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女装と復讐 -街華編-
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しばらくして、僕ら3人は揃って《キャラメルフラペチーノ》を頼もうって決めた。
代表して歩美さんが注文カウンターに行ってくれることに。
『じゃあ、私はそのあいだに、ちょっとおトイレ行ってきてもいい?』
…って、2人に訊いたのは僕。
『いいよ。行ってきて』と詩織。
僕は立ち上がってトイレへと向かう。
女装した僕…金魚が入るのは、もちろん《woman's restroom》。
初めて女子トイレに入ったときは、洗面台の鏡の前に立つ女の子たちを目にしてビクッ!!と、バレないかと心配してオドオドしたりしてたけど…今はもう全然平気。
ちらりと振り向き、僕…金魚を見て『あっ!』と驚かれても、気にせずさっさと個室へ。入ってしまえばもう安心。
…用を済ませ、さぁて個室から出ようかなと思ったとき…なんだか僕の興味を引くような会話が、扉の向こうから聞こえてきた。
「…そういえば前にさぁ、《瀬ヶ池のメダカ》って呼ばれててー、背が普通の男子なんかより低くてー、服装とかもう超田舎っぽくてー、超ウザかった奴いたじゃん?」
「あー。そんなのいたねー。最近全然見ないけどー」
僕は出ようと、個室の扉のロックに触れた手を、静かにそっとまた下ろした…。
耳を大っきくして、微かに聞こえてくる女の子たちの《洗面台会話》に集中する…。
「あのメダカって奴さぁ、PARCOの細い路のほうでナンパしてたじゃん?」
「あー!解ったぁ!沙英の言いたいの、《ドジョウ》のことじゃね?」
………ドジョウ?……って…?
「あっはははは。そうそうそう。《瀬ヶ池のドジョウ》のこと」
…瀬ヶ池の…ドジョウ…!?
「ドジョウさぁ、メダカがいなくなったあの場所でー、似たような下手っくそなナンパ、ずーっとやってんでしょ?」
「そうそう。まじでクッソウザいよねー」
「一生やっててもどうせ無駄なんだから、目障りだからどっか行けっつーの!」
「あはははは。言えてるー。だよねー」
『…。』
会話が消えた…。どうやら今話してた女の子たち、女子トイレから出ていったらしい…。
もうここに居ても仕方ない。個室から出て早く詩織たちのところへ戻ろう。
…ドジョウ…。
女子トイレを出て2人の居るテーブル席へと向かうと…なんだか凄く楽しそうに笑顔で会話している様子の歩美さんと詩織。
何の話で盛り上がってるんだろう…?
『…ただいま』
『おかえりなさい』
『ちょっと金魚、聞いてよ!鮎美ちゃんさぁ、ほんとすっごいの!』
『…えっ?あの…何がそんなに凄いの?』
代表して歩美さんが注文カウンターに行ってくれることに。
『じゃあ、私はそのあいだに、ちょっとおトイレ行ってきてもいい?』
…って、2人に訊いたのは僕。
『いいよ。行ってきて』と詩織。
僕は立ち上がってトイレへと向かう。
女装した僕…金魚が入るのは、もちろん《woman's restroom》。
初めて女子トイレに入ったときは、洗面台の鏡の前に立つ女の子たちを目にしてビクッ!!と、バレないかと心配してオドオドしたりしてたけど…今はもう全然平気。
ちらりと振り向き、僕…金魚を見て『あっ!』と驚かれても、気にせずさっさと個室へ。入ってしまえばもう安心。
…用を済ませ、さぁて個室から出ようかなと思ったとき…なんだか僕の興味を引くような会話が、扉の向こうから聞こえてきた。
「…そういえば前にさぁ、《瀬ヶ池のメダカ》って呼ばれててー、背が普通の男子なんかより低くてー、服装とかもう超田舎っぽくてー、超ウザかった奴いたじゃん?」
「あー。そんなのいたねー。最近全然見ないけどー」
僕は出ようと、個室の扉のロックに触れた手を、静かにそっとまた下ろした…。
耳を大っきくして、微かに聞こえてくる女の子たちの《洗面台会話》に集中する…。
「あのメダカって奴さぁ、PARCOの細い路のほうでナンパしてたじゃん?」
「あー!解ったぁ!沙英の言いたいの、《ドジョウ》のことじゃね?」
………ドジョウ?……って…?
「あっはははは。そうそうそう。《瀬ヶ池のドジョウ》のこと」
…瀬ヶ池の…ドジョウ…!?
「ドジョウさぁ、メダカがいなくなったあの場所でー、似たような下手っくそなナンパ、ずーっとやってんでしょ?」
「そうそう。まじでクッソウザいよねー」
「一生やっててもどうせ無駄なんだから、目障りだからどっか行けっつーの!」
「あはははは。言えてるー。だよねー」
『…。』
会話が消えた…。どうやら今話してた女の子たち、女子トイレから出ていったらしい…。
もうここに居ても仕方ない。個室から出て早く詩織たちのところへ戻ろう。
…ドジョウ…。
女子トイレを出て2人の居るテーブル席へと向かうと…なんだか凄く楽しそうに笑顔で会話している様子の歩美さんと詩織。
何の話で盛り上がってるんだろう…?
『…ただいま』
『おかえりなさい』
『ちょっと金魚、聞いてよ!鮎美ちゃんさぁ、ほんとすっごいの!』
『…えっ?あの…何がそんなに凄いの?』
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