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女装と復讐 -街華編-
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な、なんてキュート過ぎる可愛い唇なんだ…しかも、こんなに僕の間近に…ドキドキ。
世の男性諸君にとってこの唇は、あまりにも危険極まりない…罪深い《公然視覚的不意打ち魅惑テロ》だとしか言いようがない…。
ドキドキドキドキ…。
歩美さんの寝顔…見れば見るほど、歩美さんこそ《本物の金魚》なんじゃないかと思…。
えっ?本物…!!
ふと視線越しに…詩織がにんまりとした薄目の笑顔で、僕をじーっと見ているのが視界に入った…怖っ!!
「ねぇ…金魚。今…鮎美ちゃんの寝顔…唇?見てたでしょ。ふふっ…」
鈴ちゃんと岡ちゃんに聞こえないように?小声でそう僕に言う詩織…。
「えぇっ!?…み、見てな…ません…」
「嘘おっしゃい♪」
…ひぃぃ…。
「ねーっ♪金魚が生唾ゴクリ…って、ほっぺが紅くなっちゃうのも無理ないよね♪金魚に似てるってだけあって…鮎美ちゃん、ほんとすっごく可愛いもんねー。きひひひっ♪」
ニヤニヤ笑顔の詩織…ひぃぃいぃっ…。
また《小悪魔詩織》が降臨したぁぁぁー!!
うわぁぁーっ!!!怖ぁぁっ!!!
「いや、あの…あっ!ほら…歩美さんのメイク、どんなかなーって…気になっ…」
「はい嘘ー。嘘はダメったら♪私の《天使の目》は誤魔化せませーん♪」
『…。』
「きゃははっ♪」
『……。』
…《おばタク》は5分ほどで、ナオさんの化粧品店の前に到着。そして路肩に停車。
いつものように、車を降りた岡ちゃんがドアを開けてくれる。
『鮎美ちゃーん、着いたよー。降りてー』
詩織が歩美さんの肩を、軽くトントンと叩く。
『………ぇ?…は、はぃ…』
まだ少し寝ぼけてる歩美さん。
『ほら…金魚はそっちの肩持ってあげて。私はこっち持つから』
『うん。よいしょ』
僕ら3人が降りると、助手席のドアガラスが下ろされ、静かに開いた。
『詩織ちゃん、金魚ちゃん』
『はい』
鈴ちゃんは開いた助手席の窓にちょこんと両手を掛け、顔をほんの少し乗り出させた。
『ロサンゼルスのお土産、ちゃんと買ってくるから…あっ!鮎美ちゃんの分もね。だから待っててね』
『うんっ。ありがとぉ♪』
『ありがとう』
『…あと』
『?』
『?』
優しい笑顔だった鈴ちゃんの表情が、急に険しくなった。
『…鮎美ちゃんの写真が《カラフル》に、勝手に貼られて《本物宣言》したって件のこと…彩に《問いただして》みておくから…』
…僕らは、少し重々しく頷いた。
『それじゃあ…詩織ちゃん、金魚ちゃん。ありがとうね』
『ううん。こちらこそ。ありがとう』
鈴ちゃんと詩織…お互い小さく手を振り合う。
岡ちゃんが運転席にさっと戻ると、《おばタク》はそのまま走り去った…。
世の男性諸君にとってこの唇は、あまりにも危険極まりない…罪深い《公然視覚的不意打ち魅惑テロ》だとしか言いようがない…。
ドキドキドキドキ…。
歩美さんの寝顔…見れば見るほど、歩美さんこそ《本物の金魚》なんじゃないかと思…。
えっ?本物…!!
ふと視線越しに…詩織がにんまりとした薄目の笑顔で、僕をじーっと見ているのが視界に入った…怖っ!!
「ねぇ…金魚。今…鮎美ちゃんの寝顔…唇?見てたでしょ。ふふっ…」
鈴ちゃんと岡ちゃんに聞こえないように?小声でそう僕に言う詩織…。
「えぇっ!?…み、見てな…ません…」
「嘘おっしゃい♪」
…ひぃぃ…。
「ねーっ♪金魚が生唾ゴクリ…って、ほっぺが紅くなっちゃうのも無理ないよね♪金魚に似てるってだけあって…鮎美ちゃん、ほんとすっごく可愛いもんねー。きひひひっ♪」
ニヤニヤ笑顔の詩織…ひぃぃいぃっ…。
また《小悪魔詩織》が降臨したぁぁぁー!!
うわぁぁーっ!!!怖ぁぁっ!!!
「いや、あの…あっ!ほら…歩美さんのメイク、どんなかなーって…気になっ…」
「はい嘘ー。嘘はダメったら♪私の《天使の目》は誤魔化せませーん♪」
『…。』
「きゃははっ♪」
『……。』
…《おばタク》は5分ほどで、ナオさんの化粧品店の前に到着。そして路肩に停車。
いつものように、車を降りた岡ちゃんがドアを開けてくれる。
『鮎美ちゃーん、着いたよー。降りてー』
詩織が歩美さんの肩を、軽くトントンと叩く。
『………ぇ?…は、はぃ…』
まだ少し寝ぼけてる歩美さん。
『ほら…金魚はそっちの肩持ってあげて。私はこっち持つから』
『うん。よいしょ』
僕ら3人が降りると、助手席のドアガラスが下ろされ、静かに開いた。
『詩織ちゃん、金魚ちゃん』
『はい』
鈴ちゃんは開いた助手席の窓にちょこんと両手を掛け、顔をほんの少し乗り出させた。
『ロサンゼルスのお土産、ちゃんと買ってくるから…あっ!鮎美ちゃんの分もね。だから待っててね』
『うんっ。ありがとぉ♪』
『ありがとう』
『…あと』
『?』
『?』
優しい笑顔だった鈴ちゃんの表情が、急に険しくなった。
『…鮎美ちゃんの写真が《カラフル》に、勝手に貼られて《本物宣言》したって件のこと…彩に《問いただして》みておくから…』
…僕らは、少し重々しく頷いた。
『それじゃあ…詩織ちゃん、金魚ちゃん。ありがとうね』
『ううん。こちらこそ。ありがとう』
鈴ちゃんと詩織…お互い小さく手を振り合う。
岡ちゃんが運転席にさっと戻ると、《おばタク》はそのまま走り去った…。
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