははは。言っちゃったー。ごめんなさーい。
でもまぁ大丈夫です。
「no problem♪」です。
なのでこのままお話しを続けます。
信吾が椅子から立ち上がって、会議室を出て行っちゃったとき、私は振り返らずに『えぇ?このタイミングで?それで私一人になっちゃうの!?』って、頭の中でそう思ったんですが、すぐに『大丈夫よ私。小さく深呼吸して落ち着こっ』って自分に言い聞かせて、軽く目を閉じて深呼吸しました。そしてゆっくり目を開けます。
そして大事なのは…可愛く、キラキラ元気なにこにこ笑顔。
『では、こちらの可愛らしい女の子のご紹介から始めます』
そのまま池田さんから『お名前とご年齢を』と勧められて。
『岡本詩織です。5月に20歳になりました。宜しくお願いします』
役員幹部の方たちは、私をじーっと見ていました。
『どうですか?彼女の第一印象は』
『表情がとても明るくて、第一印象は凄く可愛いって感じで好印象です』
『…ありがとうございます』
高須賀あずささんが、そんな言葉で褒めてくれた…照れるというか、ちょっと恥ずかしいぐらい。
『彼女ならすぐ売れそうだね。いい子が来てくれて嬉しいね』
渡部副社長さんも褒めてくれた…嬉しい。
『ちょっと、その場で立ってみてくれない?』
『あ…はい』
あずささんにそうリクエストされ、ゆっくりと立ち上がりました。
『身長162cmで体重は47kg…ね。彼女はスタイルも良さそうなので、衣装モデルとかも務められるんじゃないですか?』
あずささんのその言葉に、皆さんは更に私をじーっと見て、ウンウンって頷いてました。
あの時の私は、恥ずかしさとかがピークを超えて、見られていることになんだか気分が高揚してきて、ちょっと心地よくなってきてました。
『詩織ちゃんは、美波県の藤浦市では一番可愛いって、それはとても有名な子でした』
…そう冴嶋社長さんが私のことを説明すると。
『こんな可愛らしい子が街を歩いてたら、そりゃ有名にだってなるだろう…な』
って、渡部副社長さんが。
…っていうか、本当に一番可愛かったのは、私じゃなくて金魚なんですって、私は今でも思ってる。
そして『ありがとう…突然ごめんなさいね。着席していいわ』ってあずささんに促され、私はまた座りました。
…そういえば大槻和将さんっていう、いかにも女性にモテそうな若い専務さん、私をじっと見たりプロフィールを見たりはしてるけど…まだ何も言ってない。
なんで?なんか気になる…ひっ!!
私は大槻専務さんと目が合ってしまいました!
『岡本詩織くん』
『は…はい』
私…心臓がドキドキ。
『君は…結局、何を志望したいんだ?』
『えっ、あ…はい。あの…』
大槻専務さんの刺さるような鋭い目線が、私をじっと見てる…。
『憧れの芸能人の欄には、若手女優やベテラン女優の名前で埋まってる…それと、志望欄には《アイドルもですが、女優とか他のお仕事にも興味があります》って記載が』
『…はい』
『本当は…いや、まさか』
『…!』
私は緊張感が凄すぎて…大槻専務さんから、無意識にちょっとだけ視線を逸らしてしまいました…。
しんと静まり返る会議室内…。
えぇ…私、どうなっちゃうの…?
助けて…信吾…。
早く戻って来きて…。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる