女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -完結編-

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そして5人揃ってナオさんに挨拶をし、化粧品店《B.lossoM》を出た。

これから、春華さんの運転で僕以外の4人が乗ってきた秋良さんの車…黒色の、トヨタのでっかいSUV車…に乗って、アンナさんの美容院へとまた戻るため、僕らは車の駐車してある、新井早瀬駅の地下駐車場へと徒歩で移動。

でも、向かうその途中で…。


『あの…春華ちゃん』

『うん。なに?鮎美ちゃん』


急に歩美さんが立ち止まったから、僕らも全員立ち止まって歩美さんを見た。


『ちょっとだけでいいから、みんなで《ハイカラ通り》を歩いてみたいな…って。そう思ったんだけど…やっぱりダメだよね』

『うん。だってもう秋良くん達、アンナさんのお店で待ってるしね…』

『ねぇ春華さん、ちょっとだけでもダメなのかな…』


詩織も歩美さんの意見《みんなでハイカラ通りを歩いてみたい》に賛同。


『私たち5人が、こうやって一度に揃うなんてこと…この先もう無いかもしれないし…』


鈴ちゃんが有名な芸能人なんだから、毎日が忙しいのはもちろん、春華さんだって毎日の勤務状況や労働時間帯が常に変動する、忙しい看護師さんだし。

詩織が言うように、この5人が全員揃うなんてのも、確かに今後は難しいことかも。


『じゃあ…ちょっとだけね。みんなで《ハイカラ通り》を歩こっか!』

『やったぁ♪早く行こ行こっ♪』
『ありがとう!春華ちゃん!』


僕はちらっと鈴ちゃんを見た。

鈴ちゃんも僕を見てニコッと、もの凄く可愛い笑顔を見せてくれた。






そして僕らは《ハイカラ通り》に到着。

でもちょっとだけ、どころか…《ハイカラ通り》を通りの入り口から、3分の1あたりまで歩いてきただけなのに…僕らは、めっちゃくちゃたくさんの瀬ヶ池の女の子たちに囲まれてしまってた。


「鈴ちゃーん♪詩織ちゃんと金魚ちゃーん♪」
「やっぱり金魚ちゃんのお姉ちゃんも、こんな間近で見るとほんっとに凄く可愛いー♪」
「鮎美ちゃんだってば。金魚ちゃんのお姉ちゃんの名前」

「鈴ちゃんと金魚ちゃんと詩織ちゃん達、これからどこか行くのー?」
「サイン書いてもらってもいいですかー?」
「あ!私も欲しーい!サインー!」
「ねぇ!うちら、一緒に写真撮ってもらおうよ!」
「いいね!勝手に撮っちゃおう!写真!」



『あ…あはは…』


…僕は疲れたように、そう笑うしかなかった…。


『なんか凄いね…。瀬ヶ池の女の子たちの勢いって…』


歩美さんは、集団化した瀬ヶ池の女の子たちの、圧倒的な行動力に驚いてる様子。


『もう…帰るタイミング、完全に見失っちゃったかも…あはは』


鈴ちゃんは驚き過ぎてそれを越えて、もう笑えてきた…って感じ。


『でもやっぱり人気あるねー。鈴ちゃんも、詩織ちゃんと金魚ちゃんも』


春華さんはというと…しみじみと感心してた。




『だけど気持ちいいよねっ♪これだけたくさんの女の子たちに注目されちゃうと…癖になっちゃうぅ♪きゃははははは♪』


…気持ちいい…癖になっちゃう…って。
それは詩織だけ…じゃない?






















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