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女装と復讐 -街華編-
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秋良さんは歩美さんに手を差し出した。
『その縫いぐるみも、見せてくれないか?』
『はい。どうぞ』
縫いぐるみを受け取った秋良さん。テディラビットの縫い合わせ部分をじっと見たり、頭や耳を撫でてみたり、着ている衣装の縫い方を確認するために、スカートをめくって裏地を見たりと、細部の隅々まで観察した。
『丁寧に気を遣って綺麗に仕上げてる…こりゃ凄ぇ。ありがとう』
歩美さんに返そうとすると…詩織が手を伸ばしてきた。
『テディラビットちゃんが面接の邪魔をしないように、私が一時的にお預かりします!』
…縫いぐるみを半ば強制的に受け取って、とても嬉しそうに…胸にぎゅっと抱いた詩織。
自身の膝の上に、テディラビットと向かい合わせるように座らせた。
『やだ…綺麗…この子可愛すぎ♪…いいなー♪可愛いなー♪』
…なんか、い…嫌な予感しかしない…。
『まだあるんです』
歩美さんは、またまたダンボール箱の中から、今度はスケッチブックを2冊取り出し、1冊ずつ開いて秋良さんと啓介さんに見せた。
『これは…私が高校生の頃から始めた、洋服のデザイン画集です』
秋良さんは黙ったまま、歩美さんを見て頷いた。
『あと…今日私が穿いてきた、このショートパンツも、私がデザインして縫製したものです』
『歩美ちゃん、一言いいか?』
『えっ?』
秋良さんは一度目を閉じ、ゆっくりとまた目を開いて歩美さんを見た。
『最近、新規で若い女の子向けのアパレル店のオーナー様や、一般的な婦人衣料販売店からの発注が増えてきて、俺ら急に忙しくなってきてさ、今日まで求人とその面接を何度かしてきたんだけど…』
『…はい』
歩美さんは体を軽く揺すって椅子に座る体制を整え直し、不安気な目で秋良さんをじっと見た。
『…面接に来たのは、若い娘とか俺らより歳上の男とか。けどな…自分の家からそうやって、色々と一生懸命にアピールしたい物を考えて…準備して、持ってきた…ってのは、今まで誰一人もいなかった』
『…はい』
啓介さんも僕らと同じように静かに、秋良さんと歩美さんとのやり取りを見守ってる。
『だけど、言うことは一丁前に《中学校の時から縫い物してました》だの《なんでも頑張ります》だの…』
『…はい』
『俺らだって一応な、服を作るプロなんだし、話してれば判るんだって。色々と…』
『……はい』
『気に入った』
『…えっ?』
『今までの奴らとは全然違う…待ち望んでたのが、やっと来てくれたんだよ!歩美ちゃん』
秋良さんは、歩美さんにニヤリと笑って見せた。
『わはははは。凄ぇ…まだ22歳だろ?なのにミシン歴11年だもんな。そんな凄ぇ技術と才能と情熱を持ち合わせてんのに、こんな小っぽけな個人経営のところで…いいのか?本当に』
『えっ、えっ!?』
口を両手で隠すように覆い、目を大きく開いて驚いてる歩美さん。
『縫製だけじゃなくてさ、デザイン考程も手伝ってほしいんだけど…いいか?』
『やったーぁ!鮎美ちゃん!ほら!ほんとに…夢が叶ったよー!』
『その縫いぐるみも、見せてくれないか?』
『はい。どうぞ』
縫いぐるみを受け取った秋良さん。テディラビットの縫い合わせ部分をじっと見たり、頭や耳を撫でてみたり、着ている衣装の縫い方を確認するために、スカートをめくって裏地を見たりと、細部の隅々まで観察した。
『丁寧に気を遣って綺麗に仕上げてる…こりゃ凄ぇ。ありがとう』
歩美さんに返そうとすると…詩織が手を伸ばしてきた。
『テディラビットちゃんが面接の邪魔をしないように、私が一時的にお預かりします!』
…縫いぐるみを半ば強制的に受け取って、とても嬉しそうに…胸にぎゅっと抱いた詩織。
自身の膝の上に、テディラビットと向かい合わせるように座らせた。
『やだ…綺麗…この子可愛すぎ♪…いいなー♪可愛いなー♪』
…なんか、い…嫌な予感しかしない…。
『まだあるんです』
歩美さんは、またまたダンボール箱の中から、今度はスケッチブックを2冊取り出し、1冊ずつ開いて秋良さんと啓介さんに見せた。
『これは…私が高校生の頃から始めた、洋服のデザイン画集です』
秋良さんは黙ったまま、歩美さんを見て頷いた。
『あと…今日私が穿いてきた、このショートパンツも、私がデザインして縫製したものです』
『歩美ちゃん、一言いいか?』
『えっ?』
秋良さんは一度目を閉じ、ゆっくりとまた目を開いて歩美さんを見た。
『最近、新規で若い女の子向けのアパレル店のオーナー様や、一般的な婦人衣料販売店からの発注が増えてきて、俺ら急に忙しくなってきてさ、今日まで求人とその面接を何度かしてきたんだけど…』
『…はい』
歩美さんは体を軽く揺すって椅子に座る体制を整え直し、不安気な目で秋良さんをじっと見た。
『…面接に来たのは、若い娘とか俺らより歳上の男とか。けどな…自分の家からそうやって、色々と一生懸命にアピールしたい物を考えて…準備して、持ってきた…ってのは、今まで誰一人もいなかった』
『…はい』
啓介さんも僕らと同じように静かに、秋良さんと歩美さんとのやり取りを見守ってる。
『だけど、言うことは一丁前に《中学校の時から縫い物してました》だの《なんでも頑張ります》だの…』
『…はい』
『俺らだって一応な、服を作るプロなんだし、話してれば判るんだって。色々と…』
『……はい』
『気に入った』
『…えっ?』
『今までの奴らとは全然違う…待ち望んでたのが、やっと来てくれたんだよ!歩美ちゃん』
秋良さんは、歩美さんにニヤリと笑って見せた。
『わはははは。凄ぇ…まだ22歳だろ?なのにミシン歴11年だもんな。そんな凄ぇ技術と才能と情熱を持ち合わせてんのに、こんな小っぽけな個人経営のところで…いいのか?本当に』
『えっ、えっ!?』
口を両手で隠すように覆い、目を大きく開いて驚いてる歩美さん。
『縫製だけじゃなくてさ、デザイン考程も手伝ってほしいんだけど…いいか?』
『やったーぁ!鮎美ちゃん!ほら!ほんとに…夢が叶ったよー!』
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