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G.F. - 再始動編 -
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…ふぅ。
母さんと始めた居間の大掃除も、綺麗に完了…ちょっと疲れた。
『信ちゃん、ありがとう。凄く綺麗になったわ』
『…うん。終わったね』
母さんは掃除機をよいしょと持ち上げて、今度は寝室へと向かう。
『信ちゃんは、自分のお部屋でまた休んでて』
『うん。わかった』
『また呼んだときは宜しくね』
『はーい』
…パタン。
ようやく大掃除から解放されて、自分の部屋に戻ってきた。
だいたい2時間くらい掃除の手伝いしてたのかぁ…疲れた。
そうそう。じゃあさっきの話の続きを。
東京に行った初日は、まずは僕が生活することになる千葉県船橋市某所のアパートへ。
午前藤8時半頃に、僕の住んでた旧アパート…美波県佐原市檜ヶ丘の《寿美安荘》を出発し、高速道に乗っていざ東京へ…。
運転するアンナさんの車には、僕と詩織が乗ってる。
僕の荷物を乗せたトラックには、運転する大基さんと啓介さん、それと春華さん。
確か午前9時45分頃だったはず。
僕がこれから住むアパートのある、千葉県船橋市某所に到着。
その3階建てのアパートは新築から3年ちょっとの物件で、まだ凄く綺麗。
僕の住む部屋は6部屋並ぶ2階の一番奥から2番目。
そこには…冴嶋プロダクションの社員さんで、人事部に所属されている池田孝良さん(27歳) が居た。
池田さんの見た目は…当然ながら僕よりは背が高い中肉中背。髪型は爽やかな印象が映える短髪。そして眼鏡を掛けてる。
紺色のスーツ姿に…ワイシャツに鮮やかなミント色のネクタイ。スーツの上に腰丈の灰色のレザーコートを羽織っていた。
見た目だけで判断するなら…僕みたいな《イケメンとは言い難い》タイプの人って感じ…って、池田さんごめんなさい…。
『はじめまして。私はこの子たちの姉みたいなもので、篠崎杏菜と申します。明日からこの子たちを、どうか宜しくお願い致します』
『あ、はい。これはご丁寧にありがとうございます。僕は池田孝良です。それで…』
そうやって名刺交換したアンナさんと池田さん。
『えぇと、岡本詩織ちゃんは…?』と池田さんはキョロキョロ。すぐに詩織は手を挙げて『私でーす』って。
『えっ?じゃあ…ん?岩塚信吾くん…は…?』
池田さんが啓介さんと大基さんを見る。
『いや、俺らじゃないっすよ』
『目の前にいるじゃないですか。信吾』
『えっ?めっ、目の前…??』
啓介さんと大基さんが、揃って僕を指差す。
…そう。
僕は《池川金魚》の姿のまま、東京まで来てしまってたんだ。
そんな女装姿の僕を見て、池田さんは…。
『いやいやぁー。あはははは。いきなりの冗談ですかぁ。違いますよー。冴嶋社長からは《メイクのテクニックが素晴らしい20歳の男子》だからねって聞い………ま、まさか!?』
『あの…です。本当に僕なんです。岩塚信吾…』
あの時の、目を円くしてめちゃくちゃ驚いてた池田さんの顔を今も覚えてる。
『…えぇっ!?こっ、こんな可愛い女の子が!?き、君…本当に…男???』
『ですね…すみません』
『ぅ、うわぁあぁぁ!!嘘だぁぁぁー…!!?』
《池川金魚》の僕を見て驚いてる池田さんを見て、大基さんも啓介さんも、春華さんも詩織もアンナさんも。みんなケラケラと笑ってた。
母さんと始めた居間の大掃除も、綺麗に完了…ちょっと疲れた。
『信ちゃん、ありがとう。凄く綺麗になったわ』
『…うん。終わったね』
母さんは掃除機をよいしょと持ち上げて、今度は寝室へと向かう。
『信ちゃんは、自分のお部屋でまた休んでて』
『うん。わかった』
『また呼んだときは宜しくね』
『はーい』
…パタン。
ようやく大掃除から解放されて、自分の部屋に戻ってきた。
だいたい2時間くらい掃除の手伝いしてたのかぁ…疲れた。
そうそう。じゃあさっきの話の続きを。
東京に行った初日は、まずは僕が生活することになる千葉県船橋市某所のアパートへ。
午前藤8時半頃に、僕の住んでた旧アパート…美波県佐原市檜ヶ丘の《寿美安荘》を出発し、高速道に乗っていざ東京へ…。
運転するアンナさんの車には、僕と詩織が乗ってる。
僕の荷物を乗せたトラックには、運転する大基さんと啓介さん、それと春華さん。
確か午前9時45分頃だったはず。
僕がこれから住むアパートのある、千葉県船橋市某所に到着。
その3階建てのアパートは新築から3年ちょっとの物件で、まだ凄く綺麗。
僕の住む部屋は6部屋並ぶ2階の一番奥から2番目。
そこには…冴嶋プロダクションの社員さんで、人事部に所属されている池田孝良さん(27歳) が居た。
池田さんの見た目は…当然ながら僕よりは背が高い中肉中背。髪型は爽やかな印象が映える短髪。そして眼鏡を掛けてる。
紺色のスーツ姿に…ワイシャツに鮮やかなミント色のネクタイ。スーツの上に腰丈の灰色のレザーコートを羽織っていた。
見た目だけで判断するなら…僕みたいな《イケメンとは言い難い》タイプの人って感じ…って、池田さんごめんなさい…。
『はじめまして。私はこの子たちの姉みたいなもので、篠崎杏菜と申します。明日からこの子たちを、どうか宜しくお願い致します』
『あ、はい。これはご丁寧にありがとうございます。僕は池田孝良です。それで…』
そうやって名刺交換したアンナさんと池田さん。
『えぇと、岡本詩織ちゃんは…?』と池田さんはキョロキョロ。すぐに詩織は手を挙げて『私でーす』って。
『えっ?じゃあ…ん?岩塚信吾くん…は…?』
池田さんが啓介さんと大基さんを見る。
『いや、俺らじゃないっすよ』
『目の前にいるじゃないですか。信吾』
『えっ?めっ、目の前…??』
啓介さんと大基さんが、揃って僕を指差す。
…そう。
僕は《池川金魚》の姿のまま、東京まで来てしまってたんだ。
そんな女装姿の僕を見て、池田さんは…。
『いやいやぁー。あはははは。いきなりの冗談ですかぁ。違いますよー。冴嶋社長からは《メイクのテクニックが素晴らしい20歳の男子》だからねって聞い………ま、まさか!?』
『あの…です。本当に僕なんです。岩塚信吾…』
あの時の、目を円くしてめちゃくちゃ驚いてた池田さんの顔を今も覚えてる。
『…えぇっ!?こっ、こんな可愛い女の子が!?き、君…本当に…男???』
『ですね…すみません』
『ぅ、うわぁあぁぁ!!嘘だぁぁぁー…!!?』
《池川金魚》の僕を見て驚いてる池田さんを見て、大基さんも啓介さんも、春華さんも詩織もアンナさんも。みんなケラケラと笑ってた。
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