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女装と復讐 -完結編-
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とにかく僕は、駅前で金魚と詩織が現れるのを今でも待っている…それを願っている女の子たちがいるんだ…ということを確認できたことを、素直に《良かった》と…《本当にごめん!》と、そう思った。
彼女たちには…本当に申し訳ないと思う…。
『…春華さん、次は《ハイカラ通り》行ってみたいです』
『うん。じゃ行こう』
僕と春華さんは《ハイカラ通り》へと向かうため、その女の子たちの目の前を横切る…。
そのとき、女の子たちの数人が僕らを見た。すると僕も無意識に振り向き、その女の子たちを見た。
だけど…実は僕が金魚であることに気付けた子なんて、誰一人さえも居なかった。
横切るときに聞こえた、彼女たちの囁くような声…。
「やっぱり今日も…金魚ちゃん達、早瀬ヶ池に来ないんだよね…」
「淋しい…一目でいいからもう一度だけでも見たい…会いたい。金魚ちゃん達に…」
…ごめん…ごめんっ!
あの下村という記者に、金魚が追われさえしなければ…。
女の子たちの前を横切り終えて、大勢の歩行者が行き交うなかを、しばらく歩き進んでたとき…《コツコツコツ》と甲高いヒールの音を響かせながら、背後から僕らを駆け追うような、誰がの気配を感じた…気がしたんだけど…まさかね…。
でもその…高層ビル群に囲まれたこの街道に響くそのヒールの音は、どんどん僕らに近付き、だんだんと大きく聞こえてくる…。
僕は背後が気になって気になって仕方ない…。
もう振り向こうかと思ったその僕の肩を、トントンと誰かが叩いた…!?
『信吾くん。久しぶり』
『えっ!?』
勢いよく振り返った僕…そこに立っていたのは…白いワンピースの上に裾丈の短い黒の上着を羽織った、背が高くて細身で、めちゃくちゃに美人で綺麗な若い女の子…?
『誰?この子…凄い美人な子…』
遅れて振り向いた春華さんも、その子を見て驚きを隠せない様子。
『信吾くん、お知り合い…?』
そう僕に訊く春華さん。
『えぇ?えっと…』
…僕のお知り合い…?
けど、その綺麗な女の子は…。
『確か…信吾くんと最後に会ったのは…今年のバレンタインデーの夜…だよね』
春華さんが…うっ、驚きと疑いの目で僕を見る…!!
『…ばっ、バレンタインデー…の夜!?この子と会ってなに…してたの…?』
『ええっ!!?』
僕はもう一度、慌ててこの美人っ子さんを見た!!
『えっ?…まさか久しぶり過ぎて…私のこと忘れちゃった…?』
待て!…待て…待てよ僕…お、お…落ち着け…。
バレンタインデーの夜だろ?…えぇと…えぇと……あっ!!
『な、何言ってんの…ちゃんと覚えてたよ…緋子ちゃん…』
『あはははー。ありがとっ♪』
僕は胸を撫で下ろしながら、春華さんを見た。
春華さんは今も…僕を疑いの目で見てる…。
『春華さん…こっちの子は、僕の知り合いの《華丘緋子》…ちゃんです…』
『えっ?知り合い…?』
…本名…桑野忠彦くん…なんですけど。
しかも僕より2つ歳下…。
『はい。今は知り合いって言われちゃった…私、華丘緋子です』
『ほんとに綺麗だし美人な子…羨ましい。まるでモデルさんみたい…』
『えへへっ。ありがとうございます♪』
…何度も言いますけど…《性転換手術を受けて、本物の女の子になりたい系男子》です。緋子ちゃんこと忠彦くんは…。
…そして予定変更。
新井早瀬駅へと戻って、駅構内のスタバへと向かうことに。
彼女たちには…本当に申し訳ないと思う…。
『…春華さん、次は《ハイカラ通り》行ってみたいです』
『うん。じゃ行こう』
僕と春華さんは《ハイカラ通り》へと向かうため、その女の子たちの目の前を横切る…。
そのとき、女の子たちの数人が僕らを見た。すると僕も無意識に振り向き、その女の子たちを見た。
だけど…実は僕が金魚であることに気付けた子なんて、誰一人さえも居なかった。
横切るときに聞こえた、彼女たちの囁くような声…。
「やっぱり今日も…金魚ちゃん達、早瀬ヶ池に来ないんだよね…」
「淋しい…一目でいいからもう一度だけでも見たい…会いたい。金魚ちゃん達に…」
…ごめん…ごめんっ!
あの下村という記者に、金魚が追われさえしなければ…。
女の子たちの前を横切り終えて、大勢の歩行者が行き交うなかを、しばらく歩き進んでたとき…《コツコツコツ》と甲高いヒールの音を響かせながら、背後から僕らを駆け追うような、誰がの気配を感じた…気がしたんだけど…まさかね…。
でもその…高層ビル群に囲まれたこの街道に響くそのヒールの音は、どんどん僕らに近付き、だんだんと大きく聞こえてくる…。
僕は背後が気になって気になって仕方ない…。
もう振り向こうかと思ったその僕の肩を、トントンと誰かが叩いた…!?
『信吾くん。久しぶり』
『えっ!?』
勢いよく振り返った僕…そこに立っていたのは…白いワンピースの上に裾丈の短い黒の上着を羽織った、背が高くて細身で、めちゃくちゃに美人で綺麗な若い女の子…?
『誰?この子…凄い美人な子…』
遅れて振り向いた春華さんも、その子を見て驚きを隠せない様子。
『信吾くん、お知り合い…?』
そう僕に訊く春華さん。
『えぇ?えっと…』
…僕のお知り合い…?
けど、その綺麗な女の子は…。
『確か…信吾くんと最後に会ったのは…今年のバレンタインデーの夜…だよね』
春華さんが…うっ、驚きと疑いの目で僕を見る…!!
『…ばっ、バレンタインデー…の夜!?この子と会ってなに…してたの…?』
『ええっ!!?』
僕はもう一度、慌ててこの美人っ子さんを見た!!
『えっ?…まさか久しぶり過ぎて…私のこと忘れちゃった…?』
待て!…待て…待てよ僕…お、お…落ち着け…。
バレンタインデーの夜だろ?…えぇと…えぇと……あっ!!
『な、何言ってんの…ちゃんと覚えてたよ…緋子ちゃん…』
『あはははー。ありがとっ♪』
僕は胸を撫で下ろしながら、春華さんを見た。
春華さんは今も…僕を疑いの目で見てる…。
『春華さん…こっちの子は、僕の知り合いの《華丘緋子》…ちゃんです…』
『えっ?知り合い…?』
…本名…桑野忠彦くん…なんですけど。
しかも僕より2つ歳下…。
『はい。今は知り合いって言われちゃった…私、華丘緋子です』
『ほんとに綺麗だし美人な子…羨ましい。まるでモデルさんみたい…』
『えへへっ。ありがとうございます♪』
…何度も言いますけど…《性転換手術を受けて、本物の女の子になりたい系男子》です。緋子ちゃんこと忠彦くんは…。
…そして予定変更。
新井早瀬駅へと戻って、駅構内のスタバへと向かうことに。
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