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女装と復讐 -完結編-
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『あの…鈴ちゃん…』
「うん。何?質問かな?」
僕は『さすがに2時間は長いので、利用は1時間に短縮できないか…それを宮学の学長さんに訊いてもらえないか…』と、鈴ちゃんにお願いしてみた。
「…そうね。じゃあ、午前10時からの1時間は、私と…冴嶋事務所から連れてきた、誰かタレント仲間との講演時間ということでどう?信吾くんの《復讐》は、そのあとの午前11時から1時間ってことで」
『あ…はい。それでお願いします…』
…更に2日後の、11月の第2金曜日。時刻は夕方の午後5時38分。
空はもうすっかり暗い。星も見えて…るかな?
本日の受講を終えて、僕は真新しい学舎3号棟を出て、その向こうに見える《創立50周年記念館》へと立ち寄ってみた。
記念館の大きさは…高校の体育館とかとは比べものにならないくらい、全然大きい。
建物自体は2階建てで、1階には管理事務所や大学歴史資料室、あと大会議室が2つ、それと武道場と学生たちが毎年製作する美術展示室などもある。
2階の演劇ホールは一室が、ほぼそのまま2階となっている
記念館の1階の12枚の大きなガラス窓からは、館内の照明の明かりが漏れている。
僕は他の学生たちとすれ違いながら、代わるように館内へと入る。床は黒色の大理石…に見える床パネルが敷き詰められている。その床面に天井の照明からの明かりが当たり反射して、今は少し眩しい。
…階段から2階へ上がってみる…。
2階の演劇ホールの入り口…木製の立派な扉を開けて、中を覗く…ホールは凄く高い天井の幾つかの小さなスポットライトが灯っていて、ホール全体を照らして…真っ暗ではないけど、ちょっと暗め。
座席はちゃんと演劇ホールらしく、舞台へ向かって緩やかに下っている。
普段はここで管弦楽部やコーラス部の学生たちが、クラシック音楽の演奏練習に利用しているんだけど、その他には…僕みたいに、大きな活動団体が予約して、このホールを借りて、講演会や演説会にも利用されてる…らしい。
…おおよそ2週間のあと…ここで《瀬ヶ池のメダカ》と呼ばれていた僕の《復讐》が果たされるんだ…。
振り返れば、去年の9月にアンナさんと出会い、10月に僕の女装デビューの準備をして、11月にプレデビュー…あれからほぼ1年。今まで本当に長かったな…。
目を閉じると…《金魚と詩織の歩いてきた軌跡》が鮮明に記憶に蘇る…。
そんな僕ら…詩織と僕が大切に守り続けてきた《瀬ヶ池の金魚》…その存在の全てが…2週間後に消えて失くなる…。
…長くも短くも、その2週間後…。
本日…《瀬ヶ池のメダカの復習》が、遂に実行される日…。
2023年11月23日。木曜日。祝日。一日中晴れの予報。
僕と詩織が、瀬ヶ池の金魚に《お別れ》を言う日…。
あの2週間前に、鈴ちゃんは会場を確保してくれただけじゃなく…鈴ちゃん自身のブログで…そして瀬ヶ池の女の子たちの集まる情報サイト《★Colorful-Girls★》にも【私の芸能活動講演会と、あわせて重大発表を行います】と宣伝してくれてた。
今日は、たくさんの瀬ヶ池の女の子たち、またそれ以外の人たちも集まってくれるはず…。
午前6時40分。僕はゆっくりとベッドから立ち上がって、普段どおりに大学へ行く準備を始めた。
まずは朝食を…。
「うん。何?質問かな?」
僕は『さすがに2時間は長いので、利用は1時間に短縮できないか…それを宮学の学長さんに訊いてもらえないか…』と、鈴ちゃんにお願いしてみた。
「…そうね。じゃあ、午前10時からの1時間は、私と…冴嶋事務所から連れてきた、誰かタレント仲間との講演時間ということでどう?信吾くんの《復讐》は、そのあとの午前11時から1時間ってことで」
『あ…はい。それでお願いします…』
…更に2日後の、11月の第2金曜日。時刻は夕方の午後5時38分。
空はもうすっかり暗い。星も見えて…るかな?
本日の受講を終えて、僕は真新しい学舎3号棟を出て、その向こうに見える《創立50周年記念館》へと立ち寄ってみた。
記念館の大きさは…高校の体育館とかとは比べものにならないくらい、全然大きい。
建物自体は2階建てで、1階には管理事務所や大学歴史資料室、あと大会議室が2つ、それと武道場と学生たちが毎年製作する美術展示室などもある。
2階の演劇ホールは一室が、ほぼそのまま2階となっている
記念館の1階の12枚の大きなガラス窓からは、館内の照明の明かりが漏れている。
僕は他の学生たちとすれ違いながら、代わるように館内へと入る。床は黒色の大理石…に見える床パネルが敷き詰められている。その床面に天井の照明からの明かりが当たり反射して、今は少し眩しい。
…階段から2階へ上がってみる…。
2階の演劇ホールの入り口…木製の立派な扉を開けて、中を覗く…ホールは凄く高い天井の幾つかの小さなスポットライトが灯っていて、ホール全体を照らして…真っ暗ではないけど、ちょっと暗め。
座席はちゃんと演劇ホールらしく、舞台へ向かって緩やかに下っている。
普段はここで管弦楽部やコーラス部の学生たちが、クラシック音楽の演奏練習に利用しているんだけど、その他には…僕みたいに、大きな活動団体が予約して、このホールを借りて、講演会や演説会にも利用されてる…らしい。
…おおよそ2週間のあと…ここで《瀬ヶ池のメダカ》と呼ばれていた僕の《復讐》が果たされるんだ…。
振り返れば、去年の9月にアンナさんと出会い、10月に僕の女装デビューの準備をして、11月にプレデビュー…あれからほぼ1年。今まで本当に長かったな…。
目を閉じると…《金魚と詩織の歩いてきた軌跡》が鮮明に記憶に蘇る…。
そんな僕ら…詩織と僕が大切に守り続けてきた《瀬ヶ池の金魚》…その存在の全てが…2週間後に消えて失くなる…。
…長くも短くも、その2週間後…。
本日…《瀬ヶ池のメダカの復習》が、遂に実行される日…。
2023年11月23日。木曜日。祝日。一日中晴れの予報。
僕と詩織が、瀬ヶ池の金魚に《お別れ》を言う日…。
あの2週間前に、鈴ちゃんは会場を確保してくれただけじゃなく…鈴ちゃん自身のブログで…そして瀬ヶ池の女の子たちの集まる情報サイト《★Colorful-Girls★》にも【私の芸能活動講演会と、あわせて重大発表を行います】と宣伝してくれてた。
今日は、たくさんの瀬ヶ池の女の子たち、またそれ以外の人たちも集まってくれるはず…。
午前6時40分。僕はゆっくりとベッドから立ち上がって、普段どおりに大学へ行く準備を始めた。
まずは朝食を…。
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