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女装と復讐 -街華編-

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なんとか事態は収まり、落ち着き直して…また僕らはオフィスチェアによいしょと座った。

それにしても…あの簡易キッチン、壁に囲まれてるんでもないのに一応《給湯》なんだ…んま、そんなことはどうでもいいか。


『啓介くんさぁ、毎日毎晩仕事の頑張り過ぎで、ちょっと疲れが溜まってたんだよぉ。たまにはちゃんと体を休めないとね…んふふっ♪』

『みんな。さっきは…俺もよく解ってないんだけど、迷惑掛けたらしくて…ごめん』


頭を下げて謝る啓介さん。


『詩織、お前…《小悪魔》から《オンナ大魔神》にでも、この際ランクアップしとくか…あ!?』


秋良さんに体裁が悪そうに、ちょこんと謝って見せる詩織。


『あははは…私なんて見てのとおり、まだこんな小娘なんで…まだちょっと…あははは…早いです…』


『??』
『??』


そしてこの2人のやり取りがどいうい状況なのか、未だに理解できていない啓介さんと歩美さん。


『はーい。ケーキ切ったから、詩織ちゃんと金魚ちゃんと鮎美ちゃん、みんなの分のケーキと紅茶、取りに来てー。手伝ってー』

『はーい♪』
『はい』
『今行きます』


春華さんに呼ばれ、僕ら3人は簡易キッ…コホン。給湯室へと向かう。


『啓介!んじゃ俺らはそっちに、パイプの長机でも出すか!』

『よし!出そう!』




…長い時間、席を外していた春華さん。

缶コーヒーとお菓子を買いに、歩いて近くのコンビニへと向かったんだけど…やっとコンビニに着いた瞬間に《あの鮎美ちゃんだったら、絶対にうちで採用してもらえるに違いないよね…!》と、ふと思い…。

わざわざ来た道を駆け戻って、自分の軽自動車で少し遠くの美味しいケーキ屋さんに行き、お祝い用のケーキを1ホール買ってきたんだとか…。






僕らがケーキと紅茶を運んできたら…事務所のどこに有ったのか、事務所のそっちの広く空いたスペースに《脚部折り畳み式》の長机が2つ並べて置いてあった。
じゃあその上にケーキと、紅茶と、ケーキの取り小皿とフォークを置いて、あのオフィスチェアをガラガラとまた引っ張ってきて…。

みんなが揃い、ケーキも紅茶も全員に行き届いたところで『いっただきまーす!』





『…それなんだよなぁ。それで歩美ちゃんは、いつからここで働けるんだ?』


誰よりも一番早く、ケーキを食べ終えた秋良さん。


『えっと…今アルバイトしているお店の店長さんには、《アルバイトを辞めるときは、1週間前には必ず申請を出してください》って、お仕事の初日に言われました…』


歩美さんは、まだ半分も食べてない。


『そうか。うーん…つうことは…1週間でアパートを探せってか…』

『秋良くん、こんなに可愛い女の子がアパートで一人暮らしって…危なくない?だったらセキュリティ完備のマンションのほうか…』


春華さんは、あと3分の1くらいで完食。


『けどさ春華ちゃん、ここらの平均的な《1Kのアパート》でも家賃は月5、6万円。安いボロアパートで3、4万。セキュリティ完備のマンションなんて言ったら…』


啓介さんは今完食。


『…だな。歩美ちゃんには申し訳ないが…働き始めてすぐに、高い給料を払える…なんて大企業じゃないからなぁ…うちは…』


























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