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女装と復讐 -完結編-

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午後は結局…それを遊びと呼んでいいのか解らないけど《詩織は金魚と久しぶりに過ごしたい》以外に遊ぶことなんて無かったけど…。


『金魚。このゲーム機で何か遊んでみて』


…詩織がPS4の何かゲームを見たいって言うから…。


『リアルな戦闘機ゲームでもいい?』

『空飛んで敵をバンバン撃つやつだよね?リアルなの?見てみたい』


詩織はこういうゲームは、ほとんど見たことがないらしく…どうせすぐ《詰まらない》とか《3D酔いしちゃった》とか言うんだろう…って思ったら…。


『右!金魚、敵右からいっぱい来たよ!!だから右だってば!』

『うん。だから今旋回して敵の後ろ取るから…ちょっと待って』





『…ほんとに凄いリアルだね…夕空に紅く染まった雲と海がキラキラしてて…凄く綺麗。ずっと見てられる…』

『うん。今はフリーフライトモードだけどね…だから敵出ないんだけど。詩織も操作してみる?』

『うぅん…しない。金魚がやってるの、もう少し見てたい』


…結構、ただ見てただけだけど、なんだかんだ楽しんでくれたみたい…かな。


そのあとは、パソコンでまたフリーの脱出ゲームをやって、また《カラフル》を見てた…。
今もまだ増え続けてる《金魚と詩織ちゃん、瀬ヶ池に戻ってきて…》の書き込みを見て、詩織はまた泣きそうになってた…。






…時間は早く過ぎて…午後5時32分…。


『詩織、夕ご飯どうする?外に食べに行く?』


パソコンで一緒にYouTubeで、癒し系な仔猫や仔犬の動画を観てた僕と詩織。


『ごめん。6時まで待ってほしいな…』


…??





少し経って…午後5時53分。


《♪コン、コココンコン、コンコン…》


…なに?この定番リズミカルなノック音は…?
こんな時間に、誰だろう…?


《♪コン、コココン…》

『はいはいはーい、今開けるからー。ちょっと待っててー』


えっ?そう言いながら、詩織が玄関へと急ぐ…?


『はーい♪待ってましたー♪』


詩織が勝手に玄関扉を開けると、雪崩れ込むように…!


『おう!お邪魔するぜー』
『信吾くーん、お久しぶりー』
『金魚、元気に寂しくしてたか…?』
『私もお邪魔しまーす!』


えっ、えっ?…えっ!?

秋良さんと春華さんと…それに、少し大きなダンボール箱を抱えた啓介さんと、歩美さんが…次々と!

僕の部屋は、あっという間に6人で埋まり、狭くなってしまった…。
そして、それぞれが好きな場所、自由な場所に座る。


『なぁ詩織、《買った食材色々》幾らだった?』

『あ、えぇとね…確かレシートは私のエコバッグの中に…』

『あぁもう面倒臭ぇなー。ほら、これで足りるだろ。釣りはやるよ。けど文句は言うな』

『えっ、こんなに?いいの!?やったーぁ♪ありがとぉ♪』


秋良さんが長財布から一万円札を取り出し、詩織に手渡した。そして満面の笑みで喜ぶ詩織。


『よーし。少し落ち着いたら、さっそく始めっかー!』


秋良さんのその一言に、みんなが騒がしく盛り上がる。


『秋良さん…始めるって…なにを』

『《たこ焼きパーティー&お好み焼きパーティー》だよ!じゃあ準備始めっぞ!春華も詩織も手伝えー!』

『はーい!頑張りまーす!』
『私は小麦粉の水溶きと…あと、キャベツ切るねッ♪』

『あ、私もお手伝いします』


詩織と春華さんと歩美さんが、簡易キッチンへと向かう。

あぁ…なるほど。そういうことだったんだ…。
知らなかったのは僕だけか…あははは…。

























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