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女装と復讐 -完結編-
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ケーキだけじゃない。
鈴ちゃんは新井早瀬駅構内のコンビニで、紙皿と紙コップ、キャンプ用のプラスチックフォーク、それにペットボトルの紅茶まで買ってきてくれていた…ありがとう鈴ちゃん!
…詩織がケーキを3個、僕が2個、アンナさんが1個、鈴ちゃんも1個食べて…あと1個余ってる。
詩織が鈴ちゃんに『記者の下村さんとか情報提供者の尾行なんて、本当にあったの?』と訊くと、鈴ちゃんは『うーん…どうかなぁ…?』と、少し曖昧に答えた。
『ねぇ鈴ちゃん。それで、詩織と金魚は今後、どう行動すべき…注意すべきかしら?』
鈴ちゃんが振り向き、そう訊いたアンナさんを見た。
『そうですね…』
鈴ちゃんは、まず何から話をしたら…と、しばらく悩み…まずは冴嶋社長が《詩織ちゃんと信吾くんの存在を、芸能界デビューするまで、徹底的に隠し通す》ことと《2人のデビューを、世間をあっと驚かせるような、鮮烈で衝撃的なデビューで飾りたい》考えであることを話した。
『…もし万が一、2人が芸能界デビューする前に、月刊文秋に2人の記事を載せられてしまうようならば、それを阻止し、デビューの計画を完全庇保するために…冴嶋社長は今、口止めのため文秋社へ支払う補償金、500万円を事務所に用意しています…』
…えぇぇっ!!?
ごご…ご、500万円!?
『…もし文秋社側が、500万円では足りないと出た場合、更に300万円…つまり800万円まで支払えると…冴嶋社長が…』
『鈴ちゃん、お願い!止めさせて!そんな大金出さないで!って、冴嶋社長にお願いして!』
鈴ちゃんは詩織を見た。
『…やっぱり、詩織ちゃんだってそう思うよね』
鈴ちゃんが詩織を安心させようと、少し微笑んで見せた。
『それだけ…ね、冴嶋社長も本気なの。社長は詩織ちゃんと信吾くんの芸能界デビューに賭けてるの。2人はそんな大金以上の価値がある…って判断して』
そして鈴ちゃんは続けて言った。
『私も…500万円なんて大金の支払い、できるだけ発生してほしくないって思う。だから…』
鈴ちゃんは僕も見た。
『金魚ちゃんと詩織ちゃんが、揃って藤浦市の街々を歩くの…しばらく控えてもらえないかな…こんな無理言って、ごめんなさい…』
今度は詩織が、鈴ちゃんに笑顔を見せた。
『うぅん。私たちは全然平気よ…うん。じゃあ、嘉久見大通りとか早瀬ヶ池を歩くの…我慢するね』
『ありがとう…本当にごめんなさい』
…そして鈴ちゃんと僕らもまた、今後しばらく会えないことになった…。
鈴ちゃんは新井早瀬駅構内のコンビニで、紙皿と紙コップ、キャンプ用のプラスチックフォーク、それにペットボトルの紅茶まで買ってきてくれていた…ありがとう鈴ちゃん!
…詩織がケーキを3個、僕が2個、アンナさんが1個、鈴ちゃんも1個食べて…あと1個余ってる。
詩織が鈴ちゃんに『記者の下村さんとか情報提供者の尾行なんて、本当にあったの?』と訊くと、鈴ちゃんは『うーん…どうかなぁ…?』と、少し曖昧に答えた。
『ねぇ鈴ちゃん。それで、詩織と金魚は今後、どう行動すべき…注意すべきかしら?』
鈴ちゃんが振り向き、そう訊いたアンナさんを見た。
『そうですね…』
鈴ちゃんは、まず何から話をしたら…と、しばらく悩み…まずは冴嶋社長が《詩織ちゃんと信吾くんの存在を、芸能界デビューするまで、徹底的に隠し通す》ことと《2人のデビューを、世間をあっと驚かせるような、鮮烈で衝撃的なデビューで飾りたい》考えであることを話した。
『…もし万が一、2人が芸能界デビューする前に、月刊文秋に2人の記事を載せられてしまうようならば、それを阻止し、デビューの計画を完全庇保するために…冴嶋社長は今、口止めのため文秋社へ支払う補償金、500万円を事務所に用意しています…』
…えぇぇっ!!?
ごご…ご、500万円!?
『…もし文秋社側が、500万円では足りないと出た場合、更に300万円…つまり800万円まで支払えると…冴嶋社長が…』
『鈴ちゃん、お願い!止めさせて!そんな大金出さないで!って、冴嶋社長にお願いして!』
鈴ちゃんは詩織を見た。
『…やっぱり、詩織ちゃんだってそう思うよね』
鈴ちゃんが詩織を安心させようと、少し微笑んで見せた。
『それだけ…ね、冴嶋社長も本気なの。社長は詩織ちゃんと信吾くんの芸能界デビューに賭けてるの。2人はそんな大金以上の価値がある…って判断して』
そして鈴ちゃんは続けて言った。
『私も…500万円なんて大金の支払い、できるだけ発生してほしくないって思う。だから…』
鈴ちゃんは僕も見た。
『金魚ちゃんと詩織ちゃんが、揃って藤浦市の街々を歩くの…しばらく控えてもらえないかな…こんな無理言って、ごめんなさい…』
今度は詩織が、鈴ちゃんに笑顔を見せた。
『うぅん。私たちは全然平気よ…うん。じゃあ、嘉久見大通りとか早瀬ヶ池を歩くの…我慢するね』
『ありがとう…本当にごめんなさい』
…そして鈴ちゃんと僕らもまた、今後しばらく会えないことになった…。
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