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女装と復讐 -完結編-
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特に注意して着目しなければならない点は…金魚ちゃんの《情報》《名前》《写真》の入手先が、何処からなのか…というところなんだけど。
それが《取材班や記者の単独取材から》じゃなくて、もし藤浦市の女の子たちの誰かからの《情報提供》だったとしたら…もう既に事態は、最も恐ろしい状況…だったりするかもしれない…。
まさか、とは思うんだけど…あの子が恨み返しに情報提供を?…ううん。そうであってもそれは考えたくない…。ーー
…恨み返しするあの子…って?
まさか…えっ?あいつがそこまでする…?
いや…するかも…するかなぁ…。
まぁいいや。今はそれは考えないで置いておこう。
下村という記者が、冴嶋プロダクションの事務所へ…鈴ちゃんのところへ《取材協力》という名目で訪ねてきた時には《金魚と鈴は繋がっている》ことの事実を既に掴んでいた…。
鈴ちゃんが《知らない》と言い切った嘘も、もう完全にバレてしまっている…。
《藤浦市に、こんな可愛い女の子がいる》《しかも伊藤鈴と友達だ》ってだけの記事なら、わざわざ鈴ちゃんを訪ねて来なくても、もうそのままでも掲載できるはず…読んでも全然面白くない記事だろうけど。
《これは、調べればまだ何か面白いネタが出てくる》とでも勘繰っているんだろうか…。
『すぐに…何処かの芸能事務所が目を付けて、すぐに芸能界デビューするんじゃないかなぁ』なんて、意味深なことも言っていたし…。
もう冴嶋プロダクションと契約することまで知っ…まさか…。
どこまで知ってるんだ…どこまで調べ上げるつもりなんだ…。
何にせよ《僕は実は女装男子》だって秘密だけは、最後まで死守しないと…。
どうあれマスメディア社団と自分たち、一個人が正面から争い合ったところで…絶対に勝てない。そして秘密は全て盗み取られてしまう。勝率は0%…。
もう狙われてしまった今、唯一僕らができることは…とにかく逃げること。少しでも時間を稼ぐこと。それだけ…。
ーー信吾くん、それに金魚ちゃん。
とにかく逃げ切ってほしいの。お願い。無事にデビューする日まで。
いずれ、金魚ちゃんが《女装男子》だってことはバレてしまう。彼らだって《情報収集のプロフェッショナル》なんだから。
《金魚は女装した男子》ってことを《覚悟を決めて自ら白状する》のと《月刊誌に写真掲載とともに記事にされて、バラされてしまう》のとでは、天と地ほど明らかに違う。
今の状況…事の次第によっては、信吾くんは金魚ちゃんとしては、もう…《藤浦市を、早瀬ヶ池の街を…二度と歩くことはできない》かもしれない…。
下村という記者は、池川金魚という《名前》も《顔》も《出没する街》も知ってるんだから。
藤浦市の街々のどこに、下村さんやその情報提供者が潜んでいるとも分からないから…。
明日、もう一度私の方から改めて電話するね。こんなに長い書き込み…本当にごめんなさい…。
ーー
僕はこの長い長いLINEの書き込みを、何度も何度も何度も…読み返した。
金魚はもう二度と…藤浦市を…早瀬ヶ池を…歩けない?
嘘だろ…。
こんな突然に《瀬ヶ池の金魚》の《存在消滅》が訪れるなんて…。
くそ…誰がこんな情報提供を…!
詩織に…アンナさんに…ファミリーのメンバーのみんなに…どう説明したらいいんだ…。
不安で…怖すぎて…頭の中の混乱が治らなくて…体の震えが止まらない…。
それが《取材班や記者の単独取材から》じゃなくて、もし藤浦市の女の子たちの誰かからの《情報提供》だったとしたら…もう既に事態は、最も恐ろしい状況…だったりするかもしれない…。
まさか、とは思うんだけど…あの子が恨み返しに情報提供を?…ううん。そうであってもそれは考えたくない…。ーー
…恨み返しするあの子…って?
まさか…えっ?あいつがそこまでする…?
いや…するかも…するかなぁ…。
まぁいいや。今はそれは考えないで置いておこう。
下村という記者が、冴嶋プロダクションの事務所へ…鈴ちゃんのところへ《取材協力》という名目で訪ねてきた時には《金魚と鈴は繋がっている》ことの事実を既に掴んでいた…。
鈴ちゃんが《知らない》と言い切った嘘も、もう完全にバレてしまっている…。
《藤浦市に、こんな可愛い女の子がいる》《しかも伊藤鈴と友達だ》ってだけの記事なら、わざわざ鈴ちゃんを訪ねて来なくても、もうそのままでも掲載できるはず…読んでも全然面白くない記事だろうけど。
《これは、調べればまだ何か面白いネタが出てくる》とでも勘繰っているんだろうか…。
『すぐに…何処かの芸能事務所が目を付けて、すぐに芸能界デビューするんじゃないかなぁ』なんて、意味深なことも言っていたし…。
もう冴嶋プロダクションと契約することまで知っ…まさか…。
どこまで知ってるんだ…どこまで調べ上げるつもりなんだ…。
何にせよ《僕は実は女装男子》だって秘密だけは、最後まで死守しないと…。
どうあれマスメディア社団と自分たち、一個人が正面から争い合ったところで…絶対に勝てない。そして秘密は全て盗み取られてしまう。勝率は0%…。
もう狙われてしまった今、唯一僕らができることは…とにかく逃げること。少しでも時間を稼ぐこと。それだけ…。
ーー信吾くん、それに金魚ちゃん。
とにかく逃げ切ってほしいの。お願い。無事にデビューする日まで。
いずれ、金魚ちゃんが《女装男子》だってことはバレてしまう。彼らだって《情報収集のプロフェッショナル》なんだから。
《金魚は女装した男子》ってことを《覚悟を決めて自ら白状する》のと《月刊誌に写真掲載とともに記事にされて、バラされてしまう》のとでは、天と地ほど明らかに違う。
今の状況…事の次第によっては、信吾くんは金魚ちゃんとしては、もう…《藤浦市を、早瀬ヶ池の街を…二度と歩くことはできない》かもしれない…。
下村という記者は、池川金魚という《名前》も《顔》も《出没する街》も知ってるんだから。
藤浦市の街々のどこに、下村さんやその情報提供者が潜んでいるとも分からないから…。
明日、もう一度私の方から改めて電話するね。こんなに長い書き込み…本当にごめんなさい…。
ーー
僕はこの長い長いLINEの書き込みを、何度も何度も何度も…読み返した。
金魚はもう二度と…藤浦市を…早瀬ヶ池を…歩けない?
嘘だろ…。
こんな突然に《瀬ヶ池の金魚》の《存在消滅》が訪れるなんて…。
くそ…誰がこんな情報提供を…!
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