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G.F. - 再始動編 -
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喫茶店では、いつもと変わらないアンナファミリーらしく、楽しいお喋りの時間を過ごした。
だから1時間が短か過ぎるって思えるほど、あっという間だった。
肩を叩き合ってワハハと笑う啓介さんと大基さんの大笑いに、つられて心地よく笑えた春華さんと詩織と僕。
そんな僕らを見ていたアンナさんだって、なんだか楽しそうだった。
もしかしたらこんな時間が、僕は僕の人生のなかで一番幸せなのかも…なんてそう思えるくらい、詩織も僕もこんなアンナファミリーのみんなが本当に好き。
アンナさんが支払い伝票を手に取って立ち上がった。
『さぁ、そろそろ詩織の新居のマンションに戻りましょう』
…午前11時35分頃。
マンションに戻ると、引っ越し業者さんのトラックは無かった。
もう引っ越しは済んでいた。
『えっと、じゃあ私の新しいお家を、みんなにご紹介するね。付いてきて』
マンションのエレベーターで3階へ。通路に出ると、一つだけ玄関扉が大きく開いてる部屋が。
だから『あそこが詩織の部屋かな…?』って、すぐ分かった。
『ねぇ…ちょっと古いマンションにしては…凄く綺麗じゃない?詩織ちゃん』
『うん…ね。2ヶ月前にお部屋の壁紙とか床とか、新しく直したばかりなんだって』
そう言って、詩織は春華さんの質問に答えて返した。
リフォームされた2LDKの部屋…詩織一人で使うにはちょっと広い?って思えるくらい。
『エアコンも最新式…いいお部屋でしょ。えへへっ♪』
僕らがそんなことをしているあいだ、詩織のお母さんがキッチンで美味しそうなサンドイッチを作ってくれていた。
『杏菜さんと詩織のお友達のみんな、サンドイッチ作ったから、こっちに座って遠慮せず食べてー』
『おっ、やったぜ!いただきます!』
『美味しそーう!詩織ちゃんのお母さん、美味しくいっただきまーす♪』
その頃、詩織のお父さんは?というと…リビングのテレビの接続を済ませて、配置したソファーに座って寛いでゴルフの試合中継を観ていた。
なんだか本当に、休日の普通のお父さん!って感じ。
『それにしても…家具も家電も全部揃ってて凄い…』
『うん。必要なもの全部持ってきたら…こんなにいっぱいになっちゃったの』
『ってか、こんなに大きい洋服ダンス、本当に3つも必要だった?』
『何言ってんの?そんなの当然でしょ。お気に入りのお洒落な洋服が多すぎたから、じゃあ思い切って全部持って行こうってなっただけよ』
少し開いた扉の隙間からちらっと見えた詩織のベッドも、僕の使ってるベッドとは比べ物にならないほど高そうだし、綺麗でデカいし。
ぱっと見では《今日、引っ越してきました》なんて分からないくらい。もう1年も2年も住んでます、って感じに見える。
プロの引っ越し業者さんによって中身を全て出されて、完全収納まで終えて綺麗に折り畳まれ積まれたダンボールの山さえ見なければ。
…詩織のご両親は、午後2時頃に帰っていった。
そして僕らも詩織の新居を出て帰ることに。
詩織…いきなりみんなが一斉に帰っていくもんだから、僕らを見送る表情が凄く寂しそうだった。
『じゃあ、そろそろ私たちも行くわね』
『アンナさん…』
『またね。詩織ちゃん』
『春華さんも、たまには秋良くんも連れて、ここに遊びに来てね…』
…とは言ったものの、春華さんは看護の仕事で日々忙しい人だから…。
アンナさんはというと、春華さんを車に乗せて、先に藤浦市に帰ることに。
そして大基さんと啓介さんが、トラックで僕を船橋市のアパートまで送ってくれるって。
だから1時間が短か過ぎるって思えるほど、あっという間だった。
肩を叩き合ってワハハと笑う啓介さんと大基さんの大笑いに、つられて心地よく笑えた春華さんと詩織と僕。
そんな僕らを見ていたアンナさんだって、なんだか楽しそうだった。
もしかしたらこんな時間が、僕は僕の人生のなかで一番幸せなのかも…なんてそう思えるくらい、詩織も僕もこんなアンナファミリーのみんなが本当に好き。
アンナさんが支払い伝票を手に取って立ち上がった。
『さぁ、そろそろ詩織の新居のマンションに戻りましょう』
…午前11時35分頃。
マンションに戻ると、引っ越し業者さんのトラックは無かった。
もう引っ越しは済んでいた。
『えっと、じゃあ私の新しいお家を、みんなにご紹介するね。付いてきて』
マンションのエレベーターで3階へ。通路に出ると、一つだけ玄関扉が大きく開いてる部屋が。
だから『あそこが詩織の部屋かな…?』って、すぐ分かった。
『ねぇ…ちょっと古いマンションにしては…凄く綺麗じゃない?詩織ちゃん』
『うん…ね。2ヶ月前にお部屋の壁紙とか床とか、新しく直したばかりなんだって』
そう言って、詩織は春華さんの質問に答えて返した。
リフォームされた2LDKの部屋…詩織一人で使うにはちょっと広い?って思えるくらい。
『エアコンも最新式…いいお部屋でしょ。えへへっ♪』
僕らがそんなことをしているあいだ、詩織のお母さんがキッチンで美味しそうなサンドイッチを作ってくれていた。
『杏菜さんと詩織のお友達のみんな、サンドイッチ作ったから、こっちに座って遠慮せず食べてー』
『おっ、やったぜ!いただきます!』
『美味しそーう!詩織ちゃんのお母さん、美味しくいっただきまーす♪』
その頃、詩織のお父さんは?というと…リビングのテレビの接続を済ませて、配置したソファーに座って寛いでゴルフの試合中継を観ていた。
なんだか本当に、休日の普通のお父さん!って感じ。
『それにしても…家具も家電も全部揃ってて凄い…』
『うん。必要なもの全部持ってきたら…こんなにいっぱいになっちゃったの』
『ってか、こんなに大きい洋服ダンス、本当に3つも必要だった?』
『何言ってんの?そんなの当然でしょ。お気に入りのお洒落な洋服が多すぎたから、じゃあ思い切って全部持って行こうってなっただけよ』
少し開いた扉の隙間からちらっと見えた詩織のベッドも、僕の使ってるベッドとは比べ物にならないほど高そうだし、綺麗でデカいし。
ぱっと見では《今日、引っ越してきました》なんて分からないくらい。もう1年も2年も住んでます、って感じに見える。
プロの引っ越し業者さんによって中身を全て出されて、完全収納まで終えて綺麗に折り畳まれ積まれたダンボールの山さえ見なければ。
…詩織のご両親は、午後2時頃に帰っていった。
そして僕らも詩織の新居を出て帰ることに。
詩織…いきなりみんなが一斉に帰っていくもんだから、僕らを見送る表情が凄く寂しそうだった。
『じゃあ、そろそろ私たちも行くわね』
『アンナさん…』
『またね。詩織ちゃん』
『春華さんも、たまには秋良くんも連れて、ここに遊びに来てね…』
…とは言ったものの、春華さんは看護の仕事で日々忙しい人だから…。
アンナさんはというと、春華さんを車に乗せて、先に藤浦市に帰ることに。
そして大基さんと啓介さんが、トラックで僕を船橋市のアパートまで送ってくれるって。
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