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女装と復讐 -街華編-
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最後にアンナさんが話をまとめる。
『啓介くんももう26歳なんだし、秋良くんみたいに、そろそろ《将来を見据えられる、将来を誓える可愛い彼女》が居たっていいでしょ?…そういうことよ』
…《彼女》とか《居たっていいでしょ?》ってより、家事も手伝いますって言ってたし…もう歩美さんにとって、もっと進んで《下宿というか、花嫁修行です!》って、実際そうなるんじゃないかなぁ…としか思えない。
この大胆奇抜な発想力と実行力…いつでも本当に凄い…凄過ぎる!アンナさん。
そして本当にそうなるのなら…啓介さん。ほんと羨ましい。
『んー。でもアンナさん。啓介くんが鮎美ちゃんを連れて帰って、何の前触れもなく、いきなりお母さんやお父さんに《彼女を今夜から家に下宿させてやって!》なんて…大丈夫かなぁ』
『大丈夫かなぁ…って?ご両親が許してくれるかな…ってこと?詩織』
『うん』
心配そうな詩織に、アンナさんは今夜は何度目かの微笑みを見せた。
『だから、さっきも言ったでしょ。啓介くんのお父さんもお母さんも、大歓迎してくれるわ。跳んではしゃいで大喜びよ』
今もまだ、美容院内のロングソファーに座っている僕と詩織。
アンナさんは僕らの目の前に、少しリラックスして立っている。
『…あ、もしもし?お父さん?』
《アンナファミリー》の《臨時特別集会》も無事に済んで、そろそろ帰ろっかなー…と詩織はお父さんにLINEで電話。
『…じゃあ、アンナさんのお店で待ってるから…うん。そう。友達と一緒よ…うん。だから一緒に送ってあげ…うん?…うぅん…うん。はーぃ、はーぃ…あ、はーぃ♪…運転気を付けて来てねー…はーぃ。じゃあねー♪…はーぃ…はーぃ…』
詩織…お父さんとの電話長っ。
そうして、お父さんとの電話を終えた詩織は…。
『あーっ!!そういえばー!』
…と、突然叫ぶ。
『??』
『急にどうしたの?詩織』
『そうそう!鈴ちゃんがね!金魚…てゆうか信吾の《瀬ヶ池の女の子たちへの復讐》手伝っていい?って!!』
あーぁ。そのことかぁ。
『詩織…どういうことなの?』
『実はね、私…鈴ちゃんに《隠してた金魚ほんとのこと》を正直に話して…』
『それって、いつの話?』
『あー。えっと…先週の土曜日…だから、4日前』
アンナさんを見詰めていた詩織の視線が、急に怯えるように伏し目がちになって、フラフラと…左に右に泳ぎだした…?
『あ…あの…アンナさん、何の相談もせずに勝手に…鈴ちゃんに金魚の秘密を話しちゃって…ほんとごめんなさい…』
ロングソファーから立ち上がり、アンナさんの隣に来て…綺麗なお辞儀をして謝ろうとした詩織と、アンナさんは目が合って…。
『私に謝るんだったら、止めなさい。詩織』
『えっ…なんで?』
『決まってるでしょ。詩織は何も悪くないからよ』
《それは詩織が自分自身でよく考えて考えて選んだ判断。だから詩織の判断が軽率で間違った判断だったなんて、決して誰も言えないわ》と、アンナさんは詩織に優しく諭した。
『あとね、もう1つ…アンナさんに言わなきゃならないことがあるの』
アンナさんが、目をパチクリさせる。
『…もう1つ?』
『うん。鈴ちゃんから金魚と私にね、鈴ちゃんの所属する芸能事務所《冴嶋プロダクション》に入らない?って…お誘いがあったの』
『えぇ!?…それって、本当に!?』
『啓介くんももう26歳なんだし、秋良くんみたいに、そろそろ《将来を見据えられる、将来を誓える可愛い彼女》が居たっていいでしょ?…そういうことよ』
…《彼女》とか《居たっていいでしょ?》ってより、家事も手伝いますって言ってたし…もう歩美さんにとって、もっと進んで《下宿というか、花嫁修行です!》って、実際そうなるんじゃないかなぁ…としか思えない。
この大胆奇抜な発想力と実行力…いつでも本当に凄い…凄過ぎる!アンナさん。
そして本当にそうなるのなら…啓介さん。ほんと羨ましい。
『んー。でもアンナさん。啓介くんが鮎美ちゃんを連れて帰って、何の前触れもなく、いきなりお母さんやお父さんに《彼女を今夜から家に下宿させてやって!》なんて…大丈夫かなぁ』
『大丈夫かなぁ…って?ご両親が許してくれるかな…ってこと?詩織』
『うん』
心配そうな詩織に、アンナさんは今夜は何度目かの微笑みを見せた。
『だから、さっきも言ったでしょ。啓介くんのお父さんもお母さんも、大歓迎してくれるわ。跳んではしゃいで大喜びよ』
今もまだ、美容院内のロングソファーに座っている僕と詩織。
アンナさんは僕らの目の前に、少しリラックスして立っている。
『…あ、もしもし?お父さん?』
《アンナファミリー》の《臨時特別集会》も無事に済んで、そろそろ帰ろっかなー…と詩織はお父さんにLINEで電話。
『…じゃあ、アンナさんのお店で待ってるから…うん。そう。友達と一緒よ…うん。だから一緒に送ってあげ…うん?…うぅん…うん。はーぃ、はーぃ…あ、はーぃ♪…運転気を付けて来てねー…はーぃ。じゃあねー♪…はーぃ…はーぃ…』
詩織…お父さんとの電話長っ。
そうして、お父さんとの電話を終えた詩織は…。
『あーっ!!そういえばー!』
…と、突然叫ぶ。
『??』
『急にどうしたの?詩織』
『そうそう!鈴ちゃんがね!金魚…てゆうか信吾の《瀬ヶ池の女の子たちへの復讐》手伝っていい?って!!』
あーぁ。そのことかぁ。
『詩織…どういうことなの?』
『実はね、私…鈴ちゃんに《隠してた金魚ほんとのこと》を正直に話して…』
『それって、いつの話?』
『あー。えっと…先週の土曜日…だから、4日前』
アンナさんを見詰めていた詩織の視線が、急に怯えるように伏し目がちになって、フラフラと…左に右に泳ぎだした…?
『あ…あの…アンナさん、何の相談もせずに勝手に…鈴ちゃんに金魚の秘密を話しちゃって…ほんとごめんなさい…』
ロングソファーから立ち上がり、アンナさんの隣に来て…綺麗なお辞儀をして謝ろうとした詩織と、アンナさんは目が合って…。
『私に謝るんだったら、止めなさい。詩織』
『えっ…なんで?』
『決まってるでしょ。詩織は何も悪くないからよ』
《それは詩織が自分自身でよく考えて考えて選んだ判断。だから詩織の判断が軽率で間違った判断だったなんて、決して誰も言えないわ》と、アンナさんは詩織に優しく諭した。
『あとね、もう1つ…アンナさんに言わなきゃならないことがあるの』
アンナさんが、目をパチクリさせる。
『…もう1つ?』
『うん。鈴ちゃんから金魚と私にね、鈴ちゃんの所属する芸能事務所《冴嶋プロダクション》に入らない?って…お誘いがあったの』
『えぇ!?…それって、本当に!?』
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