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女装と復讐 -完結編-
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鈴ちゃんとの電話が、中途半端に終わった。
胸騒ぎがする…止まらない。ドキンドキンと心臓の鼓動が強く速くなる…。
僕はスマホを握りしめたままベットにゆっくりと腰を下ろし、これから夕飯の準備をしなければならないことさえ、しばらくどうでもよくなって…スマホに届くはずの鈴ちゃんからのLINEをじっと待った。
まるで気力を失ったかのように、LINEを待つこと以外に、何かしようなんて考えられなかった…。
…午後8時を過ぎた…けど、まだ鈴ちゃんからのLINEは来ていない。
スタジオ収録って、いつ終わるんだろう。もうこんな時間なんだけど…。
僕はふと詩織のことが頭に浮かび、詩織に電話を掛けた。
詩織の声を聞けば、不安が無くなって少しでも落ち着ける…なんて考えたのかもしれない。
「はーい。もっしもーし」
『…もしもし。詩織…』
「んん?どうしたの?信吾。こんな時間に…?」
僕は、鈴ちゃんから聞いた電話の内容…金魚が《月刊文秋》の凄腕記者に狙われているらしいってことを、詩織に話した。
「なんで?なぜ金魚が《月刊文秋》の記者なんかに狙われてるの?」
『僕だって解らないよ。その詳しいことを、鈴ちゃんがLINEに書いて送ってくれるって言ってくれてたから…それを今、じっと待ってたところなんだ…』
やっぱり…詩織の声を聞いただけで、少し鼓動も治まって…安心したようにちょっと落ち着けた。
「ねぇ、夕ご飯は食べた?」
『えっ?まだ…』
「…まだなの?じゃあ私が今から信吾のアパート行って、なにか夕ご飯作ってあげようか?」
『そんな。いいよ…大丈夫』
詩織は「夕ご飯、ちゃんと食べなさいね」「少し気長に、リラックスして鈴ちゃんからのLINEを待とうよ」「LINEが来たら、私にもそのやり取りを教えてね」と、そう言って…。
「大丈夫よ。私も付いてるから…ね。安心して。おやすみ」
…今夜の詩織との電話が終わった。
電話を通して…僕の不安感が詩織に伝わったり…してたのかな?もしかして…。
今夜の詩織…凄く優しいって思った。
とりあえず、詩織に言われたとおり夕飯の準備を始め、それを食べて済ませて…シャワーを浴びて…またベッドに戻ってきて…まだ来ない鈴ちゃんからのLINEを更に待ってた…。
…午前0時33分。頑張って待ったけど…まだLINEは来ない。
待ち疲れた僕は…今夜は眠ることにした…。
翌朝。午前6時18分。
少し早く目覚めた僕は、立ち上がって机に置いて充電していたスマホを手に取って、LINEの新着を確認…!
あっ!鈴ちゃんからのLINE、来てた!
鈴ちゃんの書き込み時刻は…午前4時33分。
僕は慌てて、そのLINEの内容を確認する…。
【LINE送信が遅れて、しかもこんな夜明けにごめんなさい】
そんな書き出しから始まっているLINEの書き込み。
結構な長文…事細かに説明されている。
そのLINEの書き込みを縮約すると…。
ーー鈴ちゃんが冴嶋プロダクションの事務所に居たとき、下村いう記者が事務所にアポなしで訪ねてきて、鈴ちゃんに《取材協力》を求めてきた。
不信感を抱きながらも、接客席へと下村記者を案内する鈴ちゃん…。
胸騒ぎがする…止まらない。ドキンドキンと心臓の鼓動が強く速くなる…。
僕はスマホを握りしめたままベットにゆっくりと腰を下ろし、これから夕飯の準備をしなければならないことさえ、しばらくどうでもよくなって…スマホに届くはずの鈴ちゃんからのLINEをじっと待った。
まるで気力を失ったかのように、LINEを待つこと以外に、何かしようなんて考えられなかった…。
…午後8時を過ぎた…けど、まだ鈴ちゃんからのLINEは来ていない。
スタジオ収録って、いつ終わるんだろう。もうこんな時間なんだけど…。
僕はふと詩織のことが頭に浮かび、詩織に電話を掛けた。
詩織の声を聞けば、不安が無くなって少しでも落ち着ける…なんて考えたのかもしれない。
「はーい。もっしもーし」
『…もしもし。詩織…』
「んん?どうしたの?信吾。こんな時間に…?」
僕は、鈴ちゃんから聞いた電話の内容…金魚が《月刊文秋》の凄腕記者に狙われているらしいってことを、詩織に話した。
「なんで?なぜ金魚が《月刊文秋》の記者なんかに狙われてるの?」
『僕だって解らないよ。その詳しいことを、鈴ちゃんがLINEに書いて送ってくれるって言ってくれてたから…それを今、じっと待ってたところなんだ…』
やっぱり…詩織の声を聞いただけで、少し鼓動も治まって…安心したようにちょっと落ち着けた。
「ねぇ、夕ご飯は食べた?」
『えっ?まだ…』
「…まだなの?じゃあ私が今から信吾のアパート行って、なにか夕ご飯作ってあげようか?」
『そんな。いいよ…大丈夫』
詩織は「夕ご飯、ちゃんと食べなさいね」「少し気長に、リラックスして鈴ちゃんからのLINEを待とうよ」「LINEが来たら、私にもそのやり取りを教えてね」と、そう言って…。
「大丈夫よ。私も付いてるから…ね。安心して。おやすみ」
…今夜の詩織との電話が終わった。
電話を通して…僕の不安感が詩織に伝わったり…してたのかな?もしかして…。
今夜の詩織…凄く優しいって思った。
とりあえず、詩織に言われたとおり夕飯の準備を始め、それを食べて済ませて…シャワーを浴びて…またベッドに戻ってきて…まだ来ない鈴ちゃんからのLINEを更に待ってた…。
…午前0時33分。頑張って待ったけど…まだLINEは来ない。
待ち疲れた僕は…今夜は眠ることにした…。
翌朝。午前6時18分。
少し早く目覚めた僕は、立ち上がって机に置いて充電していたスマホを手に取って、LINEの新着を確認…!
あっ!鈴ちゃんからのLINE、来てた!
鈴ちゃんの書き込み時刻は…午前4時33分。
僕は慌てて、そのLINEの内容を確認する…。
【LINE送信が遅れて、しかもこんな夜明けにごめんなさい】
そんな書き出しから始まっているLINEの書き込み。
結構な長文…事細かに説明されている。
そのLINEの書き込みを縮約すると…。
ーー鈴ちゃんが冴嶋プロダクションの事務所に居たとき、下村いう記者が事務所にアポなしで訪ねてきて、鈴ちゃんに《取材協力》を求めてきた。
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