376 / 490
女装と復讐 -街華編-
page.365
しおりを挟む
『あ!そういえば…アンナさんの住んでるマンションって、部屋が空いてる階もあるって…その件じゃない?』
詩織が閃いたようにそう言った。
『あのなぁ…詩織。お前あそこ借りたら幾らすると思ってんだよ。月々』
『…だよね。やっぱり…きゃははは…』
『アンナさんの場合はな、雄二さんが月々の住宅ローンを出して助けてくれてるから、あんな高層マンションに住めてるだけだって…』
月々の家賃に糸目を付けなければ、家賃の高い賃貸マンションとか、いくらでも物件は見付かるんだけどな…らしい。
けれど、まだ働き初めの歩美さんに、そんなお高いマンションに住めるほど、たくさんの給料を与えてあげることができないし。
…ってゆうか、それは現在の業務運営の経理上での、毎月の平均収支状況からの算出であって、決して《新人なんだから給料安いのは当たり前だろ!》とか、そういう酷い理由ではないらしい。
秋良さんが呟くように言った『申し訳ないが1年だけ…1年だけでいいんだ。辛抱してくれたら歩美ちゃんにも来年の半ば頃からは、満足してもらえるような給料をやれると思うんだよ…』って。一言。
やっぱり秋良さんって優しくて、思いやりの深い人なんだなぁ…なんて改めて、また思えたり。
『…んまぁ…そういう訳で、実は…安くていいマンション物件が見付かるまで、アンナさんか信吾か詩織の家に、無理言って歩美ちゃんの仮同居を頼めないか…っていう目論見だったんだよ。本当すまん…』
『あー。そういうことだったのね』
そして、一番初めにアンナさんに、それを相談してみたら…なるほど。
それでアンナさん…歩美さんを連れて今、紹介してもらった不動産屋に…ってことだったんだ。
ただ…万が一仮同居をするにしても、アンナさん家や詩織ん家ならともかく…一人暮らししてる《お年頃の僕》と同居させるのは《問題アリ!!》なのでは?
…って、秋良さんに言ってみたら…。
『はぁ?何言ってんだよ信吾。お前らなら顔が似てんだから《俺の姉貴です》で、誰にも疑われることなく、問題なく解決…だろ?』
あの…僕が言いたいのは、そういうことではなく…。
『つか、そういや《金魚は実は男》だって歩美ちゃん、まだ知らねーんだから、やっぱ最初っから無理だったか』
『…。』
『わっははは』
声高らかに大笑いしてる秋良さん…。
『そんな《冗談》はどうでもいいとして…アンナさんと鮎美ちゃん、今行ってる不動産屋さんで安くていいお部屋、見付けて帰ってきてくれるといいね』
『あぁ。そうだな』
詩織と秋良さんが、揃ってウンウンと頷いてる。
…そして約1時間後。アンナさんと歩美さんは美容院へと帰ってきた。
『それで?いいお部屋は見付かったの?』
詩織のそれに答えるアンナさん。
『そうね。4件も見付かったわ』
『えっ!4件も!?…やったぁ!良かったぁ♪』
『だけどお断りしてきたわ。4件全て』
『…えっ、えっ?えっ?』
困惑してる様子の詩織。
僕らも…だけど。
『えぇっ!?な…なんで!?』
ふふっ♪と笑って見せるアンナさん…?
詩織が閃いたようにそう言った。
『あのなぁ…詩織。お前あそこ借りたら幾らすると思ってんだよ。月々』
『…だよね。やっぱり…きゃははは…』
『アンナさんの場合はな、雄二さんが月々の住宅ローンを出して助けてくれてるから、あんな高層マンションに住めてるだけだって…』
月々の家賃に糸目を付けなければ、家賃の高い賃貸マンションとか、いくらでも物件は見付かるんだけどな…らしい。
けれど、まだ働き初めの歩美さんに、そんなお高いマンションに住めるほど、たくさんの給料を与えてあげることができないし。
…ってゆうか、それは現在の業務運営の経理上での、毎月の平均収支状況からの算出であって、決して《新人なんだから給料安いのは当たり前だろ!》とか、そういう酷い理由ではないらしい。
秋良さんが呟くように言った『申し訳ないが1年だけ…1年だけでいいんだ。辛抱してくれたら歩美ちゃんにも来年の半ば頃からは、満足してもらえるような給料をやれると思うんだよ…』って。一言。
やっぱり秋良さんって優しくて、思いやりの深い人なんだなぁ…なんて改めて、また思えたり。
『…んまぁ…そういう訳で、実は…安くていいマンション物件が見付かるまで、アンナさんか信吾か詩織の家に、無理言って歩美ちゃんの仮同居を頼めないか…っていう目論見だったんだよ。本当すまん…』
『あー。そういうことだったのね』
そして、一番初めにアンナさんに、それを相談してみたら…なるほど。
それでアンナさん…歩美さんを連れて今、紹介してもらった不動産屋に…ってことだったんだ。
ただ…万が一仮同居をするにしても、アンナさん家や詩織ん家ならともかく…一人暮らししてる《お年頃の僕》と同居させるのは《問題アリ!!》なのでは?
…って、秋良さんに言ってみたら…。
『はぁ?何言ってんだよ信吾。お前らなら顔が似てんだから《俺の姉貴です》で、誰にも疑われることなく、問題なく解決…だろ?』
あの…僕が言いたいのは、そういうことではなく…。
『つか、そういや《金魚は実は男》だって歩美ちゃん、まだ知らねーんだから、やっぱ最初っから無理だったか』
『…。』
『わっははは』
声高らかに大笑いしてる秋良さん…。
『そんな《冗談》はどうでもいいとして…アンナさんと鮎美ちゃん、今行ってる不動産屋さんで安くていいお部屋、見付けて帰ってきてくれるといいね』
『あぁ。そうだな』
詩織と秋良さんが、揃ってウンウンと頷いてる。
…そして約1時間後。アンナさんと歩美さんは美容院へと帰ってきた。
『それで?いいお部屋は見付かったの?』
詩織のそれに答えるアンナさん。
『そうね。4件も見付かったわ』
『えっ!4件も!?…やったぁ!良かったぁ♪』
『だけどお断りしてきたわ。4件全て』
『…えっ、えっ?えっ?』
困惑してる様子の詩織。
僕らも…だけど。
『えぇっ!?な…なんで!?』
ふふっ♪と笑って見せるアンナさん…?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる