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女装と復讐 -完結編-
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金魚が女の子たちの目の前ですっぴん顔を晒し、メイクをしてその技術を見せつける…。この計画を発案したのは詩織。
いつだったかな…6月の上旬頃?
瀬ヶ池の女の子のたちの集まる、あのサイト《カラフル》に…。
【なんで金魚はいつもいつも、アンナさんにくっついてるのか、教えよっか?】
【金魚は自分で、メイクができないからよ】
【しかもメイクを取ったすっぴん顔は、まるで別人、超ブサ子だって】
【そうそう。すっぴんの金魚はブス顔。実はただのメイク詐欺っ子だよ!】
…そんなふうに色々と、金魚のことが書き込まれていたのを詩織が発見。そして詩織の怒りに火が着いた…というわけ。
最近では金魚のことになると、僕よりも詩織のほうが誰よりも早く、機敏に反応して感情に表している。
そしてアンナさんも、この《金魚のすっぴん顔ご披露&メイク実演》の計画を詩織から相談されて大賛同。
《金魚のメイク技術向上修行》が本来の目的だという、ナオさんの化粧品店での《メイクサービスアルバイト》…その始業日の前日のデモンストレーションにしましょう!…って提案してくれたのも、実はアンナさんだった。
僕はメイクを直感に程近い潜在的感覚に任せ、意識は完全に物思いに耽っている。
周りの女の子たちの存在も、全く意識から消えていた…。
『あなたのメイクは凄く繊細で丁寧。だから仕上がりだってとても綺麗。だけど、それだけではまだまだよ…』と、僕にそう教えてくれたアンナさん。
技術的に、僕にまだ足りないもの…それは《経験》と《スピード》らしい…。
明日から5時間のアルバイト。ノルマは1日に10人…つまり、1時間内にお客さまである女の子、2人にメイクをしてあげなければならない…ってことになる。
僕は自分の顔と詩織にしかメイクをしたことがない。けれど女の子たちは一人一人、目や唇や鼻の形…そして顔の輪郭や骨格も違う。肌の体質や肌理だって違う…。
それによって、メイクだってやり方が多少なり変わる…。
そういう経験をたくさんしなさい…僕にそう指導してくれたアンナさん…。
でも本当に1時間に、女の子2人にメイクなんて、疲れないかな?ずっと続けられるかな?
本当にできるかな…僕。
けど、アンナさんは僕に期待してくれている…信吾ならできると信じてくれているはずだ…。
うん。そうだ。頑張らないと…。
僕がまず、僕自身を信じなくてどうする…!
…あれ?そういえばメイク…どこまで出来てたんだっけ?
また我に返った僕…右手にリップライナーを持ち、鏡を覗き込んでいた。
あ…リップメイクの途中だったらしい。すっかり無意識的な慣性に任せっきりで、メイクを続けてた…。
金魚!意識を持ってしっかりしないと…!
いつだったかな…6月の上旬頃?
瀬ヶ池の女の子のたちの集まる、あのサイト《カラフル》に…。
【なんで金魚はいつもいつも、アンナさんにくっついてるのか、教えよっか?】
【金魚は自分で、メイクができないからよ】
【しかもメイクを取ったすっぴん顔は、まるで別人、超ブサ子だって】
【そうそう。すっぴんの金魚はブス顔。実はただのメイク詐欺っ子だよ!】
…そんなふうに色々と、金魚のことが書き込まれていたのを詩織が発見。そして詩織の怒りに火が着いた…というわけ。
最近では金魚のことになると、僕よりも詩織のほうが誰よりも早く、機敏に反応して感情に表している。
そしてアンナさんも、この《金魚のすっぴん顔ご披露&メイク実演》の計画を詩織から相談されて大賛同。
《金魚のメイク技術向上修行》が本来の目的だという、ナオさんの化粧品店での《メイクサービスアルバイト》…その始業日の前日のデモンストレーションにしましょう!…って提案してくれたのも、実はアンナさんだった。
僕はメイクを直感に程近い潜在的感覚に任せ、意識は完全に物思いに耽っている。
周りの女の子たちの存在も、全く意識から消えていた…。
『あなたのメイクは凄く繊細で丁寧。だから仕上がりだってとても綺麗。だけど、それだけではまだまだよ…』と、僕にそう教えてくれたアンナさん。
技術的に、僕にまだ足りないもの…それは《経験》と《スピード》らしい…。
明日から5時間のアルバイト。ノルマは1日に10人…つまり、1時間内にお客さまである女の子、2人にメイクをしてあげなければならない…ってことになる。
僕は自分の顔と詩織にしかメイクをしたことがない。けれど女の子たちは一人一人、目や唇や鼻の形…そして顔の輪郭や骨格も違う。肌の体質や肌理だって違う…。
それによって、メイクだってやり方が多少なり変わる…。
そういう経験をたくさんしなさい…僕にそう指導してくれたアンナさん…。
でも本当に1時間に、女の子2人にメイクなんて、疲れないかな?ずっと続けられるかな?
本当にできるかな…僕。
けど、アンナさんは僕に期待してくれている…信吾ならできると信じてくれているはずだ…。
うん。そうだ。頑張らないと…。
僕がまず、僕自身を信じなくてどうする…!
…あれ?そういえばメイク…どこまで出来てたんだっけ?
また我に返った僕…右手にリップライナーを持ち、鏡を覗き込んでいた。
あ…リップメイクの途中だったらしい。すっかり無意識的な慣性に任せっきりで、メイクを続けてた…。
金魚!意識を持ってしっかりしないと…!
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