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女装と復讐 -街華編-

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『…あっ、ミシンですか?ミシンなら…11歳の頃からずっと使…はい。えっ?あ…私ですか?今、22歳です…』



『…あ、はい。大丈夫だと思います…そうですね…採寸から型紙の製作…生地の裁断もミシンの縫製作業も…はい…はい。衣装のデザイン考程も…はい。できます…』



僕は詩織と見合った…!
ちょっ…歩美さん、普通に凄すぎない!!?



『…あ、いえ…こういうお仕事には就いたことはないんです…学校を卒業してからは就職難で…はい…今までは、ケーキ屋さんとかアイスクリーム屋さんのアルバイトとかばっかりで…』



『…学校を卒業といっても…いえ、高卒じゃないです。2年前に《べルーベ衣装デザイン専門学校》を…そうです…そうです…はい…卒業しました…』


僕は見てて、なんとなく感じた。

だんだんと歩美さんが、秋良さんの質問にハキハキと答えはじめ、どんどん積極的に、自分をちゃんとアピールしはじめたって。

僕と同じように、歩美さんを見詰める詩織の瞳も、嬉しそうにキラキラと凄く輝いている。




『….えっ!?鈴木さんも《べルーベ》の卒業生なんですか!?…えーっ…じゃあ、私の先輩ってことですよね!…凄ーい…』



えーっ!?先輩後輩!?
な、なんて偶然…ほんとに凄いっ!!



『…い、いいんですか!?…ほんとに!?…はい。来週…の、土曜日ですね…はいっ!頑張って時間作ります!』



『…鈴木さん、忙しい方なのに突然のお電話…本当にありがとうございました!…はい。失礼いたしまーす…はーい…』




…僕が勝手に、秋良さんに電話したんだけどね…。

歩美さんは僕にスマホを返してくれると…えっ!?突然泣きだした….!?


『うぅ…うっ……ぐすっ…』

『えっ?…お姉ちゃん?』
『どうしたの鮎美ちゃん!?…なんで急に泣き出しちゃったの!?』


やや下を向く歩美さんの両目から、大きな涙がテーブルに、ボタボタと落ちはじめた…。


『…うぅ……私…もう諦めようって…ぐすっ…思ってたのに…』

『鮎美ちゃんちょっと待って!今ハンカチ出すから!!』


慌ててバッグに手を突っ込む詩織。

ぐずる歩美さんの鼻頭は、もうほんのりピンク色に。

テーブルに両肘を付き、詩織から手渡された薄紫色のハンカチで、歩美さんは赤くなった両目を覆い隠した。


『…うぅ…どうしよう…私…』

『鮎美ちゃん、大丈夫だから。もう運命の女神さまに任せておけば?…って私思うよ』


優しい詩織の言葉に、歩美さんは頭を横に振った。


『…ううん…違うの…。先週も今日も…詩織ちゃんと金魚ちゃんに私…助けられてばっかり…』
























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