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G.F. - 再始動編 -
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…魂が抜けたような?ってか、疲れた様子の?…そんな池田さんに玄関扉の錠を開けてもらい、部屋の中へ。部屋は2DK。もちろんバスルームとトイレは完備。小さなベランダもある。
ちなみに、月々の家賃は冴嶋プロダクションが半分負担してくれるとのこと。とても助かって嬉しい。
大基さん、啓介さん、僕、詩織、春華さん、アンナさんの6人で…引越し荷物の搬入はあっという間…20分くらいで終わってしまった。
僕の荷物はパソコンとかゲーム機、古い洗濯機、掃除機、電子レンジと炊飯器、安かったアルミパイプ製の軽量ベッド、あと照明器具がちょこっと…くらいのもので、あとは靴とかメイク道具とか衣類とか、僕のそういうのは、そもそも少なかったから。
そして次は案内してくれる池田さんの、運転するシルバーの社用車を追って詩織の住む予定のマンションへ。
そのマンションのある場所は、都内の葛飾区某所だった。
到着したのは午前10時15分頃。
築18年の、8階建ての大きなマンション。見た目はさすがに新しさは感じられないが、外壁の汚れ方は許容範囲…って感じ。
僕の住むアパートの千葉県船橋市と、詩織の住む東京都葛飾区のマンション…だったら車で30分くらいだったし。割と近いっちゃ近い。
詩織の荷物は、引っ越しの専門業者が3人で運んでくれていた。そして、そこに詩織のお父さんとお母さんの姿も。
そして池田さんと詩織のご両親、そしてアンナさんと詩織のお母さんが、それぞれご挨拶を交わした。
『あら。金魚ちゃんも引っ越しのお手伝いに来てくれてたのね。ありがとう』
『あ…は、はい…いつもお世話になってます…』
詩織…まさか未だご両親に『実は、金魚は女装した男の子よ』って…話してない…?
詩織は僕のすぐ横で、楽しそうにクスクスと笑ってるし…。
僕が詩織のお父さんに『ぼ…わ、私たちも荷物運びとか、何かお手伝いしましょうか?』と訊くと、それが引っ越し業者さんの一人に聞こえたらしく『僕ら専門業者に、全部任せてもらって大丈夫ですよ』…と。見ててくださいって断られた。
『岡本さん、すみませんがちょっと部屋へ来てください。冷蔵庫の置き場所なんですが…』
『あ、はーい。今行きます』
詩織のお母さんが少し慌てて、マンションの中へと入っていく。
『そういえば…詩織の住む部屋は何階?』
『3階よ』
それで『えぇ…?もっと上の階のほうが良かったんじゃない?窓からの景色も良さそうだし…』って僕が詩織に訊くと、詩織は『だって部屋がここしか空いてなかったし、別に住めるなら私はどの階でもいいって思ったの』って。
『詩織はこのマンションの部屋、実際に来て見て選んだの?』
『なわけないでしょ。でも不動産屋さんの物件案内ページの室内写真なら見たよ。それでいいかなって。ここに決めたの』
…ふぅん。なるほど。
アンナさんや啓介さんたちが『引っ越しの手伝いできないんなら、俺らどうしよう…』って相談し合っていたら、詩織のお父さんから…。
『引っ越しは私と妻が見ていますから。近くの喫茶店でも行って休んできてください』
…って。
そのお言葉に甘えて、アンナファミリーのメンバーと池田さんと…みんなで近くのお洒落な喫茶店へ。
『いや。僕はここで失礼します』
『えっ、池川田さん…?』
池田さんは『明日また、冴嶋プロダクションの事務所で会おう』『事務所の場所は知ってるよね。じゃあ』と…喫茶店には行かず帰っていってしまった…。
ちなみに、月々の家賃は冴嶋プロダクションが半分負担してくれるとのこと。とても助かって嬉しい。
大基さん、啓介さん、僕、詩織、春華さん、アンナさんの6人で…引越し荷物の搬入はあっという間…20分くらいで終わってしまった。
僕の荷物はパソコンとかゲーム機、古い洗濯機、掃除機、電子レンジと炊飯器、安かったアルミパイプ製の軽量ベッド、あと照明器具がちょこっと…くらいのもので、あとは靴とかメイク道具とか衣類とか、僕のそういうのは、そもそも少なかったから。
そして次は案内してくれる池田さんの、運転するシルバーの社用車を追って詩織の住む予定のマンションへ。
そのマンションのある場所は、都内の葛飾区某所だった。
到着したのは午前10時15分頃。
築18年の、8階建ての大きなマンション。見た目はさすがに新しさは感じられないが、外壁の汚れ方は許容範囲…って感じ。
僕の住むアパートの千葉県船橋市と、詩織の住む東京都葛飾区のマンション…だったら車で30分くらいだったし。割と近いっちゃ近い。
詩織の荷物は、引っ越しの専門業者が3人で運んでくれていた。そして、そこに詩織のお父さんとお母さんの姿も。
そして池田さんと詩織のご両親、そしてアンナさんと詩織のお母さんが、それぞれご挨拶を交わした。
『あら。金魚ちゃんも引っ越しのお手伝いに来てくれてたのね。ありがとう』
『あ…は、はい…いつもお世話になってます…』
詩織…まさか未だご両親に『実は、金魚は女装した男の子よ』って…話してない…?
詩織は僕のすぐ横で、楽しそうにクスクスと笑ってるし…。
僕が詩織のお父さんに『ぼ…わ、私たちも荷物運びとか、何かお手伝いしましょうか?』と訊くと、それが引っ越し業者さんの一人に聞こえたらしく『僕ら専門業者に、全部任せてもらって大丈夫ですよ』…と。見ててくださいって断られた。
『岡本さん、すみませんがちょっと部屋へ来てください。冷蔵庫の置き場所なんですが…』
『あ、はーい。今行きます』
詩織のお母さんが少し慌てて、マンションの中へと入っていく。
『そういえば…詩織の住む部屋は何階?』
『3階よ』
それで『えぇ…?もっと上の階のほうが良かったんじゃない?窓からの景色も良さそうだし…』って僕が詩織に訊くと、詩織は『だって部屋がここしか空いてなかったし、別に住めるなら私はどの階でもいいって思ったの』って。
『詩織はこのマンションの部屋、実際に来て見て選んだの?』
『なわけないでしょ。でも不動産屋さんの物件案内ページの室内写真なら見たよ。それでいいかなって。ここに決めたの』
…ふぅん。なるほど。
アンナさんや啓介さんたちが『引っ越しの手伝いできないんなら、俺らどうしよう…』って相談し合っていたら、詩織のお父さんから…。
『引っ越しは私と妻が見ていますから。近くの喫茶店でも行って休んできてください』
…って。
そのお言葉に甘えて、アンナファミリーのメンバーと池田さんと…みんなで近くのお洒落な喫茶店へ。
『いや。僕はここで失礼します』
『えっ、池川田さん…?』
池田さんは『明日また、冴嶋プロダクションの事務所で会おう』『事務所の場所は知ってるよね。じゃあ』と…喫茶店には行かず帰っていってしまった…。
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