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女装と復讐 -完結編-
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そして…一晩明けて、また次の日。
今日は8月15日。時刻は午前6時23分。
ナオさんのお店には、午前7時40分には出勤していなければならない。
だから、あまりゆっくりもしてられない…急がないと。
カーテンを勢いよく開けると…日中ずっと雨が降っていた昨日とは違って、今朝は眩しいくらいの良い天気…気持ちがいい。
今日は一日中《快晴》らしい。
…午前10時57分。ナオさんの化粧品店《BlossoM.》にて。
本日4人目の女の子のメイクが、今ちょうど終わったところ。
僕はキョロキョロと、次にメイクする女の子を目で探す…んだけど、あれ…?
居ない…?
『あのー…私の次のメイクアップをお待ちの、お客さまの女の子は…?』
『…金魚姫さまぁ。私たちでーす』
おっ!居た居た……えっ?
きっ、金魚…姫さまぁ!!?
まさか…。
そう悪い予感を脳裏に浮かべながら、恐る恐る振り向き見…あぁ。
…やっぱりかぁ。
そこには…すっぴん顔で既に準備完了中の、樋口絵里佳と佐藤美佳ちゃんの姿…。
「ねぇ…私はあとでいいから、美佳ちゃんが先にやってもらいなよぉ」
「えっ、でも…いいの?」
…?
二人だけで、何かコソコソと喋っている樋口と美佳ちゃん。
『じゃ…金魚ちゃん、お願いします』
『あ…は、はい。じゃあここに座って』
…ってことで、先に美佳ちゃんのメイクをしてあげることに。
うちの大学の2年女子のなかで、一番美人だと言われている美佳ちゃんだけど…。
確かに他の女の子たちと比べれば綺麗なほう…だけど、すっぴん顔はなんとなく《普通の女の子》かなぁと思ってしまった。
メイクは20分ほどで完成。
あー。なるほど。
美佳ちゃんは《化粧映え》する、メイクし易い顔立ちだった。
次は…遂に、僕の天敵《元?高飛車嬢》の樋口。
嫌な予感しかしないんだけど…。
樋口は椅子に座るなり、勢いよく振り向いて僕の顔を見た。
そして頬をほんのり紅く染めながら、自分の唇を左手の人差し指で触れて見せた…?
『姫さま。えへ♪』
『…?』
『私の唇…どうですか?』
どうですか…って?
『私もメイクのこと、勉強してみたんです。ネットで自分で調べて…』
へぇ…偉いじゃん。
『…そしたら、リップメイクする前に、唇のリンパをマッサージしておくと、唇の血行が良くなって…Kissがしたくなる魅惑の唇になれますよー…って♪』
あー。《私の唇、どうですか?》って、そういうことか。
だから来店してすぐ、美佳ちゃんと女性用トイレに駆け込んで、洗面台の前でメイクを落としつつ、併せて唇のマッサージも一生懸命していたんだとか。
『本当にKiss…したくなる魅力的な唇になってますか…?』
『えっ?あ…うん。ぷくっと濃いピンク色になってて、可愛らしくてとても魅力的…って思うよ』
…けど、今日はKissはしません。絶対にしません!樋口はとは!
『だったら、ほんとに効果ある…ってことですよね。マッサージ』
『…ね。けど唇だけじゃないよ。顔全体もね、メイク前に軽くマッ…はっ!』
…話題がメイクに関わることだったから、ついつい時間を忘れて熱く語りたくなりそうだった…危ない危ない。
今日は8月15日。時刻は午前6時23分。
ナオさんのお店には、午前7時40分には出勤していなければならない。
だから、あまりゆっくりもしてられない…急がないと。
カーテンを勢いよく開けると…日中ずっと雨が降っていた昨日とは違って、今朝は眩しいくらいの良い天気…気持ちがいい。
今日は一日中《快晴》らしい。
…午前10時57分。ナオさんの化粧品店《BlossoM.》にて。
本日4人目の女の子のメイクが、今ちょうど終わったところ。
僕はキョロキョロと、次にメイクする女の子を目で探す…んだけど、あれ…?
居ない…?
『あのー…私の次のメイクアップをお待ちの、お客さまの女の子は…?』
『…金魚姫さまぁ。私たちでーす』
おっ!居た居た……えっ?
きっ、金魚…姫さまぁ!!?
まさか…。
そう悪い予感を脳裏に浮かべながら、恐る恐る振り向き見…あぁ。
…やっぱりかぁ。
そこには…すっぴん顔で既に準備完了中の、樋口絵里佳と佐藤美佳ちゃんの姿…。
「ねぇ…私はあとでいいから、美佳ちゃんが先にやってもらいなよぉ」
「えっ、でも…いいの?」
…?
二人だけで、何かコソコソと喋っている樋口と美佳ちゃん。
『じゃ…金魚ちゃん、お願いします』
『あ…は、はい。じゃあここに座って』
…ってことで、先に美佳ちゃんのメイクをしてあげることに。
うちの大学の2年女子のなかで、一番美人だと言われている美佳ちゃんだけど…。
確かに他の女の子たちと比べれば綺麗なほう…だけど、すっぴん顔はなんとなく《普通の女の子》かなぁと思ってしまった。
メイクは20分ほどで完成。
あー。なるほど。
美佳ちゃんは《化粧映え》する、メイクし易い顔立ちだった。
次は…遂に、僕の天敵《元?高飛車嬢》の樋口。
嫌な予感しかしないんだけど…。
樋口は椅子に座るなり、勢いよく振り向いて僕の顔を見た。
そして頬をほんのり紅く染めながら、自分の唇を左手の人差し指で触れて見せた…?
『姫さま。えへ♪』
『…?』
『私の唇…どうですか?』
どうですか…って?
『私もメイクのこと、勉強してみたんです。ネットで自分で調べて…』
へぇ…偉いじゃん。
『…そしたら、リップメイクする前に、唇のリンパをマッサージしておくと、唇の血行が良くなって…Kissがしたくなる魅惑の唇になれますよー…って♪』
あー。《私の唇、どうですか?》って、そういうことか。
だから来店してすぐ、美佳ちゃんと女性用トイレに駆け込んで、洗面台の前でメイクを落としつつ、併せて唇のマッサージも一生懸命していたんだとか。
『本当にKiss…したくなる魅力的な唇になってますか…?』
『えっ?あ…うん。ぷくっと濃いピンク色になってて、可愛らしくてとても魅力的…って思うよ』
…けど、今日はKissはしません。絶対にしません!樋口はとは!
『だったら、ほんとに効果ある…ってことですよね。マッサージ』
『…ね。けど唇だけじゃないよ。顔全体もね、メイク前に軽くマッ…はっ!』
…話題がメイクに関わることだったから、ついつい時間を忘れて熱く語りたくなりそうだった…危ない危ない。
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