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女装と復讐 -街華編-
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…午前9時41分…新井早瀬駅前に到着し、《おばタク》を降りた僕ら。鈴ちゃんとの待ち合わせ時間までは、もう少しある。
『金魚、久しぶりに…行ってみる?』
『うん。久しぶりに行ってみたい』
流行を発信する繁華街。綺麗で可愛くて凄くお洒落…そんな女の子たちが最も集まる《早瀬ヶ池の心臓》…通称《ハイカラ通り》。正式名称は《駒見町》。
ここに来たの…ほんとに久しぶり。
最近、ハイカラ通りに来なかった…ここを《避けてた》理由は…。
ハイカラ通りは鵜鷹目の視察巡回率が最も高い。そのおかげで、僕らの嫌いな丹波彩乃の出現率までも高かったからだ。
『わぁ…ちょっと!見て金魚!あのハーフっぽい可愛い女の子…肌が白いねー。髪がすっごく綺麗だし。背は高くてもの凄くスタイルも良いし、脚なんかあんなに細くて長いし…羨ましいな』
『ほんとだ。あの子、綺麗だね』
詩織と僕が見てた、あのハーフっぽい綺麗な女の子も僕らに気付き、にこっと笑顔を見せながら、両手を小さく振って僕らに近付いて来てくれた。
『わーぁ。詩織ちゃんと金魚ちゃーん。いつも応援してますよー』
『こんにちはー。えっ、そうなの!?嬉しい…それにしても、ほんとに可愛いね!』
詩織とその可愛い女の子は、両手を重ね繋いで急にぴょんぴょん跳んでた。
『そんなことないでーす』
『可愛かったね。あの子』
『うん。坂本マリッタちゃんだってね。名前』
『それにまだ高2だって!…あんなに綺麗で大人っぽいのに』
ちなみに…お父さんは日本人で、お母さんはフィンランド人なんだとか。
『じゃあ次…ねぇねぇ、あの子どう?金魚。可愛くない?』
『どれ?どの子…あっ!あの子!?』
『ね!でしょ?可愛いー♪』
…そうやって、僕と詩織は目の前のお洒落な女の子たちを観察しては論評し、あーだこーだと言い合いながら、時間の許す限り楽しんだ。
結局…彩乃と出くわすことはなかった。
午前11時16分、僕らは新井早瀬駅へと戻ってきた。そのまま駅構内に入る。
ラジオの生放送を終えた鈴ちゃんは、いつもなら11時40分頃に、この地下鉄の改札口の向こうに現れる。
『…鈴ちゃん、私たちにどんな《大事な話》をするんだろうね…』
…って、僕が詩織に言うと…。
『だから彩乃ちゃんのことでしょ?金魚は違うって思うの?』
『…うん。なんとなく』
『違うんだったら…何の話?』
『…。』
彩乃のことじゃないとは思うんだ。思うんだけど…鈴ちゃんが何の話をするのか…まではちょっと解りません…。
『歩美お姉ちゃん…いい部屋見付かったかな…』
『金魚、話題をすり替えるのが下手ね』
『…。』
午前11時38分。遂に鈴ちゃんが改札口の向こうに現れた。
『金魚ちゃん!詩織ちゃんも…3週間振りだね!』
『うん。鈴ちゃんお久しぶりー』
『お久しぶり。鈴ちゃん』
改札口を通り、出てきた鈴ちゃん。いつもと変わらない明るい笑顔を見せてくれた。
『じゃあ…今日のランチも久しぶりにアンプリエの45階、ゆずぽんの高級料亭《美膳庵》で食べよう。もう予約してあるし、もちろん私の奢りだから。詩織ちゃんも金魚ちゃんも安心してね』
『ダメよ!鈴ちゃん、また奢りだなんて…!』
『金魚、久しぶりに…行ってみる?』
『うん。久しぶりに行ってみたい』
流行を発信する繁華街。綺麗で可愛くて凄くお洒落…そんな女の子たちが最も集まる《早瀬ヶ池の心臓》…通称《ハイカラ通り》。正式名称は《駒見町》。
ここに来たの…ほんとに久しぶり。
最近、ハイカラ通りに来なかった…ここを《避けてた》理由は…。
ハイカラ通りは鵜鷹目の視察巡回率が最も高い。そのおかげで、僕らの嫌いな丹波彩乃の出現率までも高かったからだ。
『わぁ…ちょっと!見て金魚!あのハーフっぽい可愛い女の子…肌が白いねー。髪がすっごく綺麗だし。背は高くてもの凄くスタイルも良いし、脚なんかあんなに細くて長いし…羨ましいな』
『ほんとだ。あの子、綺麗だね』
詩織と僕が見てた、あのハーフっぽい綺麗な女の子も僕らに気付き、にこっと笑顔を見せながら、両手を小さく振って僕らに近付いて来てくれた。
『わーぁ。詩織ちゃんと金魚ちゃーん。いつも応援してますよー』
『こんにちはー。えっ、そうなの!?嬉しい…それにしても、ほんとに可愛いね!』
詩織とその可愛い女の子は、両手を重ね繋いで急にぴょんぴょん跳んでた。
『そんなことないでーす』
『可愛かったね。あの子』
『うん。坂本マリッタちゃんだってね。名前』
『それにまだ高2だって!…あんなに綺麗で大人っぽいのに』
ちなみに…お父さんは日本人で、お母さんはフィンランド人なんだとか。
『じゃあ次…ねぇねぇ、あの子どう?金魚。可愛くない?』
『どれ?どの子…あっ!あの子!?』
『ね!でしょ?可愛いー♪』
…そうやって、僕と詩織は目の前のお洒落な女の子たちを観察しては論評し、あーだこーだと言い合いながら、時間の許す限り楽しんだ。
結局…彩乃と出くわすことはなかった。
午前11時16分、僕らは新井早瀬駅へと戻ってきた。そのまま駅構内に入る。
ラジオの生放送を終えた鈴ちゃんは、いつもなら11時40分頃に、この地下鉄の改札口の向こうに現れる。
『…鈴ちゃん、私たちにどんな《大事な話》をするんだろうね…』
…って、僕が詩織に言うと…。
『だから彩乃ちゃんのことでしょ?金魚は違うって思うの?』
『…うん。なんとなく』
『違うんだったら…何の話?』
『…。』
彩乃のことじゃないとは思うんだ。思うんだけど…鈴ちゃんが何の話をするのか…まではちょっと解りません…。
『歩美お姉ちゃん…いい部屋見付かったかな…』
『金魚、話題をすり替えるのが下手ね』
『…。』
午前11時38分。遂に鈴ちゃんが改札口の向こうに現れた。
『金魚ちゃん!詩織ちゃんも…3週間振りだね!』
『うん。鈴ちゃんお久しぶりー』
『お久しぶり。鈴ちゃん』
改札口を通り、出てきた鈴ちゃん。いつもと変わらない明るい笑顔を見せてくれた。
『じゃあ…今日のランチも久しぶりにアンプリエの45階、ゆずぽんの高級料亭《美膳庵》で食べよう。もう予約してあるし、もちろん私の奢りだから。詩織ちゃんも金魚ちゃんも安心してね』
『ダメよ!鈴ちゃん、また奢りだなんて…!』
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