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女装と復讐 -完結編-
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今日は8月10日。時刻は午後は3時32分。
今日も10人の女の子にメイクを済ませ…疲れたぁ。
それで…さっき来てくれた詩織と、今からまたハイカラ通りへと向かう予定。
『ナオさーん、では金魚とハイカラ通りに行ってきまぁーす』
すぐに駆け寄ってきてくれたナオさん。
『金魚ちゃん、大丈夫なの?』
『えっ?何が…ですか?』
ナオさんの表情…なにかとっても心配そう…。
『毎日毎日、10人もメイクしてるんだし…そろそろ疲れてきてない?』
…あー。そういうことかぁ。
僕はナオさんを安心させるように、にこっと笑顔を見せた。
『大丈夫です。明日だって明後日だって、金魚のメイクを希望してる女の子たちの予約は入ってるんですし…』
『でも、アンナも《そろそろ1日くらい、金魚を休ませてあげたほうが》って、心配してたわ』
いくらアルバイトであっても、これは僕の《修行》なんだ。
それに、アンナさんも若い頃に《毎日10人》のこの修行…1日も休まず、最後までずっと続けてたんだって聞いた。
僕だって最後まで1日も休まず頑張る…!
『じゃあ、行ってきます。行こう詩織』
僕は詩織と揃って、ナオさんのお店を出た。
『本当に…大丈夫なの?』
詩織までそう言ってくれた。
『うん。大丈夫。心配なんて要らないよ』
…午後4時52分。
今日も逃げるように、ハイカラ通りを離れた僕ら2人。このあと何処へ行こうか、また悩んでいた…。
『ねぇ金魚、どこか行きたいとことかある?』
…なんて訊かれてもね…。
『もちろん、藤浦市のなかだけでだよ』
それは分かってる…あっ!
『もーぅ、今日はアンプリエは行くの、止めておきたいよね。その他で…』
『…詩織』
『えっ…何?』
僕と詩織は、ゆっくりと互いを見合った。
『行きたいとこ…あった』
『えっ?どこどこっ?』
僕は更に真剣な眼差しで詩織を見る。
『…PARCO…』
『あ、PARCO?行きたいの?』
『…の、前の大通り…』
『えっ?』
…大勢の女の子たちや車が行き交うPARCO早瀬ヶ池店の前の大通り。
僕は少し離れた位置から、見付からないように…PARCO前の大通りに1人立つ《彼》を見詰めていた…。
ひょろりと痩せてて背が高くて、髪型は《坊ちゃんカット》…そして眼鏡…。
今着ているのは…僕は分からない、萌え系アニメキャラっぽい女の子のプリントされた灰色のTシャツと、深緑色の細い変なジーパン…。
そして薄汚れたスニーカー…。
さすがに…確かにあれは、普通の女の子では近寄り難い雰囲気…ちょっと気持ちの悪いオーラを醸し出している…。
『金魚、あの人が最近《キモいナンパしてるキモい奴》って噂の《瀬ヶ池のドジョウ》よ…』
今日も10人の女の子にメイクを済ませ…疲れたぁ。
それで…さっき来てくれた詩織と、今からまたハイカラ通りへと向かう予定。
『ナオさーん、では金魚とハイカラ通りに行ってきまぁーす』
すぐに駆け寄ってきてくれたナオさん。
『金魚ちゃん、大丈夫なの?』
『えっ?何が…ですか?』
ナオさんの表情…なにかとっても心配そう…。
『毎日毎日、10人もメイクしてるんだし…そろそろ疲れてきてない?』
…あー。そういうことかぁ。
僕はナオさんを安心させるように、にこっと笑顔を見せた。
『大丈夫です。明日だって明後日だって、金魚のメイクを希望してる女の子たちの予約は入ってるんですし…』
『でも、アンナも《そろそろ1日くらい、金魚を休ませてあげたほうが》って、心配してたわ』
いくらアルバイトであっても、これは僕の《修行》なんだ。
それに、アンナさんも若い頃に《毎日10人》のこの修行…1日も休まず、最後までずっと続けてたんだって聞いた。
僕だって最後まで1日も休まず頑張る…!
『じゃあ、行ってきます。行こう詩織』
僕は詩織と揃って、ナオさんのお店を出た。
『本当に…大丈夫なの?』
詩織までそう言ってくれた。
『うん。大丈夫。心配なんて要らないよ』
…午後4時52分。
今日も逃げるように、ハイカラ通りを離れた僕ら2人。このあと何処へ行こうか、また悩んでいた…。
『ねぇ金魚、どこか行きたいとことかある?』
…なんて訊かれてもね…。
『もちろん、藤浦市のなかだけでだよ』
それは分かってる…あっ!
『もーぅ、今日はアンプリエは行くの、止めておきたいよね。その他で…』
『…詩織』
『えっ…何?』
僕と詩織は、ゆっくりと互いを見合った。
『行きたいとこ…あった』
『えっ?どこどこっ?』
僕は更に真剣な眼差しで詩織を見る。
『…PARCO…』
『あ、PARCO?行きたいの?』
『…の、前の大通り…』
『えっ?』
…大勢の女の子たちや車が行き交うPARCO早瀬ヶ池店の前の大通り。
僕は少し離れた位置から、見付からないように…PARCO前の大通りに1人立つ《彼》を見詰めていた…。
ひょろりと痩せてて背が高くて、髪型は《坊ちゃんカット》…そして眼鏡…。
今着ているのは…僕は分からない、萌え系アニメキャラっぽい女の子のプリントされた灰色のTシャツと、深緑色の細い変なジーパン…。
そして薄汚れたスニーカー…。
さすがに…確かにあれは、普通の女の子では近寄り難い雰囲気…ちょっと気持ちの悪いオーラを醸し出している…。
『金魚、あの人が最近《キモいナンパしてるキモい奴》って噂の《瀬ヶ池のドジョウ》よ…』
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