女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -完結編-

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復讐計画を、一旦はめようかと、けっこう深刻に悩んだけど…鈴ちゃんや他のみんなの引き留めや復讐実行の勧めもあって、やっぱりこれまでの計画どおり、復讐を実行しようと僕は考え直した。



…では再確認。
復讐の実行日時は年末開催の《G.F.アワード》の当日。池川金魚のアワード受賞式のあとで…だよね。

だけど…。
もっとも当初の計画のような《瀬ヶ池の女の子たちへの、一方的な罵り責め》っていう復讐方法はやめよう。僕だって少なからず悪かったんだから。

それにその方が、今まで大切にしてきた《金魚の交換的なイメージ》が壊れなくて済むし。うんうん。






…鈴ちゃんと歩美さんの、簡単な《ファミリー加入の報告小会議》、それに鈴ちゃんの《加入志望のきっかけ》と、金魚の《復讐の計画と実行日の提案》…全てが無事に終わり…。

僕らは《la satif emplieレセティ・アンプリエ》へ夜の食事会に行こう!ってことになって、みんなで揃って出掛けた。






『…おいおい。本当にこんな高級なところで飯食うのかよ…』

『すっげぇ…こんな高級店、テレビ番組でしか見たことないって…!』


首が折れてしまわないだろうか…って、心配になるほどキョロキョロと忙しく、周りを見回して落ち着きのない秋良さんと大基さん。


『おぉーっ!今日は団体さまじゃないの!ありがとおっ♪可愛いリンリンっ♪』


しばらく鈴ちゃんと抱擁を交わした、いつもと似た綺麗な和装姿のゆずぽんさん…こと、若女将の小柚子さん。


『ゆずぽん、本当に大丈夫なの?10名なんだけど…』


鈴ちゃんが小柚子さんに、そう心配そうに訊く。

あ…美容院では9人だったけど、さっきナオさんが合流したので10人に。


『それが大丈夫なの。うちのお店は導引受客定員数と個室の数も、自慢のひとつなんだから』






地上高約168m…アンプリエの地上45階から見る、眼下に広がる藤浦市の美しい夜景…。

今年の年明けを過ごした、アンナさんの高層マンションから見た、遠く輝く早瀬ヶ池の高層ビル群の夜景も凄かったけど…今夜はそれが、僕らの視界の真下に。


『もう…ほんとに綺麗…』

『素敵な夜景ね』

『うん。ずっと見ていられるね…』

『私…感動で胸がいっぱいで、なんだか涙が出ちゃいそう…』

『高速道路の環状線を走る、たくさんの車のライトが、まるで《星の河》みたい…』


アンナさんとナオさんを除いた僕ら8人、料理が運ばれてくるまで、たまに雑談もしながら…まるで子どものように…その美しい夜景に魅了され続けてた…。






その後…アンナさんの美容院から秋良さんの車で、秋良さんと春華さんに自分のアパートまで送ってもらい、帰宅した…のは、午後9時23分頃だった。






















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