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女装と復讐 -街華編-
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事務所の端っこに、円を描くように座った僕ら6人。
秋良さんが個人経営する【Posi-Stylish/Japan】の、この事務所はとても広くて、事務所の中央部にちょっと安そうな事務机が6つ、集まるように配置してある。
各種ファイルなどは引き出しにきっちりと仕舞われ、整頓されていて、どの事務机の上もとても綺麗。
事務所の中心から見て東側に玄関。南壁のブラインドの下された4つの窓の前には4つのミシン。
北側の壁際には幾つかのアルミ棚と、無造作に積まれたたくさんの大きなダンボール箱が。
西壁の南側に簡易キッチン。そして壁の北側の端に置かれている長めのパイプハンガーには、もうこれ以上は無理ってぐらい、サンプルだろう縫製された衣装がずらりと並び架けてある。
『…よし。そろそろ真面目に面接でも始めっか』
『はい。宜しくお願いします』
歩美さんは両手両足をきちんと揃え、姿勢を正して秋良さんと啓介さんに、丁寧に会釈した。
『じゃあ、私はコンビニに行って、みんなのコーヒー買ってくるね』
そう言って、春華さんは事務所を出ていった。
『…俺は単刀直入に、必要なことだけしか訊かねぇけど…』
いつもは表情の柔らかい秋良さんも、とたんにビジネスの話となったら、真剣な眼差しとなって歩美さんを見た。
『…歩美ちゃんは、自分のミシン…《いくつ》持ってんだ?』
…いくつ??
えっ?ミシンって…家に1台あればいいんじゃ…ない??
『…はい。私の部屋には《職業用》と《ロック》と《カバーステッチ》…3台あります』
『へぇ…凄ぇな。本格的じゃん』
何も言われてないのに、歩美さんは自分の横に置いたあのダンボール箱の中から、写真を3枚取り出した。
そして、その写真らを秋良さんに、両手で手渡す。
『見てください』
『あぁ』
写真を全て確認し、秋良さんはひょいと啓介さんにも写真を差し出した。
『秋良さん、何の写真?』
『ミシンの写真だよ』
『ねぇ啓介くん、私も見たい!次見せて!ミシンの写真』
詩織が瞳をキラキラさせて、啓介さんにそう言った。
『あと…これも見てください』
歩美さんは、また何かをダンボール箱から取り出した。そして《それ》を膝の上にちょこんと座らせる。
『いやーっ♪待って、なにこれー♪可愛ーい♪』
《それ》を見た瞬間、詩織は更にキラキラな視線ではしゃぎだした。
『…ん?これ…歩美ちゃんが作ったテディベア?』
『はい。あ、えっと…これは垂れ耳タイプの《テディラビット》って言います。このテディラビットの着ている《初音ミク》の衣装も、私が《お遊び》で作りました』
ネットでよく見る、アイドル的存在…ボーカロイドの《初音ミク》。そのコスプレの衣装を着たウサギの縫いぐるみ。テディ…ラビット?
とても丁寧に作ってあって本当に可愛らしいし、長く大きく垂れた若葉色の耳が、初音ミクの《ツインテール》に似せてある…この耳を髪に似せるアイデアなんか、ほんと凄いな。
秋良さんが個人経営する【Posi-Stylish/Japan】の、この事務所はとても広くて、事務所の中央部にちょっと安そうな事務机が6つ、集まるように配置してある。
各種ファイルなどは引き出しにきっちりと仕舞われ、整頓されていて、どの事務机の上もとても綺麗。
事務所の中心から見て東側に玄関。南壁のブラインドの下された4つの窓の前には4つのミシン。
北側の壁際には幾つかのアルミ棚と、無造作に積まれたたくさんの大きなダンボール箱が。
西壁の南側に簡易キッチン。そして壁の北側の端に置かれている長めのパイプハンガーには、もうこれ以上は無理ってぐらい、サンプルだろう縫製された衣装がずらりと並び架けてある。
『…よし。そろそろ真面目に面接でも始めっか』
『はい。宜しくお願いします』
歩美さんは両手両足をきちんと揃え、姿勢を正して秋良さんと啓介さんに、丁寧に会釈した。
『じゃあ、私はコンビニに行って、みんなのコーヒー買ってくるね』
そう言って、春華さんは事務所を出ていった。
『…俺は単刀直入に、必要なことだけしか訊かねぇけど…』
いつもは表情の柔らかい秋良さんも、とたんにビジネスの話となったら、真剣な眼差しとなって歩美さんを見た。
『…歩美ちゃんは、自分のミシン…《いくつ》持ってんだ?』
…いくつ??
えっ?ミシンって…家に1台あればいいんじゃ…ない??
『…はい。私の部屋には《職業用》と《ロック》と《カバーステッチ》…3台あります』
『へぇ…凄ぇな。本格的じゃん』
何も言われてないのに、歩美さんは自分の横に置いたあのダンボール箱の中から、写真を3枚取り出した。
そして、その写真らを秋良さんに、両手で手渡す。
『見てください』
『あぁ』
写真を全て確認し、秋良さんはひょいと啓介さんにも写真を差し出した。
『秋良さん、何の写真?』
『ミシンの写真だよ』
『ねぇ啓介くん、私も見たい!次見せて!ミシンの写真』
詩織が瞳をキラキラさせて、啓介さんにそう言った。
『あと…これも見てください』
歩美さんは、また何かをダンボール箱から取り出した。そして《それ》を膝の上にちょこんと座らせる。
『いやーっ♪待って、なにこれー♪可愛ーい♪』
《それ》を見た瞬間、詩織は更にキラキラな視線ではしゃぎだした。
『…ん?これ…歩美ちゃんが作ったテディベア?』
『はい。あ、えっと…これは垂れ耳タイプの《テディラビット》って言います。このテディラビットの着ている《初音ミク》の衣装も、私が《お遊び》で作りました』
ネットでよく見る、アイドル的存在…ボーカロイドの《初音ミク》。そのコスプレの衣装を着たウサギの縫いぐるみ。テディ…ラビット?
とても丁寧に作ってあって本当に可愛らしいし、長く大きく垂れた若葉色の耳が、初音ミクの《ツインテール》に似せてある…この耳を髪に似せるアイデアなんか、ほんと凄いな。
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