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女装と復讐 -完結編-
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『信吾が金魚だった、あの頃のことを思い出すわね…。あれからもう20年よ』
…20年?
えっ!?じゃ、僕の目の前にいる詩織は…40歳!?
驚いた…。
40歳になった詩織は…今も可愛らしさを残しつつ、とても綺麗になっていた…。
『それとね、優月が《お姉ちゃん!僕、男の子なのに、なんで女の子の格好して、お姉ちゃんと一緒に街を歩かなきゃいけないの!》って』
男の子の優月…って誰?
『そしたら瑠琉が《お父さんは、それで有名になって、今の仕事になって、お母さんと結婚して、幸せになったの!》って。《優月もお父さんみたいな幸せを目指すの!解った!?》って。可愛いわ…二人とも。あはははは』
…瑠琉?るる…?
『信吾…今日やっぱり、なんか変よ。まさか忘れたの?岩塚瑠琉と岩塚優月…自分の娘と息子でしょ…?』
…はぁ!?
今何って??
『今何って?…じゃない!もう帰るよって言ったの!…ねぇ信吾!』
…へ?
ふと気付くと…僕の知ってる20歳の詩織が、僕の顔を覗き込んでた。
『お母様…やっぱり信吾、なんか変です…』
『んー…ねぇ。もう夜の10時を過ぎてるから…眠くなっちゃったのかな?』
僕はアパートでも、11時頃にいつも寝てたんだから。まだ眠くなってない!
『詩織!僕も現実っぽく想像できたよ!花火も!浴衣姿の詩織のことも!』
『はいはい…とりあえず車に乗って。明日は信吾の高校の時の母校とか、見に行くんだから』
『高校の母校?…緑川北高校を!?』
『だから、早く帰ってゆっくり休みましょう』
宏美叔母さんと母さんは、もう車に乗っていた。
僕はその車へと向かい歩く詩織の後ろ姿を駆けて追った。
『ってか聞いてって!本当にリアルっぽく想像できたんだって!』
『それはおめでとう。じゃあ明日、空いた時間があったら聞いてあげるから』
…。
そして次の日の朝…。
また母詩織コンビの作ってくれた朝ごはんをいただき、少しゆっくり過ごしてからの…午前9時。
『信吾のお父様。色々とお世話になりました…』
詩織が父さんに会釈してお礼を言う。
『またいつでも、来たい時に来なさい』
『はい。ありがとうございます!』
父さんは珍しく…ニコリと笑ってた。
《僕は詩織の専属メイク担当として、一緒に東京に行くんだ》ってことは、父さんと母さんに伝えられたけど…《実は金魚と名乗って女装してる》ことと《将来"女装男子"として芸能界デビューすることになるかもしれない》ってことは、結局…正直に言えなかった…。
でも、それを言わなければならない《そのとき》がきたら、その時こそ意を決して、正直に言おうと思う。
何にしても…これでほぼ、僕と詩織の東京へ行く準備はできた。
あとは僕の《宮端学院大学の退学届提出》と《復讐》が済めば準備は完了。
復讐実行は、年末に開催される《G.F.アワード》に僕が金魚となって参加したときに…。
つまり《瀬ヶ池の金魚》が存続するのも…あと約3ヶ月…かぁ。
翌週の土曜日…つまり9月の第4土曜日。時刻は午前8時17分。
秋良さんが金魚用の秋物の衣服をどっさりと持って、美容院へとやって来た。
…20年?
えっ!?じゃ、僕の目の前にいる詩織は…40歳!?
驚いた…。
40歳になった詩織は…今も可愛らしさを残しつつ、とても綺麗になっていた…。
『それとね、優月が《お姉ちゃん!僕、男の子なのに、なんで女の子の格好して、お姉ちゃんと一緒に街を歩かなきゃいけないの!》って』
男の子の優月…って誰?
『そしたら瑠琉が《お父さんは、それで有名になって、今の仕事になって、お母さんと結婚して、幸せになったの!》って。《優月もお父さんみたいな幸せを目指すの!解った!?》って。可愛いわ…二人とも。あはははは』
…瑠琉?るる…?
『信吾…今日やっぱり、なんか変よ。まさか忘れたの?岩塚瑠琉と岩塚優月…自分の娘と息子でしょ…?』
…はぁ!?
今何って??
『今何って?…じゃない!もう帰るよって言ったの!…ねぇ信吾!』
…へ?
ふと気付くと…僕の知ってる20歳の詩織が、僕の顔を覗き込んでた。
『お母様…やっぱり信吾、なんか変です…』
『んー…ねぇ。もう夜の10時を過ぎてるから…眠くなっちゃったのかな?』
僕はアパートでも、11時頃にいつも寝てたんだから。まだ眠くなってない!
『詩織!僕も現実っぽく想像できたよ!花火も!浴衣姿の詩織のことも!』
『はいはい…とりあえず車に乗って。明日は信吾の高校の時の母校とか、見に行くんだから』
『高校の母校?…緑川北高校を!?』
『だから、早く帰ってゆっくり休みましょう』
宏美叔母さんと母さんは、もう車に乗っていた。
僕はその車へと向かい歩く詩織の後ろ姿を駆けて追った。
『ってか聞いてって!本当にリアルっぽく想像できたんだって!』
『それはおめでとう。じゃあ明日、空いた時間があったら聞いてあげるから』
…。
そして次の日の朝…。
また母詩織コンビの作ってくれた朝ごはんをいただき、少しゆっくり過ごしてからの…午前9時。
『信吾のお父様。色々とお世話になりました…』
詩織が父さんに会釈してお礼を言う。
『またいつでも、来たい時に来なさい』
『はい。ありがとうございます!』
父さんは珍しく…ニコリと笑ってた。
《僕は詩織の専属メイク担当として、一緒に東京に行くんだ》ってことは、父さんと母さんに伝えられたけど…《実は金魚と名乗って女装してる》ことと《将来"女装男子"として芸能界デビューすることになるかもしれない》ってことは、結局…正直に言えなかった…。
でも、それを言わなければならない《そのとき》がきたら、その時こそ意を決して、正直に言おうと思う。
何にしても…これでほぼ、僕と詩織の東京へ行く準備はできた。
あとは僕の《宮端学院大学の退学届提出》と《復讐》が済めば準備は完了。
復讐実行は、年末に開催される《G.F.アワード》に僕が金魚となって参加したときに…。
つまり《瀬ヶ池の金魚》が存続するのも…あと約3ヶ月…かぁ。
翌週の土曜日…つまり9月の第4土曜日。時刻は午前8時17分。
秋良さんが金魚用の秋物の衣服をどっさりと持って、美容院へとやって来た。
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