女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -街華編-

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詩織の写真撮影は1回目を難無く終え、2回目の撮影のためにアンナさんが櫛やドライヤー、ヘアスプレーを使って、詩織の髪を再度セットし直している。

僕もまだまだ下手なりにも無事に撮影が済み…って、僕の撮影はこの1回で終了。今は詩織の隣に座って雑談していた。


『ねぇ詩織』

『うん?何』


いつものように、あまり首を動かせない状態の詩織。


『彩乃がもう鈴ちゃんと仲良くするなって…瀬ヶ池の街を堂々と歩くなって言ってたけど…』

『気にしてるの?あんなの勝手に言わせとけばいいのよ。冗談じゃないわ』


ナオさんは少し離れた位置で、雄二さんと何やら話をしている。


『これからだって堂々と瀬ヶ池の街を歩くし、鈴ちゃんとも仲良くランチとかもする。何も変わらない。金魚だってそうでしょ?』

『うん。だよね』

『ほらぁ、笑って金魚。表情が硬いよ。リラックスリラックス』


僕と詩織は、互いを見合って微笑んだ。


『詩織、さっきはお疲れさま』

『ありがとう。金魚もね』






詩織の髪のセットが済んだところで、雄二さんがこっちへと歩き寄ってきた。


『なぁ金魚。俺と杏菜との3人で少し話しようぜ』

『?』


僕は目をぱちくりしながら、雄二さんの顔を見上げた。


「詩織ちゃーん、こっち来て私と、ちょっとお話しない?」


逆に詩織はナオさんに呼ばれた。


『はーいナオさん。ちょっと待ってねー。今行くからー』






詩織とナオさんは何の雑談をしてるんだろう?…ケラケラと大袈裟に笑い合いながら話をしてる様子。

そして僕の目の前には、並んで座ったアンナさんと雄二さんの2人。


『金魚…お前はもう杏菜から聞いてるかもしれないけどな…俺達が詩織と初めて知り合った頃のこと、そして詩織を規約違反させてまで《G.F.》専属モデルデビューさせた経緯いきさつ、お前と詩織がなぜ引き合わせられ、パートナーとなったのか…お前にその真実の全てを話して教えておく…』


いつになく、凄く真面目に語った雄二さん…。


『杏菜、あとは任せた』


アンナさんは黙って頷いた。

…これより、以下の語りは僕じゃなくて、アンナさんですから。お間違いなく…。





--私と詩織が初めて出会ったのは…かれこれ9年前。美容院クローシュ・ドレがオープンしてから1ヶ月が経った頃よ。

ダンスの先生をしてるっていう新しいお客さま《園原智恵さん》の紹介で、詩織は紹介されたママに付いて、2人でこの美容院に来てくれたの。

当時は詩織は小学生5年生の11歳。私は美容専門学校を卒業して、まだ1年しか経っていなかった21歳。その当時の店長は…現役のベテラン美容師だった雄二のお母様だったのよ。--

























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